ルイズ・ラヴリー : ウィキペディア(Wikipedia)

ルイズ・ラヴリー(, 1895年2月28日 - 1980年3月18日)は、アメリカ合衆国で活動したオーストラリアの女優であるLouise Lovely, Internet Movie Database , 2010年6月10日閲覧。。出生名はネリー・ルイズ・コーバス()、旧芸名ルイズ・カーバス()およびルイズ・ウェルチ()。オーストラリアで最初に国際的に活躍した女優である。

人物・来歴

1895年2月28日、オーストラリアのニューサウスウェールズ州シドニーに生まれる。

満9歳となる1904年ころから「ルイズ・カーバス」の名でシドニーの舞台に立ち、成長するにつれ舞台女優として成功し、映画界に進出する。1911年5月11日にオーストラリアで公開された、ガストン・マーヴェイル監督の One Hundred Years Ago に主演したのが、もっとも古い映画への出演記録で、同作の公開当時ルイズは満16歳であった, 2010年6月10日閲覧。。同作には、俳優時代のハリー・ボーモントも出演している。満17歳となる1912年、ウィルトン・ウェルチと結婚する。

アメリカ合衆国に渡り、ユニヴァーサル・フィルム・マニュファクチュアリング・カンパニー(現在のユニバーサル・ピクチャーズ)と契約、カール・レムリの命名により「ルイズ・ラヴリー」と改名する。1915年、アイダ・メイ・パーク脚本、ジョセフ・ド・グラス監督の Father and the Boys で全米のスクリーンにデビューする。1916年、ユニヴァーサル傘下に製作会社ブルーバード映画が設立され、同社で、ド・グラス監督の The Grip of Jealousy, Tangled Hearts, 『恨みの金貨』、『踊り子の生涯』、『文身美人』、ルパート・ジュリアン監督の『愛の決闘』、ジャック・コンウェイ監督の『社会の賊』、『人の力』、1917年には、ジュリアン監督の『誕生日』に主演し、2作を除いていずれも日本でも公開された『ブルーバード映画の記録』 : 製作・著・発行山中十志雄・塚田嘉信、1984年4月、p.60-63.。

1919年にはユニヴァーサルを去り、小プロダクションやフォックス・フィルム(現在の20世紀フォックス)、ゴールドウィン・ピクチャーズ等の映画に出演する。1922年、エドワード・スローマン監督の Shattered Idols に出演したのを最後にアメリカ合衆国を去り、オーストラリアに帰った。

1925年、オーストラリアで、夫ウェルチと共同で監督したサイレント映画 Jewelled Nights に主演するが、同作以降の出演記録等は見当たらない。1928年、夫ウェルチと離婚する。

1930年、バート・コーワンと再婚する。1967年、夫コーワンと死別する。

1980年3月18日、タスマニア州ホバートで死去した。没後の20年が経過した2000年、オーストラリア映画協会は、ルイズに敬意を表し、オーストラリア映画協会賞の愛称として「ラヴリーズ」()という名称を採用した。

