なかにし礼 : ウィキペディア(Wikipedia)

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なかにし 礼(なかにし れい、男性、1938年9月2日 - )は日本の小説家、作詞家。本名、中西 禮三(なかにし れいぞう)。

来歴

小樽市在住の両親が渡満し酒造業で成功。満州(現在の中国・牡丹江市)に生まれる。終戦後の満州からの引き揚げでは家族とともに何度も命の危険に遭遇、この体験は以後の活動に大きな影響を与えた。東京都立九段高等学校、立教大学文学部仏文科卒。

シャンソンの訳詞を手がけていた頃、最初の夫人との新婚旅行中に静岡県下田市のホテルのバーで「太平洋ひとりぼっち」を撮影中の石原裕次郎と偶然出会い知遇を得る。石原裕次郎に「シャンソンの訳なんてやっていないで、日本語の歌詞を書きなさいよ」と勧められ、約1年後に作詞作曲した作品(後の涙と雨にぬれて)を自ら石原プロに持ち込んだ。それから数ヶ月後、石原プロがプロデュースした『涙と雨にぬれて』がヒット。

それ以後は膨大な作品を世に送り出し、『港町ブルース』『今日でお別れ』『北酒場』『風の盆恋唄』など日本の歌謡史上に残る大ヒット曲・名作も多い。しかしその一方では作品量に比例して珍曲も多い。佐伯孝夫、宮川哲夫、阿久悠らと並び、戦後日本歌謡曲界を彩った主要な作詞家の一人である。

1969年には既に、作品の総売上が1,000万枚を超えている。併行してコンサートや舞台演出、映画出演、歌、作曲、翻訳、小説・随筆の執筆や文化放送『セイ!ヤング』パーソナリティ、NHK『N響アワー』レギュラーなども勤め、マルチタレントとして多方面で才能を発揮した。

華やかな活動の裏で、心臓疾患、離婚、特攻隊の生き残りで戦後、鰊漁に投資した実兄の膨大な借金を肩代わりして返済に苦しむなどの困難を抱えたこともあり、その体験はのちの小説『兄弟』『さくら伝説』などに生かされている。

昭和の終焉とともに作詞の仕事は一区切りし、オペラの製作・演出や小説・エッセー執筆を本格化。1998年、『兄弟』で第119回直木賞候補、2000年、『長崎ぶらぶら節』で第122回直木賞受賞。NHK連続テレビ小説『てるてる家族』の原作となった『てるてる坊主の照子さん』は、なかにしの妻(元・歌手の石田ゆり)とその家族をモデルにしたエッセイ風小説。その他『赤い月』『さくら伝説』などの話題の小説を送り出している。

現在、テレビ朝日系列で放送されているワイドショー『ワイド!スクランブル』のコメンテーターを務めている。妻で元女優の石田ゆりがフィギュアスケート一家であり、それを元に「てるてる坊主の照子さん」を執筆するなどフィギュアスケートについては一家言をもっている。ワイド!スクランブルでもフィギュアスケートに関するニュースでは必ずコメントし、以前は韓国のキム・ヨナの大ファンであることを公言していたが、キムが2009年世界選手権を前に「練習を妨害された」と発言したことを「フェアではない」と批判、キムに対し「冷めてきている」と述べた。

2006年2月、自らの全音楽作品における氏が保有する全ての権利を株式会社日音に譲渡した。

氏の手がけた歌詞はインパクトの強いものが多く、ラジオ番組『伊集院光・日曜日の秘密基地』で不定期にやる「おバ歌謡」特集や、『福山雅治のオールナイトニッポンサタデースペシャル・魂のラジオ』で2008年一時的に放送された「すごい歌詞の歌特集」でネタにされているほど。『伊集院~』にはなかにし本人も番組にゲスト出演している。

神奈川県逗子市在住。

作品

主要な作詞曲

あ行

  • 朝丘雪路
    • 『雨がやんだら』(1970年)
  • アン・ルイス
    • 『グッド・バイ・マイ・ラブ』(1974年)
  • 石川さゆり
    • 『風の盆恋歌』(1989年)
  • いしだあゆみ
    • 『あなたならどうする』(1970年)
  • 石原裕次郎
    • 『勇者たち』(1983年)
    • 『わが人生に悔いなし』(1987年)
  • 岩崎宏美
    • 『女優』(1980年)
  • 岩崎良美
    • 『赤と黒』(1980年)
    • 『あなた色のマノン』(1980年)
  • 奥村チヨ
    • 『恋の奴隷』(1969年)
    • 『恋泥棒』(1969年)
    • 『恋狂い』(1970年)

