レオ・ドリーブ : ウィキペディア(Wikipedia)

クレマン・フィリベール・レオ・ドリーブ(Clément Philibert Léo Delibes, 1836年2月21日 - 1891年1月16日)は、フランスのロマン派音楽の作曲家。バレエ音楽『コッペリア』やオペラ『ラクメ』などで知られ、「フランス・バレエ音楽の父」と呼ばれる。迫力や壮大などといった言葉とは無縁の、優美で繊細な舞台音楽を残した。

生涯

1836年、フランスの現在のサルト県に位置するサン・ジェルマン・デュ・ヴァル(Saint-Germain-du-Val)に生まれる。彼の父は郵便配達人で、彼の母親は、才能のあるアマチュア音楽家であった。彼の祖父はオペラ歌手であった。彼は、彼の父が1847年に死亡してからは、母親と叔父の手によって育てられた。1871年、35歳の折、彼はLéontine Estelle Denainと結婚した。彼の兄弟であるMichel Delibesは、スペインに移住したが、スペインの作家ミゲル・デリーベスの祖父である。

パリ国立高等音楽・舞踊学校(パリ音楽院)でアドルフ・アダンに師事し、作曲を学ぶ。1853年には聖ピエール・ド・シャイヨ教会オルガン奏者を務める。1891年、パリで没する。

作品

バレエ

  • La Source (1866年)
    レオン・ミンクスとの共作であり、ドリーブは第2幕と第3幕 第1場の音楽を担当した。また、タイトルは『ナイラ、水の精』(Naïla, die Quellenfee)と表記される場合もある。
  • コッペリア Coppélia (1867年)
    ドリーブの作品の中でも最も有名なものであり、原作はE.T.A.ホフマンの短編小説『砂男』。
  • シルヴィア Sylvia (1876年)
    第3幕で演奏される「ピッツィカート」が有名。

オペラ

  • グリファール氏 Maître Griffard (1857年)
  • 庭師とその主人 Le jardinier et son seigneur (1863年)
  • ペトー王の宮廷 La cour du roi Pétaud (1869年)
  • 王様のお言葉 Le roi l’a dit (1873)
  • ニヴェルのジャン Jean de Nivelle (1880年)
  • ラクメ Lakmé (1883年)
    第1幕で歌われる「花の二重唱」が有名。

オペレッタ

  • 年頃の6人の娘 Six demoiselles à marier (1856年)
  • 2人の老看護婦 Deux vieilles gardes (1856年)
  • 2スーの石炭 Deux sous de charbon, ou Le Suicide de Bigorneau (1856年)
  • フォランビュッシュ風オムレツ L’omelette à la Follembuche (1859年)
  • オーケストラの楽士たち Les musiciens de l’orchestre (1861年)
    ジャック・オッフェンバックらとの共作。
  • わが友ピエルロ Mon ami Pierrot (1862年)
  • エムスの水 Les eaux d'Ems (1862年)
  • 羽根の生えた蛇 Le serpent à Plumes (1864年)
  • マルボロー将軍は戦いに出かける Malbrough s’en va-t-en guerre (1867年)
    ジョルジュ・ビゼーらとの共作であり、ドリーブは第4幕の音楽を担当した。
  • カッシア Kassya (1893年、未完)
    未完の作品であり、1893年にジュール・マスネが補筆完成させた。

劇付随音楽

管弦楽曲

  • 花の踊り Pas de fleurs (1867年)
    『ナイラ・ワルツ』(Naïla Valse)として知られ、アドルフ・アダンのバレエ『海賊』の挿入曲として作曲された。

室内楽曲

  • コンクール用小品 (1876年、フルートとピアノのための)
  • トランペットのための初見用小品 ヘ長調 (1881年)
  • トロンボーンのための初見用小品 ハ長調 (1887年)
  • ハープのための初見用小品 ト長調 (1887年)

宗教音楽

  • ミサ・ブレヴィス ト短調 (1875年出版)

歌曲

  • カディスの娘たち Les filles de Cadix (1874年)

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/10/25 05:54 UTC (変更履歴
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.

「レオ・ドリーブ」の人物情報へ