佐藤武 : ウィキペディア(Wikipedia)

佐藤 武(さとう たけし、1903年4月13日佐藤武、キネマ旬報データベース、2009年9月16日閲覧。 - 1978年12月8日佐藤武日本映画監督協会、2009年9月16日閲覧。)は、日本の映画監督である。松竹蒲田撮影所から東宝映画、戦後の新東宝へと転身した。

人物・来歴

1903年(明治36年)4月13日、東京府荏原郡目黒村(現在の東京都目黒区)に生まれる。

1932年(昭和7年)ころに、松竹キネマの松竹蒲田撮影所演出部に入社、清水宏、島津保次郎に師事する。同年、詳細不明の映画『かくて田園は輝く』で監督としてクレジットされているが、このころの佐藤は、サード助監督程度のランクにいた。

1938年(昭和13年)、東宝映画の東宝映画東京撮影所に入社、『チョコレートと兵隊』で監督に昇進する。

第二次世界大戦終了後の1947年(昭和22年)、新東宝映画製作所(のちの新東宝)設立に参加、同社の初年度に『九十九人目の花嫁』を監督する。同社は翌年、新東宝となり、1949年(昭和24年)までに同社で4本を手がけるが、1950年(昭和25年)、独立し、1952年(昭和27年)までに東宝作品を4本監督する。1954年(昭和29年)には、新東宝作品を4本監督している。

1957年(昭和32年)、54歳になるころ、大映東京撮影所(現在の角川大映スタジオ)で今村貞雄が監督したドキュメンタリー映画『白い山脈』の編集にクレジットされて以降の消息はわからない。その後、1978年(昭和53年)12月8日に死去した。満75歳没。

フィルモグラフィ

特記以外はすべて監督

松竹蒲田撮影所

  • 『七つの海 後篇 貞操篇』 : 監督清水宏、1932年 - 監督補助
  • 『かくて田園は輝く』 : 1932年 - 監督
  • 『泣き濡れた春の女よ』 : 監督清水宏、1933年 - 監督補助
  • 『港の日本娘』 : 監督清水宏、1933年 - 監督補助
  • 『大学の若旦那』 : 監督清水宏、1933年 - 監督補助
  • 『東洋の母』 : 総監督清水宏、1934年 - 共同監督、ほかに石川和雄・佐々木康・沼波功雄・荻原耐・恒吉忠康
  • 『隣の八重ちゃん』 : 監督島津保次郎、1934年 - 助監督
  • 『私の兄さん』 : 監督島津保次郎、1934年 - 監督補助
  • 『春琴抄 お琴と佐助』 : 監督島津保次郎、1935年 - 助監督
  • 『彼女は嫌いとひいました』 : 監督島津保次郎、1935年 - 原作

東宝映画東京撮影所

  • 『チョコレートと兵隊』 : 1938年
  • 『沙羅乙女』前篇・後篇 : 1939年
  • 『幼き者の旗』 : 東宝映画京都撮影所、1939年
  • 『若い仲間』 : 1939年
  • 『妻の場合 前篇』 : 1940年
  • 『妻の場合 後篇』 : 1940年
  • 『妻の素顔』 : 東宝映画京都撮影所、1940年
  • 『若い先生』 : 東宝映画、1942年
  • 『若き日の歓び』 : 東宝映画、1943年
  • 『虎彦龍彦』 : 東宝映画、1943年

新東宝

  • 『九十九人目の花嫁』 : 1947年
  • 『大学の門』 : 1948年
  • 『わが街は緑なり』 : 1948年
  • 『帰国 (ダモイ)』 : 1949年

東宝

  • 『恋しかるらん』 : 東宝・佐藤プロダクション、1950年
  • 『歌姫都へ行く』 : 東宝・三上プロダクション、1950年
  • 『肉体の暴風雨』 : 1950年 - 監督・プロデューサー
  • 『細川ガラシャ』 : 1952年

1952年以降

  • 『栄冠涙あり』 : 東映東京撮影所、1952年
  • 『クイズ狂時代』 : 東映東京撮影所、1952年
  • 『ママの新婚旅行』 : 永和プロダクション / 新東宝、1954年
  • 『芸者秀駒』 : ニッポン・プロダクション / 新東宝、1954年
  • 『エノケンの天国と地獄』 : 新東宝、1954年
  • 『嘘』 : テレビ映画社 / 新東宝、1954年
  • 『スラバヤ殿下』 : 日活、1955年
  • 『姿なき一〇八部隊』 : 大映東京撮影所、1956年
  • 『鷹狩と小熊哀話』 : 新日本映画 / 新東宝、1957年 - 監督・脚本
  • 『白い山脈』 : 監督今村貞雄、大映東京撮影所、1957年 - 編集
  • 『愛情屋台』 : 記録映画社、1960年

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/04/12 02:41 UTC (変更履歴
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