か行

  • 川中美幸
    • 『愛は別離(わかれ)』(1986年)
  • 北島三郎
    • 『まつり』(1984年)
  • 北原ミレイ
    • 『石狩挽歌』
    • 『春』
  • キャンディーズ
    • 『哀愁のシンフォニー』(1976年)
  • 黒沢年男/なかにし礼
    • 『時には娼婦のように』(1978年、作曲も担当)
  • ザ・キング・トーンズ
    • 『暗い港のブルース』(1970年)
  • ザ・ゴールデン・カップス
    • 『いとしのジザベル』(1967年)
    • 『愛する君に』(1968年)
  • 小林旭
    • 『思いやり』(1982年)
  • 小柳ルミ子
    • 『京のにわか雨』(1972年)
    • 『冬の駅』(1974年)
    • 『ひとり歩き』(1978年)

さ行

  • 西城秀樹
    • 『サンタマリアの祈り』(1980年)
    • 『Blue Sky』(1988年)
    • 『夏の誘惑』(1988年)
  • 坂本スミ子
    • 『夜が明けて』(1971年)
  • 志学館中等部・高等部 (千葉県)
    • 『志学館高等学校校歌』(1983年)*校歌の作詞
  • 島倉千代子
    • 『愛のさざなみ』(1968年)
  • 島津ゆたか
    • 『ホテル』(1985年)
    • 『くせになりそう』(1986年)
  • 菅原洋一
    • 『知りたくないの』(1965年)
    • 『今日でお別れ』(1969年、第12回日本レコード大賞受賞)

た行

  • ザ・タイガース
    • 『美しき愛の掟』(1969年)
  • ちあきなおみ
    • 『私という女』(1971年)
  • 鶴岡雅義と東京ロマンチカ
    • 『君は心の妻だから』(1969年)
  • ザ・テンプターズ
    • 『エメラルドの伝説』(1968年)
  • TOKIO
    • 『AMBITIOUS JAPAN!』(2003年)
    • 『駅・ターミナル』(2003年)
  • ザ・ドリフターズ
    • 『ズッコケちゃん』(1968年)
    • 『ドリフのズンドコ節/大変歌い込み』(1969年)【補作詞】
    • 『ドリフのほんとにほんとにご苦労さん/冗談炭鉱節』(1970年)【替詞】
    • 『誰かさんと誰かさん/ドリフのおこさ節』(1970年)
    • 『ドリフのツンツン節/ドリフ音頭 北海盆歌より』(1971年)

な行

  • 奈美悦子
    • 『大阪ブルース』(1967年)
  • 丹羽応樹
    • 『恋路海岸』(1978年)
  • NEWS
    • 『星をめざして』(2007年)
  • 野口五郎
    • 『愛の証明』(1980年)

は行

  • ハイ・ファイ・セット
    • 『フィーリング』(1976年)
  • ピーター
    • 『夜と朝のあいだに』(1969年)
  • ザ・ピーナッツ
    • 『恋のフーガ』(1967年)
    • 『恋のオフェリア』(1968年)
    • 『愛のフィナーレ』(1968年)
  • 弘田三枝子
    • 『人形の家』(1969年)
  • フランク永井
    • 『生命ある限り』(1967年)
  • ペドロ&カプリシャス
    • 『別れの朝』(1971年-訳詞)
  • 細川たかし
    • 『心のこり』(1975年)
    • 『みれん心』(1975年)
    • 『北酒場』(1982年、第24回日本レコード大賞受賞)
    • 『星屑の街』
    • 『酒場であばよ』
    • 『人生航路』
    • 『うかれ節』

ま行

  • 黛ジュン
    • 『霧のかなたに』(1967年)
    • 『乙女の祈り』(1968年)
    • 『天使の誘惑』(1968年、第10回日本レコード大賞受賞)
    • 『夕月』(1968年)
    • 『不思議な太陽』(1969年)
    • 『雲にのりたい』(1969年)【補作詞】
    • 『涙でいいの』(1969年)
    • 『土曜の夜何かが起きる』(1969年)
    • 『自由の女神』(1970年)
    • 『時は流れる』(1970年)
  • 美空ひばり
    • 『かもめと女』(1974年)
  • 森進一
    • 『港町ブルース』(1969年)【補作詞】
    • 『波止場女のブルース』(1970年)