おもなフィルモグラフィ

特筆以外はすべて出演作である。

1910年代

  • One Hundred Years Ago : 監督ガストン・マーヴェイル、1911年 - 「ルイズ・カーバス」名義で主演・役 Judith
  • A Ticket in Tatts : 監督ガストン・マーヴェイル、1911年 - 「ルイズ・カーバス」名義で出演・役 Mrs. Fallon
  • The Colleen Bawn : 監督ガストン・マーヴェイル、1911年 - 「ルイズ・カーバス」名義で主演・役 The Colleen
  • A Tale of the Australian Bush : 監督ガストン・マーヴェイル、1911年 - 「ルイズ・カーバス」名義で出演・役 Mrs. Hall
  • Hands Across the Sea : 監督ガストン・マーヴェイル、1912年 - 「ルイズ・カーバス」名義で出演
  • A Daughter of Australia : 監督ガストン・マーヴェイル、脚本・主演ハリー・ボーモント、1912年 - 「ルイズ・カーバス」名義で出演
  • Conn, the Shaughraun : 監督ガストン・マーヴェイル、1912年 - 「ルイズ・カーバス」名義で出演
  • The Wreck of the Dunbar or The Yeoman's Wedding : 監督ガストン・マーヴェイル、1912年 - 「ルイズ・カーバス」名義で出演
  • The Ticket of Leave Man : 監督ガストン・マーヴェイル、1912年 - 「ルイズ・カーバス」名義で出演
  • Personal Magnetism : 監督不明、1913年
  • Father and the Boys : 監督ジョセフ・ド・グラス、脚本アイダ・メイ・パーク、1915年 - 出演・役 Bessie Brayton
  • Stronger Than Death : 監督ジョセフ・ド・グラス、1915年 - 「ルイズ・カーバス」名義で出演・役 June Lathrop
  • Dolly's Scoop : 監督ジョセフ・ド・グラス、脚本アイダ・メイ・パーク、1916年 - 「ルイズ・ウェルチ」名義で出演・役 Dolly Clare
  • The Grip of Jealousy : 監督ジョセフ・ド・グラス、脚本アイダ・メイ・パーク、1916年 - 主演・役 Virginia Grant
  • Tangled Hearts : 監督ジョセフ・ド・グラス、脚本アイダ・メイ・パーク、1916年 - 主演・役 Vera Lane
  • 『恨みの金貨』 The Gilded Spider : 監督ジョセフ・ド・グラス、脚本アイダ・メイ・パーク、1916年 - 出演・役 Leonita & Elisa
  • 『踊り子の生涯』 Bobbie of the Ballet : 監督ジョセフ・ド・グラス、脚本アイダ・メイ・パーク、1916年 - 出演・役 Bobbie Brent
  • 『文身美人』 The Grasp of Greed : 監督ジョセフ・ド・グラス、脚本アイダ・メイ・パーク、1916年 - 出演・役 Alice Gordon
  • 『愛の決闘』 Bettina Loved a Soldier : 監督ルパート・ジュリアン、1916年 - 出演・役 Bettina Scott
  • 『社会の賊』 The Social Buccaneer : 監督ジャック・コンウェイ、1916年 - 出演・役 Marjorie Woods
  • 『人の力』 The Measure of a Man : 監督ジャック・コンウェイ、1916年 - 出演・役 Pattie Batch
  • Stronger Than Steel : 監督・脚本・出演アレン・ホルバー、1916年
  • Blood Money : 監督フレッド・ケルシー、脚本・主演ハリー・ケリー、1917年
  • The Fugitive : 監督フレッド・ケルシー、1917年
  • The Diamonds of Destiny : 監督マックスウェル・ライダー、1917年
  • 『続名犬』 The Outlaw and the Lady : 監督・脚本フレッド・ケルシー、脚本・主演ハリー・ケリー、1917年
  • The Fourth Witness : 監督ジョン・マクダーモット、1917年
  • 『誕生日』 The Gift Girl : 監督ルパート・ジュリアン、1917年 - 出演・役 Rokaia
  • 『愛の支配』 The Grip of Love : 監督・主演アレン・ホルバー、1917年
  • Her Great Dilemma : 監督アンソニー・コールドウェイ / ドナルド・マクドナルド、1917年
  • 『光栄の野』 The Field of Honor : 監督・主演アレン・ホルバー、1917年 - 出演・役 Laura Sheldon
  • Her Strange Experience : 監督マックスウェル・ライダー、1917年
  • 『山家の縁』 The Reed Case : 監督・主演アレン・ホルバー、1917年 - 出演・役 Helen Reed
  • 『海の娘』 Sirens of the Sea : 監督エドワード・ルセイント、1917年 - 出演・役 Lorelei
  • The Wolf and His Mate : 監督エドワード・ルセイント、1918年 - 出演・役 Bess Nolan
  • Painted Lips : 監督エドワード・ルセイント、1918年 - プロデューサー・出演・役 Lou McTavish
  • Nobody's Wife : 監督エドワード・ルセイント、1918年 - プロデューサー・出演・役 Hope Ross
  • The Girl Who Wouldn't Quit : 監督エドガー・ジョーンズ、1918年 - プロデューサー・出演・役 Joan Tracy
  • A Rich Man's Darling : 監督エドガー・ジョーンズ、1918年 - 出演・役 Julie Le Fabrier
  • 『傍若無人』 Life's a Funny Proposition : 監督トーマス・ヘフロン、1919年 - 出演・役 Mary Austin
  • Johnny-on-the-Spot : 監督ハリー・L・フランクリン、1919年 - 出演・役 Anne Travers
  • 『男を探す男』 The Man Hunter : 監督フランク・ロイド、1919年 - 出演・役 Helen Garfield
  • The Usurper : 監督ジェームズ・ヤング、1919年 - 出演・役 Beatrice Clive
  • 『曠野の武人』 The Lone Star Ranger : 監督J・ゴードン・エドワーズ、1919年 - 出演・役 Ray Longstreth
  • 『闇の狼』(別題『夜の狼』) Wolves of the Night : 監督J・ゴードン・エドワーズ、1919年 - 出演・役 Isabel Hollins
  • 『男の意地』 The Last of the Duanes : 監督J・ゴードン・エドワーズ、1919年 - 出演・役 Jenny Lee
  • 『大洋の涯へ』(別題『大洋の果て』) Wings of the Morning : 監督J・ゴードン・エドワーズ、1919年 - 出演・役 Iris Deane

