ジャック・ミラー : ウィキペディア(Wikipedia)

ジャック・ピーター・ミラー (Jack Peter Miller, 1995年1月18日 - ) は、オーストラリア、クイーンズランド州出身のオートバイレーサー。のMoto3クラス世界選手権でランキング2位になったことでよく知られ、脚光を浴びた。

経歴

国内での活動

ミラーはオーストラリア、クイーンズランド州タウンズビルで生まれ、都市の郊外で成長した。熱帯の都市で彼はモーターバイクとクアッドバイク、水上スキーやフェンシング、牛の世話の手伝いに楽しみを見いだした。両親と兄弟は彼のレース活動を初期の段階からサポートし、世界選手権を目指した。ミラーは8歳の時からレース活動を行い、勝利を収めていた。彼はダートレースを始め、2003年にはオーストラリア・ダートバイク選手権65ccカテゴリーのタイトルを獲得した。2005年、2006年、2007年と彼は5つのオーストラリア選手権タイトルを獲得し、ダートレースやモトクロスで数多くの地域や州のタイトルを獲得した。

ヨーロッパで

2011年はヨーロッパでのブレイクアウトの年であった。一連の強力なパフォーマンスで彼は16歳にしてドイツのIDM125ccカテゴリーのタイトルを獲得した。この結果、イタリアのフォワード・レーシングから注目され、2012年に同チームからMoto3世界選手権に出場することとなった。

Moto3

Moto3参戦初年の2012年、ミラーはカレッタ・テクノロジー・フォワード・レーシングからホンダ・NSF250Rを走らせた。マシンの競争力は低く、ミラーは来たるべき年に競走するサーキットを学ぶ機会を与えられた。その年のランキングは23位に終わり、最高位はザクセンリンクで行われたドイツグランプリでの4位であった。

2013年はレーシングチーム・ジャーマニーに移籍し、FTRホンダに乗ることとなる。この年ミラーは13回ポイントを獲得し、最終順位はランキング7位であった。最高位は5位で、サンマリノとオーストラリアの2回で記録した。

2014年はKTMのファクトリーチーム、レッドブル・KTMアジョに移籍する。この年ミラーは初のファステストラップ、ポールポジション、表彰台および勝利を記録した。最終的に彼は6勝を挙げ、アレックス・マルケスに次ぐランキング2位となった。タイトルを獲得したマルケスとは2ポイント差であった。

MotoGPへのステップアップ

2015年シーズン、ミラーはMotoGPクラスにステップアップし、2台体制に拡大したチームLCRでカル・クラッチローのチームメイトとなった。ミラーはオープンクラスのホンダ・RC213V-RSを駆り、最高位はカタルーニャでの11位であった。イギリスグランプリでは序盤先頭を走ったが、3周目にチームメイトのクラッチローと衝突した。

、エストレラ・ガリシア 0,0 マルクVDSに移籍した。開幕戦のカタールでは14位に入り、カタルーニャでは10位に入った。6月26日、アッセンで初勝利を挙げた。19番グリッドからスタートしたが、豪雨の後レースは赤旗が提示、中断された。再開されたレースは12ラップに短縮された。ロッシとドヴィツィオーゾがクラッシュ、リタイアした後、マルケスをパスして最高峰クラスでの初勝利を挙げた。オーストラリア人ライダーの勝利としては、2012年オーストラリアグランプリでケーシー・ストーナーが挙げた勝利以来であった。また、ファクトリーチーム以外の勝利は2006年ポルトガルグランプリのトニ・エリアス以来のことである。

からドゥカティ・レノボ・チームに移籍。フランチェスコ・バニャイアとチームメイトを組む。この4年間度々表彰台を獲得するが、優勝に恵まれることはなかった。しかし、第4戦スペインで久々の優勝、次戦のフランスも続けて優勝した。結果、これらの優勝と表彰台3回を記録して総合ランキング4位につけ、チームタイトル獲得にも貢献した。

2022年6月9日に、2023年シーズンは4年間在籍しているドゥカティを離れ、KTMに2年契約で加入することが発表された。一時はチームLCRへ復帰する可能性も取り沙汰された。

エピソード

2016年シーズンにMotoGPで初優勝をした際に、「シューイ」というレース中ずっと履いていた靴にシャンパンを入れて飲むという母国で人気の儀式をパフォーマンスとして行った。これが流行となり、多くのレーサーに影響を与えた。