や行以降

  • 由紀さおり
    • 『手紙』(1970年)
  • RYTHEM
    • 『ブルースカイ・ブルー』(2003年)
  • レイジー
    • 『地獄の天使』(1978年)
    • 『ハローハローハロー』(1978年)
  • ロス・インディオス
    • 『知りすぎたのね』(1968年、作曲も担当)
  • 和田アキ子
    • 『涙の誓い』(1971年)
    • 『美しき誤解』(1974年)
    • 『バ・カ・ダ・ネ』(1985年)
    • 『愛、とどきますか』(1992年)

クラシック音楽

  • ベートーヴェン《歓喜の歌》(交響曲第9番終曲の日本語訳)
  • モーツァルト歌曲集(日本語訳 音楽之友社)
  • 三枝成彰 オラトリオ《ヤマトタケル》(台本)
  • 西村朗 合唱曲《そして夜が明ける》(作詞 NHK全国学校音楽コンクール課題曲)
  • 三木稔 オペラ《ワカヒメ》(台本)

著書

詞集

  • 『エメラルドの伝説』<作品集>(新書館、1969年)
  • 『シャンソン詩集141・さらば銀巴里』(さがみや書店、1991年)
  • 『なかにし礼訳詞によるモーツァルト歌曲集』(音楽之友社、1991年)
  • 『昭和忘れな歌―自撰詞華集』(新潮文庫、2004年)

創作

  • 『花物語』(新書館、1970年)のち新潮文庫 
  • 『昭和左膳只今参上』(東京スポーツ新聞社、1970年)
  • 『大人の紙芝居・まぼろし劇場――丹下左膳 暁のG線上に死す』(継書房、1973年)
  • 『兄弟』(文藝春秋、1998年)のち文庫、新潮文庫  
  • 『長崎ぶらぶら節』(文藝春秋、1999年)のち新潮文庫
  • 『赤い月』(新潮社、2001年)のち文庫、文春文庫 
  • 『てるてる坊主の照子さん』(新潮社、2002年)のち文庫 
    • 2003年度にNHK連続テレビ小説『てるてる家族』としてドラマ化
  • 『夜盗』(新潮社、2003年)のち角川文庫 
  • 『さくら伝説』(新潮社、2004年)のち文庫 
  • 『黄昏に歌え』(朝日新聞社、2005年)のち幻冬舎文庫 
  • 『戯曲 赤い月』(河出書房、2005年)
  • 戦場のニーナ 講談社、2007 
  • 『世界は俺が回してる』(産経新聞、2008年1月1日~、連載中)

随筆・その他

  • 『ズッコケ勝負――終わりなき愛の遍歴』(双葉社、1969年)
  • 『青春の愛について』(新書館、1972年)
  • 『遊びをせんとや生まれけむ~なかにし礼の作詩作法』(毎日新聞社、1980年)
  • 『音楽への恋文』(共同通信社、1987年)「音楽の話をしよう」新潮文庫 
  • 『翔べ!わが想いよ』<自伝>(東京新聞出版局、1989年)のち文春文庫、新潮文庫
  • 『時には映画のように』(読売新聞社、1997年)「口説く」河出文庫、「恋愛100の法則」新潮文庫  
  • 『愛人学』(河出書房新社、1997年)のち文庫 
  • 『天上の音楽・大地の歌』(音楽之友社、2001年)
  • 『道化師の楽屋』(新潮社、2002年)のち文庫 
  • 『さくら伝説―松坂慶子写真集』<原作・監修>(フォーブリック、2002年)
  • 『人生の黄金律 自由の章―なかにし礼と華やぐ人々』<対談集>(2003年、清流出版)
  • 『月夜に飛んで人を斬る(作画ふくしま政美)』<劇画原作>(芳文社、1979年)
  • 三拍子の魔力 毎日新聞社、2008 

翻訳

  • ドーデ『哀愁のパリ・サッフォー』(角川文庫、1970年)
  • ラディゲ『ラディゲ詩集』(弥生書房、1973年)

相当する役を演じた俳優

  • 豊川悦司 - 「兄弟」(1999年3月、テレビ朝日系)

関連項目

  • 直木三十五賞

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2009/11/06 17:33 UTC (変更履歴
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