新作映画評論 Page2

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11月11日更新

航空機の飛行に関わるプロの姿を描くグランドホテル形式の群像劇 ハッピーフライト

  • ハッピーフライト
  • いくら矢口史靖監督作とはいえ、またも「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」路線を期待するのは間違いだろう。もちろん、デビュー当時の不幸な女路線でもない。今回は、パイロットやCA(キャビン・アテンダント)をはじめ、航空機の飛行に関わるプロフェッショナルの姿を描く。つまり、“矢口版「大空港」”、もしくは“空港版「THE 有頂天ホテル」”といえる、グランドホテル形式の群像劇である。 一... >>続きを読む

現実世界にもネット上にも溢れかえる“死”の記録、その衝撃と絶望! ダイアリー・オブ・ザ・デッド

  • ダイアリー・オブ・ザ・デッド
  • 前作「ランド・オブ・ザ・デッド」で久々の復活を遂げたジョージ・A・ロメロだが、次はフェイク・ドキュメンタリー形式でゾンビを撮るらしいと聞いたときは「えっ、ロメロにそんな器用なことができるのか?」と思ったものだ。ところが冒頭、TVクルーの取材カメラ目線による長回しの死者の甦りシーンを目のあたりにして不安は一掃。一人称視点ならではの“偶然、恐ろしいものを撮ってしまった”臨場感のこもったオープニン... >>続きを読む

片想いや失恋の痛みを知る10年間を頑張るためのプレゼント ジョージアの日記/ゆーうつでキラキラな毎日

  • ジョージアの日記/ゆーうつでキラキラな毎日
  • 「ジョージアの日記」は、女の子なら一度は綴ったことがある夢の日記だ。容貌にちょっと問題ありだけど、元気で前向きに頑張る女の子ジョージアが、ハンサムな転校生ロビーに恋をして、いろいろ回り道はするけれどハッピー・エンドをゲットする。ロビーが最初につき合う校内一のセクシー美人が絵に描いたようなビッチで、それにうんざりした彼が感情豊かなジョージアの魅力に気づくのだ。ジョージア、良かったねと喜んであげ... >>続きを読む

11月4日更新

2人のマシンガン・トークとセリフのおかしさはさすが かけひきは、恋のはじまり

  • かけひきは、恋のはじまり
  • ジョージ・クルーニーがやりたかったのはフットボールじゃなくてスクリューボール。なんて駄洒落のひとつも言いたくなる軽快なスクリューボール・コメディだ。40歳をとうに過ぎても人気のないプロ・フットボールにしがみついているハミダシ者のドッジは、昔だったらケーリー・グラントかクラーク・ゲーブルが演じたキャラ。久しぶりにスッキリと男前をあげて登場のジョージが意識しているのは、明らかに粋で男くさいゲーブ... >>続きを読む

TV版のファンなら腑に落ちるに違いない X-ファイル/真実を求めて

  • X-ファイル/真実を求めて
  • 「ああ、その通り、確かにこうでなくてはならない」と、TV版のファンなら腑に落ちるに違いない。この劇場版第2作は、TV版から劇場版第1作で描かれたエイリアン系の政府陰謀モチーフを排して、それ以外の「X-ファイル」の真髄を凝縮したものになっている。 まず、メイン・モチーフの予言者ネタは、実はこのシリーズの得意技。製作総指揮のクリス・カーターによる傑作選全8作中、2作がこのネタだ。そしてプロ... >>続きを読む

これまでの河瀬作品にはない世界の広がりがある 七夜待

  • 七夜待
  • カンヌ映画祭グランプリを受賞した「殯の森」に続く河瀬監督の新作には、新たな試みが目立つ。故郷・奈良ではなく、タイを舞台にした物語。作家の狗飼恭子との共同脚本。タイ人、日本人、フランス人で構成されたスタッフ・キャスト。そして、現場の即興性や自発性を重視した演出。 だが、そんな試みによってまったく違う世界を作り上げようとしているわけではない。河瀬監督の独自の視点は確実に引き継がれている。古... >>続きを読む

10月28日更新

第2部への大いなる期待を高める“顔見せ”活劇 レッドクリフ Part I

  • レッドクリフ Part I
  • 「三国志」のクライマックス、「赤壁の戦い」を総計5時間で描く超大作の第1部だ。 ジョン・ウー監督は物語の構成上、臆面もなく黒澤明監督の最高傑作「七人の侍」を踏襲している。関羽・張飛・趙雲といった豪傑らを、歌舞伎の大見得よろしく、見せ場たっぷりに紹介(「三国志」ファンならずとも、この導入部によって物語世界の理解の助けになるはずだ)。あらゆる登場人物が出揃ったところで、曹操軍80万の大軍が... >>続きを読む

ミュージカル「コーラスライン」の真実に迫る本物のドキュメンタリー ブロードウェイ♪ブロードウェイ/コーラスラインにかける夢

  • ブロードウェイ♪ブロードウェイ/コーラスラインにかける夢
  • 最近、急増中のドキュメンタリーは良作揃い。中でもこれは、ドラマ性、エンターテインメント性、観客を圧倒し心を揺さぶるパワーがとてつもなく際立った、本物の一級品だ。この作品が映し出すのは、映画化もされたミュージカル「コーラスライン」の再演オーディションに集まってきた人々。彼らは口々に、いかにこの作品が自分にとって特別かを語る。これは私自身の物語だ、と。なにしろこれは、ミュージカルのオーディション... >>続きを読む

子どもたちの本音を引き出した即興演出が奏功 ブタがいた教室

  • ブタがいた教室
  • まず何よりも6年2組の小学生が小鳥や兎や山羊ではなく、ブタを飼育した実話に意外性がある。物語は担任が「大きくなったらみんなで食べよう」と教室に子ブタを連れてくるところから始まり、子どもたち26名が“Pちゃん”と名付けて世話をしながらペットとして愛情を抱く展開は予想通り。実話の映画化だから奇想天外な事件は起こらないが、家庭環境の違う子どもたち一人一人の表情が生き生きしている。卒業式を控えた子ど... >>続きを読む

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