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7月15日更新

日本人の萎えた心を蘇生させる、純度の高いファンタジーの傑作 崖の上のポニョ

  • 崖の上のポニョ
  • 一途な想いを募らせて荒れ狂う波の上を全速力で走って走って跳躍し、どこまでも少年を追いかける少女――。横溢するパッションと歓喜のデフォルメに、アニメならではの幸福感が凝縮される。そう、幼少期にまで遡らなければ、もはや世の中を肯定することなどできないとばかりに、宮崎駿は臆面もなく5歳児や恋する人魚の主観になってみせる。ストーリー性よりも、こうあるべき慈愛に満ちた世界と高揚する映画的な瞬間が優先さ... >>続きを読む

世界の破滅はいきなりこうやってやってくる ハプニング

  • ハプニング
  • これは世界が破滅する物語である——どこかでそんな宣言がなされたのかもしれない。物語が始まったかと思うと、いきなり人がバタバタと死に始める。何故そうなったのか、おざなりな説明はあるもののもはや問題はそこにはない。とにかくハプニングは起こってしまったのだ。その緊急の現場でわれわれが何をするか、それによってどうなるかだけが描かれていく。誰も全体像が見渡せない。映画を見ているわれわれも登場人物たちと... >>続きを読む

カンフー映画への夢と愛が詰まった2トップの初共演 ドラゴン・キングダム

  • ドラゴン・キングダム
  • 「スピード・レーサー」のオリジナルに対する敬愛度には並々ならぬものがあったが、この夏にはもう1本、オタクの愛に満ち溢れた映画がある。「ドラゴン・キングダム」だ。 ジャッキー・チェンとジェット・リーという2トップの夢の初共演は、ただビッグスターが顔を並べただけのものではない。幼少の頃から武術学校で専門的に学んできた彼らの正確で美しいカンフーは、2人が闘うことで威力も魅力も倍増。まるで素晴... >>続きを読む

7月8日更新

パトリック・デンプシーだから許せる焦れったい恋 近距離恋愛

  • 近距離恋愛
  • 週末を必ず一緒に過ごす10年来の女友達への気持ちが、友情のはずがない。それに気付いた矢先に、彼女の花嫁付添人をつとめる羽目になった男を待ち受けるのは、ロマコメの王道の悪戦苦闘。鈍感すぎる男と女が繰り広げる恋はかなり焦れったいが、それが許せるのもパトリック・デンプシーだからこそ。かなりイケてるはずのニューヨークの優男が、自分とは対照的な婚約者から彼女を奪還しようとするものの、そのたびにすべてに... >>続きを読む

この顔合わせ&タイトルに決して惑わされてはいけない たみおのしあわせ

  • たみおのしあわせ
  • オダギリジョー×麻生久美子。「時効警察」ファンは、この顔合わせ&タイトルに決して惑わされてはいけない! 確かに、2人のほのぼのしたデートシーンには小ネタが飛び出し、ライブハウスのオーナー役では三木聡自身も顔を出す。だが、本作の監督は“熊本課長”こと岩松了。作・演出家としての彼は、観客を笑わそうとする以前に多くを語らない。つまり、各シーンの意図を観客に委ねており、そこに笑いが付随する仕掛けだ。... >>続きを読む

肩の力を抜いたゆるさ加減が妙に心地いい 百万円と苦虫女

  • 百万円と苦虫女
  • いま監督たちの評価が高い旬の女優・蒼井優が主演する、コミュニケーションの難しさをテーマにしたほろ苦いロードムービーだ。蒼井が演じるヒロインの鈴子は事件に巻き込まれて前科がつき、家にいづらくなって転々とする。不器用で他人とも自分自身ともうまく距離をとれない彼女は、「自分探しなんて、むしろしたくない」と言うが、実は、自分と向き合うしかないとわかっている。預金が100万円になったら次の場所に引っ越... >>続きを読む

7月1日更新

未曾有の悲劇を深追いせず、映画的醍醐味が味わえる佳作に クライマーズ・ハイ

  • クライマーズ・ハイ
  • あの夏の惨劇――直後に動き出す地元新聞記者たちの闘い。編集局内の確執や販売局との対立といった事態に直面し、ブンヤ魂が熱くほとばしる。カオスの中、脇役たちが活写され、局内の管理職・蛍雪次朗、遠藤憲一、でんでんら個性派キャラは、ここぞとばかり全開だ。 単なる事件記者ものではない。あれから23年経った現在から、極限状態の中を無我夢中で生きた全権デスク・堤真一が、トラウマともなった過去を思い起... >>続きを読む

映画好きなら誰もが楽しめる、究極の娯楽映画 ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!

  • ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!
  • 「好きこそものの上手なれ」という言葉に宿る真理を、初めて心底、痛感させてくれたのはクエンティン・タランティーノだった。そしていま、そのタランティーノだって猛烈な嫉妬と称賛をわき上がらせずにいられない才能が登場! それが英国の天晴れな映画バカ、エドガー・ライトだ。 ゾンビ映画への愛を昇華させた「ショーン・オブ・ザ・デッド」も傑作だったが、同じ主演コンビ(サイモン・ペッグは脚本も共同執筆)... >>続きを読む

松田優作ならこの映画に何て言うだろう? カメレオン

  • カメレオン
  • 映画「野獣死すべし」やTVドラマ「探偵物語」で知られる脚本家・丸山昇一が、およそ30年前に松田優作のために企画した幻の脚本「カメレオン座の男」を映画化した作品だそうで、阪本順治監督×藤原竜也主演というので相当期待したが、ストーリーの根幹となるプロットが何も効果がなく、“ハードボイルド”というより半熟にもなっていない卵で、ぼくの映画観とは対極にある映画だった。 「オールド・ボーイ」のチェ... >>続きを読む

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