2022年10月に婚約中だったルビー・アドリアーナ夫人との結婚をインスタグラムで発表した。

戦績

ロードレース世界選手権

  • 太字はポールポジション、斜体はファステストラップ。
シーズンクラス車両出走数優勝回数表彰台数ポールポジションファステストラップポイント順位
125cc アプリリア 6 0 0 0 0 0 NC
KTM
Moto3 ホンダ 14 0 0 0 0 17 23位
Moto3 FTR ホンダ 17 0 0 0 0 110 7位
Moto3 KTM 18 6 10 8 1 276 2位
MotoGP ホンダ 18 0 0 0 0 17 19位
MotoGP ホンダ 7 1 1 0 0 57 18位
MotoGP Honda 17 0 0 0 0 82 11位
MotoGP ドゥカティ 18 0 0 1 0 91 13位
2019年 MotoGP ドゥカティ 19 0 5 0 1 165 8th
MotoGP ドゥカティ 14 0 4 0 1 132 7位
MotoGP ドゥカティ 18 2 5 0 0 181 4th
2022年 MotoGP ドゥカティ 19 1 7 1 1 189 5位
2023年 MotoGP KTM 20 0 1 0 0 163 11位
合計 212 10 33 10 4 1480
    • 現在進行中

クラス 車両 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 順位 ポイント
125 cc アプリリア QAT SPA POR FRA CAT GBR NED ITA GERRet CZE IND NC 0
KTM RSM24 ARA JPN16 AUS23 MAL16 VALRet
Moto3 ホンダ QAT25 SPARet POR FRARet CAT15 GBRRet NEDDSQ GER4 ITA21 INDDNS CZE RSMRet ARA19 JPN19 MAL13 AUS21 VALRet 23位 17
Moto3 FTR ホンダ QAT16 AME6 SPARet FRA12 ITA10 CAT7 NED7 GER7 INDRet CZE7 GBR7 RSM5 ARA13 MAL6 AUS5 JPN6 VALRet 7位 110
Moto3 KTM QAT1 AME1 ARG3 SPA4 FRA1 ITARet CAT4 NEDRet GER1 IND3 CZE5 GBR6 RSM3 ARA27 JPN5 AUS1 MAL2 VAL1 2位 276
MotoGP ホンダ QATRet AME14 ARG12 SPA20 FRARet ITARet CAT11 NEDRet GER15 INDRet CZE19 GBRRet RSM12 ARA19 JPNRet AUS15 MAL17 VAL21 19位 17
MotoGP ホンダ QAT14 ARGRet AMEDNS SPA17 FRARet ITARet CAT10 NED1 GER7 AUT CZE GBR RSM ARA JPN AUS MAL VAL 18位 57
MotoGP ホンダ QAT ARG AME SPA FRA ITA CAT NED GER CZE AUT GBR RSM ARAJPNAUSMALVAL 11位 82
MotoGP ドゥカティQATARG AMESPAFRAITACATNEDGERCZEAUTGBR RSM ARA THA JPN AUS MAL VAL 13位 91
2019年 MotoGP ドゥカティ QAT ARG AME SPA FRA ITA CAT NED GER CZE AUT GBR RSM ARA THA JPN AUS MAL VAL 8位 165
2020年 MotoGP ドゥカティ SPA ANC CZE AUT STY RSM EMI CAT FRA ARA TER EUR VAL POR 7位 132
2021年 MotoGP ドゥカティ QAT DOH POR SPA FRA ITA CAT GER NED STY AUT GBR ARA RSM AME EMI ALG VAL 4位 181
2022年 MotoGP ドゥカティ QATINA ARG14 AME3 PORSPA5FRAITA CAT GER NED GBR AUT RSM ARA JPN THA AUS MAL VAL 5位 189
2023年 MotoGP KTM POR ARG AME SPA FRA ITA GER NED GBR AUT CAT RSM IND JPN INA AUS THA MAL QAT VAL 11位 163
    • 現在進行中

鈴鹿8時間耐久ロードレース

開催年バイクチームパートナー総合順位
2017年ホンダ・CBR1000RRMuSASHi RT HARC-PRO.高橋巧/中上貴晶4位

参照

外部リンク

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