ジョー・コッカー : ウィキペディア(Wikipedia)

| 職業 = 歌手 | 担当楽器 = | 活動期間 = 1961年 - 2014年 | レーベル = | 事務所 = | 共同作業者 = グリース・バンド | 公式サイト = ジョー・コッカー 公式サイト | 著名使用楽器 = }}

ジョン・ロバート・コッカーJohn Robert Cocker OBE、1944年5月20日 - 2014年12月22日)は、イギリス・イングランドサウス・ヨークシャー州シェフィールド出身の歌手。

「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第97位。

略歴

公務員の息子として育ち、学校を辞めガスの配管工として働きながら15歳頃からパブで音楽活動を始める。当初はヴァンス・アーノルドという芸名で活動していた。1964年にデッカ・レコードからビートルズのカバー曲「ぼくが泣く」でデビューするが不発に終わり、シェフィールドにてグリース・バンドとともにライブ活動を行った。R&Bに影響を受けた唱法やライブ・パフォーマンスが評判を呼び、1968年にクリス・ステイントンとの共作「マジョリーン」でA&Mレコードから再デビューして、自身初の全英シングルチャート入りを果たし48位を記録したJOE COCKER | full Official Chart History | Official Charts Company。同年にビートルズのカヴァー「心の友」が全英チャート1位の大ヒット、そしてイングランドのみならずFM放送局を通じてアメリカ、オランダ、ベネズエラなどの国で脚光を浴びる。1969年には彼の人気を決定づけたウッドストック・フェスティバルに出演http://liveforlivemusic.com/.../relive-joe-cocker-woodstock-1...。公開された映画でのエア・ギター・パフォーマンス(本物のギターも弾ける)と「心の友」でのパワフルな歌唱で世界の聴衆にも強い印象を与えた。またレオン・ラッセル制作のシングル「デルタ・レディ」も全英10位を記録する。

1970年に再びビートルズの「シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー」のカバーやトラフィックの「フィーリン・オールライト」でアメリカのチャートにも食い込み、同年のアメリカ・ツアーはレオン・ラッセルが仕掛け人となり、メディスン・ショウの一座の様な大所帯のバック・バンドが話題となった。マッド・ドッグス&イングリッシュメン・ツアーは商業的には成功に至らなかったが、この模様を収めたフィルモア・イーストでのライブ・アルバム『マッド・ドッグス&イングリッシュメン』(1970年)はヒットした。収録されているリタ・クーリッジが唄う「スーパースター」は、後にベット・ミドラーやカーペンターズに歌い継がれている。だが、ツアーの負債はジョー・コッカー個人が負うことになってしまう。

レオン・ラッセルは去り、相棒のクリス・ステイントンも去りツアーに疲れたコッカーには金銭的にも恵まれず、1972年10月14日、ツアーの滞在先のオーストラリアで大麻所持の容疑で逮捕されてしまう。オーストラリアの連邦警察当局は48時間以内にオーストラリアから出国する様に命じられた。これに対して多くのファンが抗議活動を行い、これが発展してオーストラリアの大麻の合法化の討論にまで発展した。

1974年にようやく『ユー・アー・ソー・ビューティフル』でフル・アルバムを制作、1975年にはアルバムからのシングルでビリー・プレストンのカバー「ユー・アー・ソー・ビューティフル」がビルボードのヒット・チャートで5位になりシンガーとしてのキャリアを高めて行く。アルバム『ジャマイカ・セイ・ユー・ウィル』、そして翌1976年にはジャマイカでの録音でスタッフとピーター・トッシュエリック・クラプトンらとのアルバムをリリースしている一方、長年の薬物中毒とアルコール依存の脱却をはかり1981年にはゲスト・ボーカルで参加したザ・クルセイダーズの『スタンディング・トール』(1980年)がグラミー賞候補になり、1982年にはジェニファー・ウォーンズとデュエットした映画『愛と青春の旅だち』の主題歌「愛と青春の旅だち (Up Where We Belong)」が全米1位のヒットを記録した。これ以降、大衆的な歌手としてアルバムをコンスタントにリリースできるキャリアを確立した。