1920年代

  • 『胡蝶の如し』(別題『蝴蝶の男』) The Butterfly Man : 監督ルイ・ガスニエ / アイダ・メイ・パーク、1920年 - 出演・役 Bessie Morgan
  • 『名花一輪』 The Third Woman : 監督チャールズ・スウィッカード、1920年 - 出演・役 Eleanor Steele
  • 『孤児』 The Orphan : 監督J・ゴードン・エドワーズ、1920年 - 出演・役 Helen Shields
  • The Twins of Suffering Creek : 監督スコット・R・ダンラップ、1920年 - 出演・役 Little Casino
  • 『幸運児』(別題『愉快な厄介者』) The Joyous Troublemaker : 監督J・ゴードン・エドワーズ、1920年 - 出演・役 Beatrice Corlin
  • 『航空百万哩』(別題『蒼空の人』) The Skywayman : 監督ジェームズ・P・ホーガン、1920年 - 出演・役 Virginia Ames
  • The Little Grey Mouse : 監督ジェームズ・P・ホーガン、1920年 - 出演・役 Beverly Arnold
  • 『運命の罠』 Partners of Fate : 監督バーナード・J・ダーニング、1921年 - 出演・役 Helen Meriless
  • While the Devil Laughs : 監督ジョージ・ヒル、1921年 - 出演・役 Mary Franklin
  • 『懐しの我家』 The Old Nest : 監督レジナルド・バーカー、1921年 - 出演・役 Kate at 21-31
  • 『極北の霹靂』 The Heart of the North : 監督ハリー・レヴィアー、1921年 - 出演・役 Patricia Graham
  • 『貧しき者の幸福』 The Poverty of Riches : 監督レジナルド・バーカー、1921年 - 出演・役 Grace Donaldson
  • 『人生の最大疑問』(別題『人生の最大問題』) Life's Greatest Question : 監督ハリー・レヴィアー、1921年 - 出演・役 Nan Cumberland
  • Shattered Idols : 監督エドワード・スローマン、1922年 - 出演・役 Diana Chichester
  • Jewelled Nights : プロデューサー・共同監督・共同脚本・共同編集ウィルトン・ウェルチ、1925年 - 監督・脚本・編集・出演・役 Elaine Fleetwood

関連項目

  • オーストラリア映画協会 ([[:en:Australian Film Institute]])

外部リンク

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