シャルロット・ゲンズブール : ウィキペディア(Wikipedia)

シャルロット・ゲンズブール(、1971年7月21日 - )は、フランス出身の女優、歌手。

芸能一家に生まれ、若い頃より才能が開花。以来、同国の代表的女優となり、欧米各賞ノミネートの常連となっている。また実父の影響で歌手としても才能を発揮し、マルチ・アーティストとして活動している。

人物

イングランド・ロンドン生まれ。本名はシャルロット・ルーシー・ゲンズブール()。主に女優を本業とし、音楽アーティスト、ファッションブランドやコスメのプロデュースを手掛けるなど多方面で活動している。

父親は歌手・音楽プロデューサーのセルジュ・ゲンズブール、母親は女優のジェーン・バーキン。カメラマンのケイト・バリーは異父姉、女優のルー・ドワイヨンは異父妹。歌手のルル・ゲンズブールは異母弟。映画監督のアンドリュー・バーキンは伯父。

女優活動

母の出演映画の現場で早くから注目され、1984年の『残火』でカトリーヌ・ドヌーヴの娘役に抜擢され、映画デビューする。

1986年にクロード・ミレール監督の『なまいきシャルロット』でセザール賞の有望若手女優賞を史上最年少受賞(14歳)し、注目される。1989年に『小さな泥棒』でセザール賞主演女優賞に史上最年少ノミネート(17歳)。2000年にダニエル・トンプソン監督の『ブッシュ・ド・ノエル』で最優秀助演女優賞を受賞。

自分と縁故関係のある人物の監督映画に出演することが多い。実父であるセルジュやパートナーであるイヴァン以外にも、母ジェーンの再々婚相手であるジャック・ドワイヨンや母方叔父であるアンドリュー・バーキンの作品にも出演している。

2009年にラース・フォン・トリアー監督の心理ホラー作品『アンチクライスト』で、衝撃的なヌード・シーンを含むヒロイン役を演じて、第62回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞。

歌手活動

1984年、父セルジュとのデュエット曲「レモン・インセスト」で歌手デビュー。

1986年、父のプロデュースで初のアルバム『魅少女シャルロット』をリリース。以後は自身の主演映画で3度、主題歌を歌っている。また、2003年にはエティエンヌ・ダオーのアルバム『Réevolution』にゲスト参加した。

2006年9月、20年ぶりのアルバム『』をリリースし、ビッグセールスを記録。

2009年12月、アメリカのミュージシャン、ベックのプロデュースによるアルバム『』をリリース。

2010年10月、単独来日公演を開催。翌2011年、アルバム『ステージ・ウィスパー』をリリース。

2014年、姉・ケイト・バリーの死去をきっかけに、本拠地を米国ニューヨークに移転。

2017年、6年ぶりのアルバム『レスト』をリリース。

2018年、4月に7年半ぶりの来日公演。

私生活

長年のパートナーである俳優兼映画監督のイヴァン・アタルとの間に3人の子供がいる。なお、イヴァンとは法的な夫婦ではなく、『タイム』誌による2010年のインタビューでも、イヴァンを「夫」ではなく「私の子供達の父親」と呼んでいる。

2007年に水上スキー中に事故を起こし、頭部に衝撃を受けたことが原因で脳内に大量出血が起きていたため、9月に緊急手術を受けた。

ギャラリー

File:Charlotte Gainsbourg Césars.jpg|セザール賞授賞式(2000年) File:Charlotte Gainsbourg cropped.jpg|オランダ・アムステルダム公演(2007年) File:Charlotte Gainsbourg Cannes.jpg|2009年度 カンヌ国際映画祭 File:Jane Birkin, Charlotte Gainsbourg 2, Inauguration of Jardin Serge-Gainsbourg.jpg|女優である母、ジェーン・バーキンと(2010年) File:Charlotte Gainsbourg Cannes 2011.jpg|2011年度 カンヌ国際映画祭 File:Charlotte Gainsbourg (Berlinale 2012).jpg|2012年度 ベルリン国際映画祭 File:Charlotte Gainsbourg Cannes 2017.jpg|2017年度 カンヌ国際映画祭 File:Charlotte Gainsbourg Molières 2018.jpg|2018年度 モリエール賞 File:Charlotte Gainsbourg Cannes 2019.jpg|2019年度 カンヌ国際映画祭

