石黒浩 : ウィキペディア(Wikipedia)

石黒 浩 (いしぐろ ひろし、1963年10月23日 - ) は、日本のロボット工学者、工学博士。大阪大学教授、国際電気通信基礎技術研究所石黒浩特別研究所所長、国立情報学研究所客員教授、AVITA株式会社代表取締役CEOをそれぞれ務める。二足歩行ロボットや外見や動作が人間に酷似するアンドロイドなどを研究する。石黒が参加する産学協同の「チーム大阪 (Team OSAKA)」は、ロボカップ世界大会のサッカー競技ヒューマノイドクラスで2004年から2007年まで優勝する。滋賀県高島市出身。

知能情報学を専門とし、アンドロイドや知能ロボットなどを開発する。「ロボット学とは哲学そのものである」が信条。著書に『ロボットとは何か』(2009年)、『アンドロイドは人間になれるか』(2016年)など。

略歴

  • 1963年 滋賀県高島郡安曇川町(現・高島市)生まれ
  • 1982年 滋賀県立高島高等学校卒業
  • 1986年 山梨大学工学部計算機科学科卒業
  • 1991年 大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻博士課程修了
  • 1991年 山梨大学工学部情報工学科助手 (1992年まで)
  • 1992年 大阪大学基礎工学部システム工学科助手 (1994年まで)
  • 1994年 京都大学大学院工学研究科情報工学専攻助教授 (1998年まで)
  • 1998年 カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員 (1999年まで)
  • 1998年 京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻助教授 (2000年まで)
  • 1999年 国際電気通信基礎技術研究所 (ATR) 知能映像研究所・客員研究員 (2002年まで)
  • 2000年 和歌山大学システム工学部情報通信システム学科助教授 (2001年まで)
  • 2001年 和歌山大学システム工学部情報通信システム学科教授 (2002年まで)
  • 2002年 ATR知能ロボティクス研究所第2研究室客員室長 (2011年まで)
  • 2002年 大阪大学大学院工学研究科知能・機能創成工学専攻教授 (2009年まで)
  • 2009年 大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻教授2021年現在在職中
  • 2010年 ATRフェローATRフェロー - 株式会社 国際電気通信基礎技術研究所
  • 2013年 大阪大学特別教授 (2016年まで)
  • 2017年 大阪大学栄誉教授
  • 2017年 ソニーグループ株式会社 ビジティング・シニア・サイエンティスト
  • 2019年 先導的学際研究機構共生知能システム研究センター センター長
  • 2021年 AVITA株式会社を設立し、代表取締役CEOに就任。

学外における役職

  • 国際電気通信基礎技術研究所 社会メディア総合研究所 石黒浩特別研究所 所長
  • ヴィストン特別顧問
  • 次世代ロボット開発ネットワークRooBOアドバイザー
  • 2015年第2回星新一賞最終選考委員。
  • 2025年大阪関西万博プロデューサー

受賞歴

  • 2005年 遠隔操作型アンドロイド「ジェミノイド」が世界記録、成人女性型アンドロイド「リプリーQ2」が実物そっくりなアンドロイド、としてそれぞれギネス世界記録に記載読売人物データベースよりされる。
  • 2007年7月 CNNが「世界を変える8人の天才」に選出するGeniuses who will change your life - CNN.com
  • 2007年10月 英国のコンサルタント会社が「生きている天才100人」で日本人最高の26位に選出する。
  • 2011年 大阪文化賞を受賞する。
  • 2015年 文部科学大臣表彰、シェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム知識賞をそれぞれ受賞する。

活動

Team Osaka

石黒の阪大研究室、京都大学ロボ・ガレージ、システクアカザワ社、ヴイストン社、国際電気通信基礎技術研究所らが参画する「Team OSAKA」のロボットVisiON (ヴィジオン) は、2004年にリスボンで開かれた「ロボカップ2004世界大会」で、自律型ロボットによるサッカー競技のヒューマノイド・リーグでクラス優勝した。VisiONは自律歩行型で、思考して行動し人間の指示を要さず、二足歩行で転倒しても自立する。

その他

  • 映画『サロゲート』の冒頭に登場シーンがあり、この映画は「決して荒唐無稽なSFではない」と述べている。
  • 2012年に3代目桂米朝の米寿を記念し、高齢の米朝に代わり子息の5代目桂米團治が動作モデルを務めて「米朝アンドロイド」を製作したが、米朝は「気色悪い」と感想を語った。
    • 米朝の死後、追悼番組で桂鞠輔が「動いている米朝師匠を見たことがない」と発言し、桂南光が「そいつアンドロイドちゃうか?!」とネタにした関西テレビ 一門勢揃い!スゴすぎまっせ米朝師匠!感謝申し上げます 2015年4月12日放送。。
  • 「次にロボットが爆発的に流行るとしたら様々な要因から中国」として、2015年に中国のロボット研究施設と女性ロボット「ヤンヤン」を共同開発した。
  • 平田オリザ主宰の劇団青年団とともにアンドロイド演劇を創作している。
  • 2022年、河野太郎デジタル相のアンドロイドを作成。

著書

  • 『アンドロイドサイエンス』 (毎日コミュニケーションズ、2007年9月)
  • 『ロボットとは何か』 (講談社現代新書、2009年11月)
  • 『ロボットは涙を流すか』 (池谷瑠絵共著 PHP研究所、2010年2月)
  • 『どうすれば「人」を創れるか』 (新潮社、2011年4月)
  • 『人と芸術とアンドロイド――私はなぜロボットを作るのか』 (日本評論社、2012年9月)
  • 『アンドロイドは人間になれるか』 (文春新書、2015年12月)
  • 『人はアンドロイドになるために』 (飯田一史共著 筑摩書房、2017年3月)
  • 『枠を壊して自分を生きる。』 (三笠書房、2017年4月)
  • 『人間とロボットの法則』 (日刊工業新聞社、2017年7月)
  • 『僕がロボットをつくる理由』 (世界思想社、2018年3月)
  • 『人とは何か』 (NHK出版、2019年4月)
  • 『最後の講義 完全版』 (主婦の友社、2020年3月)
  • 『ロボットと人間』 (岩波新書、2021年11月)
  • 『ロボット学者が語る「いのち」と「こころ」』 (緑書房、2022年10月)
  • 『アバターと共生する未来社会』 (集英社、2023年6月)

関連項目

  • マツコとマツコ
  • Sota (ロボット)

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/02/06 11:57 UTC (変更履歴
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