なお、1994年のウッドストック25周年記念コンサートに参加して「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」を披露している。

2007年12月、エリザベス女王より功績をたたえられてOBEを受賞した。

2014年12月22日、コロラド州クロフォードで肺がんのため死去ジョー・コッカー氏死去=英出身の歌手 時事通信 2014年12月23日閲覧。。。

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

  • 『心の友』 - With a Little Help from My Friends (1969年)
  • 『ジョー・コッカー&レオン・ラッセル』 - Joe Cocker! (1969年)
  • Joe Cocker (1972年) ※『サムシング・トゥ・セイ』 - Something To Sayとして再発あり
  • 『ユー・アー・ソー・ビューティフル』 - I Can Stand a Little Rain (1974年) ※旧邦題『ア・リトル・レイン』
  • 『ジャマイカ・セイ・ユー・ウィル』 - Jamaica Say You Will (1975年)
  • 『スティングレイ』 - Stingray (1976年)
  • 『青い影』 - Luxury You Can Afford (1978年)
  • 『シェフィールド・スティール』 - Sheffield Steel (1982年)
  • 『街の孤独』 - Civilized Man (1984年)
  • 『コッカー』 - Cocker (1986年)
  • 『アンチェイン・マイ・ハート』 - Unchain My Heart (1987年)
  • 『ワン・ナイト・オブ・シン』 - One Night of Sin (1989年)
  • 『ナイト・コールズ』 - Night Calls (1991年)
  • 『ハヴ・ア・リトル・フェイス』 - Have a Little Faith (1994年)
  • 『オーガニック』 - Organic (1996年)
  • 『アクロス・フロム・ミッドナイト』 - Across from Midnight (1997年)
  • 『ノー・オーディナリー・ワールド』 - No Ordinary World (1999年)
  • Respect Yourself (2002年)
  • Heart & Soul (2004年)
  • Hymn for My Soul (2007年)
  • Hard Knocks (2010年)
  • Fire It Up (2012年)

ライブ・アルバム

  • 『マッド・ドッグス&イングリッシュメン』 - Mad Dogs & Englishmen (1970年)
  • 『ライヴ・イン・L.A.』 - Live in LA (1976年)
  • Space Captain(1976年)
  • 『不死鳥の如く』 - Live in New York (1981年)
  • 『ライヴ・ベスト!』 - Joe Cocker Live (1990年)
  • 『オン・エアー』 - On Air 1968/1969 (1998年)
  • Standing Here - Live in Colorado (2001年)
  • Mad Dogs & Englishmen: The Complete Fillmore East Concerts (2006年)
  • Live at Woodstock (2009年)
  • Fire It Up - Live (2013年)

コンピレーション・アルバム

  • Cocker Happy (1971年)
  • Joe Cocker's Greatest Hits (1977年)
  • 『ザ・グレイテスト・ヒッツ・オブ・ジョー・コッカー』 - The Best of Joe Cocker (1992年)
  • 『ロング・ヴォヤージ・ホーム - ジョー・コッカー・ボックス』 - The Long Voyage Home (1995年)
  • Greatest Hits (1998年)
  • The Anthology (1999年)
  • Greatest Love Songs (2003年)
  • The Ultimate Collection 1968-2003 (2003年)
  • Ultimate Collection (2004年)
  • Gold (2006年)
  • Classic Cocker (2007年)
  • Icon (2011年)
  • 20th Century Masters The Millennium Collection (2015年)
  • The Life of a Man: The Ultimate Hits 1968–2013 (2015年)
  • The Album Recordings 1984–2007 (box set) (2016年)

注釈・出典

関連項目

  • リズム・アンド・ブルース
  • 第12回東京音楽祭

外部リンク

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