ブレンダン・フレイザー : ウィキペディア（Wikipedia）

ブレンダン・ジェームズ・フレイザー（, 1968年12月3日 - ）は、アメリカ合衆国インディアナ州インディアナポリス出身の俳優。アイルランド系で、フランス語も話す。

来歴

カナダの観光局で働いていた父親についてインディアナポリス、デトロイト、シアトル、オタワ、オランダ、スイスなどで育った。カナダのアッパー・カナダ・カレッジとシアトルのコーニッシュ・カレッジ・オブ・ザ・アーツで演劇を学び、1991年に映画デビュー。

映画『ハムナプトラ』シリーズ（1999年 - 2008年）や『センター・オブ・ジ・アース』（2008年）で主演を務めて人気を博すが、その後は体調の悪化や、結婚生活の破綻、母親の死などの様々な原因でハリウッドの表舞台から遠ざかる。（心身のバランスを崩した理由については、後述も一因とのこと）

2021年にはDCユニバース作品の『バットガール』で悪役ファイアーフライを演じることが発表されたが、後にお蔵入りとなった。

2022年、『ザ・ホエール』で272キロの巨体を持つ主人公を演じる。フレイザーの演技は高く評価され、同作が初公開となったヴェネツィア国際映画祭では6分間にわたるスタンディングオベーションを受け、第95回アカデミー賞では主演男優賞を受賞した。

セクシャルハラスメント被害

2018年、2003年にフレイザーは、ゴールデングローブ賞を主催するハリウッド外国人映画記者協会（HFPA）の元会長フィリップ・バークからセクシャルハラスメントを受けていたと雑誌「GQ」のインタビューで告発。この時の心身的ショックによって鬱状態になったことも、第一線から退かざるを得なかった一因であると自ら語っている（インタビューでは、#MeToo運動のおかげで被害告発に踏み切る勇気がもらえたとも語っている）。

なお、この一件でHFPA側が声明を出すも公平性かつ透明性を欠き、かつフレイザーへの被害を「ジョーク」と評したことで両者は決裂。しかもHFPAは告発者であるフレイザーの名を実質ブラックリスト入りさせ、彼の出演作をボイコット扱いしたことも後日判明。フレイザーへの敬意を欠き問題を軽んじた対応として、批判を浴びている。

のちにフレイザーは「彼ら（HFPA）との歴史が問題」として、ゴールデングローブ賞への参加を辞退すると表明している。

私生活

1998年に女優のアフトン・スミスと結婚し、現在3人の息子がいる。長男のグリフィンは自閉症であることを公表している。2007年12月に離婚を公表した。

『ハムナプトラ』シリーズをはじめとするアクション映画やコメディ映画での激しいアクションやスタント演技で椎骨層切除、膝・声帯などの手術を繰り返し、その期間は7年にも及んだという。

主な出演作品

映画

公開年	日本語題原題	役名	備考	日本語吹替
1991	恋のドッグファイト	船員A	日本劇場未公開
	ジャッジメント/推定有罪	ボビー	テレビ映画	山寺宏一
1992	原始のマン	リンク		森川智之
	青春の輝き	デヴィッド・グリーン		山寺宏一
1993	風と共に去る20ドル!?	サム	日本劇場未公開
	カントリー・ファーム/招かれざる婿!?	リンク
	グローリーデイズ/夢見る頃はいつも	ウィンストン・ヤンガー
1994	きっと忘れない	モンゴメリ・ケスラー（モンティ）
	ハードロック・ハイジャック	チェスター・ダーベイ（チャズ）		森川智之
	イン・ザ・アーミー/こちら最前線、異常あり	リンク	日本劇場未公開クレジットなし
	スカウト	スティーブ・ネブラスカ	日本劇場未公開	森川智之
1995	聖なる狂気	ダークリー・ヌーン		堀内賢雄
	Dearフレンズ	ベトナム帰還兵	クレジットなし	TBA
1996	ブレイン・キャンディ	プラセボ患者	日本劇場未公開クレジットなし	TBA
	くちづけはタンゴの後で	ヒュー・ウィンターボーン / ビル・ウィンターボーン		家中宏
	グローリー・デイズ〜旅立ちの日〜	ダグ
1997			テレビ映画日本未公開
	ジャングル・ジョージ	ジョージ		檀臣幸
	いつかあなたに逢う夢	フレッチャー・マクブレイク	日本劇場未公開
1998	ゴッド・アンド・モンスター	クレイトン・ブーン		置鮎龍太郎
1999	タイムトラベラー/きのうから来た恋人	アダム・カルヴィン		関智一
	ハムナプトラ/失われた砂漠の都	リック・オコーネル		森川智之（ソフト版）堀内賢雄（日本テレビ版）
	ダドリーの大冒険	ダドリー・ドゥ・ライト	日本劇場未公開	森川智之
2000	悪いことしましョ!	エリオット		森川智之（ソフト版）宮本充（機内上映版）
			声の出演日本未公開
2001	モンキーボーン	ステュ		森川智之
	ハムナプトラ2/黄金のピラミッド	リック・オコーネル		森川智之（ソフト版）堀内賢雄（フジテレビ版、テレビ朝日版）
2002	愛の落日	アルデン・パイル	別題『愛の落日 クワイエット・アメリカン』	堀内賢雄
2003		DJドレイク		森川智之
	ディッキー・ロバーツ 俺は元子役スター	本人役	クレジットなし
2004	クラッシュ	リック・カボット		堀内賢雄
2006	ブレンダン・フレイザー 復讐街	ポール	日本劇場未公開	森川智之
	ラストタイム 欲望が果てるとき	ジェイミー		東地宏樹
2007	狼たちの報酬	プレジャー		（吹き替え版なし）
2008	センター・オブ・ジ・アース	トレヴァー・アンダーソン	兼製作総指揮	沢村一樹（劇場公開版）堀内賢雄（テレビ朝日版）
	ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝	リック・オコーネル		森川智之（劇場公開版）堀内賢雄（フジテレビ版）
	インクハート/魔法の声	モーティマ・フォルチャート		宮内敦士
2009	G.I.ジョー	ストーン	クレジットなし
2010	小さな命が呼ぶとき	ジョン・クラウリー		宮本充
	アニマル・ウォーズ 森林帝国の逆襲	ダン・サンダース	兼製作総指揮日本劇場未公開	大塚智則
2011	チャンス!	ジョー・マグワイア	日本劇場未公開	西垣俊作
2013	スペースガーディアン	スコーチ	声の出演	遠藤大智
	ウソはホントの恋のはじまり	トニー		江原実
	ブレンダン・フレイザーのエリートをぶっとばせ!	レオ	日本劇場未公開	西谷修一
	スティーラーズ	リッキー・バルドースキー		杉田智和
	ブレンダン・フレイザー 追撃者	ジャック	兼製作日本劇場未公開	堀内賢雄
	ギミー・シェルター	トム・フィッツパトリック	日本劇場未公開
2014	ナッツジョブ 〜サーリー&バディのピーナッツ大作戦!〜	グレイソン	声の出演	伊藤健太郎
2019	ポイズンローズ	マイルス・ミッチェル		松尾一心
2020			日本未公開
2021	クライム・ゲーム	ダグ・ジョーンズ	日本劇場未公開	山口恵
2022	ザ・ホエールThe Whale	チャーリー	アカデミー主演男優賞 受賞	（吹き替え版なし）
2023	キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン	WS・ハミルトン		かぬか光明
TBA			ポストプロダクション

