全米映画ランキング : 2012年1月6日~2012年1月8日

全米映画ランキング:2012年1月10日発表(毎週月曜日更新)

全米週末興行成績:2012年1月6日~2012年1月8日
(金額・順位は確定後のもの)Exhibitor Relations Co. Inc.

順位

先週

タイトル「邦題」/配給(日本配給)

上映週

週末の興収
(単位:$)

累計興収
(単位:$)

1 デビル・インサイド 1 34,500,000 34,500,000
2 1 ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル 4 20,500,000 170,201,000
3 2 シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム 4 14,055,000 157,415,000
4 5 ドラゴン・タトゥーの女

The Girl with the Dragon Tattoo
「ドラゴン・タトゥーの女」

Columbia
(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)

3 11,400,000 76,836,000
5 3 アルビン3 シマリスたちの大冒険 4 9,500,000 111,588,454
6 4 戦火の馬

War Horse
「戦火の馬」

Walt Disney
(ディズニー)

2 8,603,000 56,828,000
7 6 幸せへのキセキ

We Bought a Zoo
「幸せへのキセキ」

20th Century Fox
(20世紀フォックス映画)

3 8,450,000 56,544,109
8 7 タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密 3 6,600,000 61,880,000
9 裏切りのサーカス 5 5,767,288 10,418,437
10 8 ニューイヤーズ・イブ

New Year's Eve
「ニューイヤーズ・イブ」

Waner Bros.
(ワーナー・ブラザース映画)

5 3,265,000 52,026,000

「The Devil Inside」が首位デビュー。「裏切りのサーカス」が9位に

2012年最初の全米ボックスオフィスは、創立100周年を迎えたパラマウント映画の新レーベル「Insurge Pictures」の第1回作品「The Devil Inside」が、3週連続首位を記録していた同じパラマウントの「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」を退けて、見事首位デビューを飾った。

同作のオープニング興収約3370万ドルは1月公開作では歴代3位の好記録(1位は08年「クローバーフィールド/HAKAISHA」の約4000万ドル、2位は97年「スター・ウォーズ特別編」の約3590万ドル)。スタジオ創立100周年と新レーベルの幕開けを飾る素晴らしいスタートとなった。内容はエクソシズム(悪魔払い)を描いたショッキング・ホラー。悪魔に取り憑かれ、殺人を犯してしまった母親を救うため、娘がイタリアへと渡り、エクソシストとともに母親の悪魔払いに挑むが、次から次へと彼女に惨劇が襲いかかる……。マーケティングが功を奏し、興行的には予想以上の大成功となったが、批評家、観客からはかなり激しく叩かれており、「パラノーマル・アクティビティ」のように大化けすることはなさそうだ。監督・脚本はこれまでに映画、TVシリーズなどでホラーを専門的に手がけてきたウィリアム・ブレント・ベル。

約2000万ドルの興収で3週連続の王座から陥落し、2位となった「ゴースト・プロトコル」。累計興収は約1億7000万ドルとなり、すでにシリーズ前作「M:i:III」のグロス(最終興収)1億3400万ドルを抜いて、シリーズ3位に。最終的には2億2000万ドルあたりまでいくと見られており、興収だけで判断すればシリーズ最大のヒットとなる可能性もある(現在、2000年の「M:I-2」が約2億1500万ドルで1位、1996年の第1作「ミッション:インポッシブル」が約1億8000万ドルで2位。だが、チケットの価格が年を追うごとに上昇しているため、単純にシリーズ最大のヒットとはいいがたい)。

いずれにしても、近年人気低下に苦しんでいた製作・主演のトム・クルーズとしては「Mission Accomplished(任務完了)」と胸を張って言える大成功のシリーズ4作目となった。北米以外でも大ヒット中で、全世界興収は1月10日現在約4億5750万ドルを記録。最終的には6億ドルに届くのではないかと言われている。

約1300万ドルで3位の「シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム」は24日間の累計興収を約1億5700万ドルとしたが、シリーズ前作のグロス(最終興収)2億900万ドルには届きそうにない。約1100万ドルで4位の「ドラゴン・タトゥーの女」は20日の累計興収が約7600万ドルに。こちらの最終興収は1億1000万ドルあたりになりそう。

スティーブン・スピルバーグ監督が手がけた戦争ドラマ「戦火の馬」は一つ順位を下げて6位に。派手ではないが着実なチャートアクションで15日間の累計興収が約5600万ドルに。オスカーノミネートを受ければ1億ドルも見えてくる。

そして、拡大公開で17位から9位にランクインしてきたのがスパイスリラー「裏切りのサーカス」。08年「ぼくのエリ 200歳の少女」で名をあげたスウェーデンのトーマス・アルフレッドソン監督が、ゲイリー・オールドマン以下、コリン・ファース、トム・ハーディ、マーク・ストロング、ジョン・ハート、ベネディクト・カンバーバッチらイギリスの実力派俳優を携えて、スパイ小説の大家ジョン・ル・カレの代表作「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」(早川書房刊)を完全映画化。昨年9月のトロント国際映画祭でのお披露目以来、批評家からは大絶賛を受けており、米国アカデミー賞、英国アカデミー賞(BAFTA)他の賞レースでの動向が大きな注目を集めている。日本公開は4月予定。

今週末はディズニーアニメ「美女と野獣 3D」、マーク・ウォールバーグ主演のサスペンス「Contraband」、クイーン・ラティファ主演のミュージカル・コメディ「Joyful Noise」のほか、賞レースで注目を集めるメリル・ストリープ主演の伝記ドラマ「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」が拡大公開に。

2012年1月10日更新 藤井竜太朗

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