主な出演映画

公開年邦題原題役名備考
1984年 残火Paroles et musique シャルロット VHSスルー
1985年 イザベルの誘惑La tentation d'Isabelle
なまいきシャルロットL'éffrontée シャルロット セザール賞有望若手女優賞 受賞
1986年 シャルロット・フォー・エヴァーCharlotte For Ever シャルロット 父セルジュ・ゲンズブールと親子役で共演
1987年 アニエス・Vによるジェーン・BJane B par Agnès V La fille de J.
カンフー・マスター!Kung-fu master ! ルーシー ジェーン・バーキンと親子役で共演
1988年 小さな泥棒La petite voleuse ジャニーン
1990年 太陽は夜も輝くIl sole anche di notte マチルダ
1991年 メルシー・ラ・ヴィMerci la vie カミーユ
愛を止めないでAux yeux du monde ジュリエット
1992年 愛されすぎてAmoureuse マリー
ルナティック・ラブ 禁断の姉弟The Cement Garden ジュリー
1996年 ジェイン・エアJane Eyre ジェイン・エア
アンナ・オズAnna Oz アンナ・オズ
ラブetc.Love, etc... マリー
1999年 イントルーダー 侵入者 The Intruder カトリーヌ
ブッシュ・ド・ノエルLa Bûche ミラ セザール賞 最優秀助演女優賞 受賞
2000年 ニュルンベルク軍事裁判Nuremberg Marie Claude Vaillant-Couturier テレビ・ミニシリーズ
レ・ミゼラブルLes misérables ファンティーヌ テレビ・ミニシリーズ
フェリックとローラFélix et Lola ローラ
2001年 僕の妻はシャルロット・ゲンズブールMa femme est une actrice シャルロット
2003年 21グラム21 Grams メアリー・リヴァース
2004年 フレンチなしあわせのみつけ方Ils se marièrent et eurent beaucoup d'enfants ガブリエル
2005年 レミング Lemming Bénédicte Getty
2006年 恋愛睡眠のすすめ''The Science of Sleep' ステファニー
Prete-moi ta main エマ
新世界イタリア映画祭での題名。 The Golden Door
2007年 アイム・ノット・ゼアI'm Not There クレア
2008年 アニエスの浜辺Les plages d'Agnès ドキュメンタリー
2009年 アンチクライストAntichrist 彼女 カンヌ国際映画祭 女優賞 受賞
最終目的地The City of Your Final Destination アーデン
2010年 パパの木The Tree ドーン
2011年 メランコリアMelancholia クレア
2012年 詩人、愛の告白Confession of a Child of the Century ブリジット WOWOW放映DVD発売
2013年 ニンフォマニアックNymphomaniac ジョー
2014年 サンバSamba アリス
ラブ・トライアングル 秘密3 cœurs シルヴィー WOWOW放映
2015年 誰のせいでもないEvery Thing Will Be Fine ケイト
2016年 Independence Day: Resurgence カトリーヌ・マルソー博士
嘘はフィクサーのはじまりNorman: The Moderate Rise and Tragic Fall of a New York Fixer アレックス・グリーン
2017年 イスマエルの亡霊たちIsmael's Ghosts シルビア
スノーマン 雪闇の殺人鬼The Snowman ラケル・ファウケ
母との約束、250通の手紙La Promesse de l'aube ニーナ・カツェフ
2018年 孤独なふりした世界でI Think We're Alone Now ヴァイオレット
2021年ジェーンとシャルロットJane par Charlotte初監督作品。母ジェーン・バーキンについてのドキュメンタリー
2022年 ほの蒼き瞳The Pale Blue Eye パッツィ Netflixオリジナル映画
2023年The Passengers of the Nightエリザベート

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

  • 『魅少女シャルロット』 - Charlotte for Ever (1986年) ※再発盤のタイトルは『Lemon Incest』
  • 『』 - 5:55 (2006年)
  • 『IRM』 - IRM (2009年)
  • 『ステージ・ウィスパー』 - Stage Whisper (2011年)
  • 『レスト』 - Rest (2017年)

来日公演

  • 2010年
    • 10月24日 東京国際フォーラムA
    • 10月26日 大阪IMPホール
  • 2018年
    • 4月9日 東京EX THEATER ROPPONGI
    • 4月10日 大阪IMPホール

注釈

出典

関連文献

外部リンク

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