テレビドラマ

放映年	日本語題原題	役名	備考	日本語吹替
1991		チェビー	短編映画日本未公開
1995	殺意の罠	ジョニー・ラム	別題『パーフェクト・クライム』「完全なる殺人（別題「完璧なる殺人」）」	TBA
1997	サタデー・ナイト・ライブ	ホスト	計2話出演
1999
2002-2004	Scrubs〜恋のお騒がせ病棟	ベン・サリヴァン	計3話出演
2009		ターボ・サンダー	『Oops!フェアリーペアレンツ』のテレビスペシャル声の出演
2015		ビリー・アンダーソン	計5話出演
2016-2017	アフェア 情事の行方	ジョン・ガンサー	計6話出演	白熊寛嗣
2018	TRUST/トラスト ゲティ家のスキャンダル	フレッチャー・チェイス	計8話出演	（吹き替え版なし）
	コンドル〜狙われたCIA分析官〜	ネイサン・ファウラー	計6話出演
	Titans/タイタンズ	ロボットマン	声の出演第1シーズン第4話「ドゥームパトロール」	黒田崇矢
2019-	ドゥーム・パトロール	クリフ・スティール / ロボットマン	声の出演（ロボットマン）
2020		ピーター・スワン	兼製作総指揮計10話出演
TBA	Rental Family

テレビアニメ

• ザ・シンプソンズ （1998年）
• キング・オブ・ザ・ヒル （2000年と2005年）

ゲーム

• The Mummy: Tomb of the Dragon Emperor（2008年、『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』のゲーム作品）

日本語吹き替え

主に担当しているのは、以下の二人である映画『センター・オブ・ジ・アース』ネタバレ解説｜大人でも子供でも楽しめるアドベンチャー映画！ | 動画配信サービス情報ならエンタミート。

森川智之

『原始のマン』で初担当。以降フレイザーを最も多く吹き替えており、『ハムナプトラ』シリーズ（ソフト・劇場公開版）をはじめ、『』などのキャリア初期から何度も吹き替えを担当してきたことから森川自身も思い入れが深いと語っている。フレイザーが『ザ・ホエール』（本編は吹き替え無し）で第95回アカデミー賞主演男優賞を受賞し、同作の宣伝に向けて約15年ぶりに来日した際に『アフター6ジャンクション』で行われたラジオ独占インタビューではフレイザーのボイスオーバーを担当した。

堀内賢雄

『聖なる狂気』で初担当。森川の次に多く吹き替えている。フレイザーの代表作の一つである『ハムナプトラ』シリーズはテレビ放送（1作目は日本テレビ、2作目はフジテレビ・テレビ朝日、3作目はフジテレビ制作）版の吹き替えを務めた。

このほかにも、山寺宏一、宮本充、檀臣幸、置鮎龍太郎、東地宏樹、宮内敦士なども声を当てている。

参照

外部リンク