カルロス・ゴメス : ウィキペディア(Wikipedia)

カルロス・アルヘリス・ゴメス・ペーニャCarlos Argelis Gómez Peña, 1985年12月4日 - )は、ドミニカ共和国サンティアゴ州出身の元プロ野球選手(外野手)。右投右打。

愛称は、姓名を略して「カーゴ/CarGo」、またはスピード感あふれるプレー・スタイルから「ゴーゴー」とも呼ばれている。代理人はスコット・ボラス。

経歴

プロ入りとメッツ時代

7月27日、ドラフト外(アマチュア・フリーエージェント)でニューヨーク・メッツとの契約が成立。

、1年目は傘下のルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・メッツに所属し、58試合に出場。

は、A級において120試合に出場して打率.275、出塁率.331、64盗塁を記録。A級両リーグ最多、マイナー全体でも2位という盗塁数を叩き出し、一躍脚光を浴びる(1位はトッド・ドノバンの65個)。サウス・アトランティックリーグのオールスターに出場した他、メッツのファーム組織内最優秀選手を称えるスターリング賞に輝いた。11月11日、メッツ内の有望株リストで6位にランクされ、ファステスト・ベースランナーとベスト・アウトフィールド・アームの2部門に選定。

はAA級ビンガムトン・メッツで120試合に出場の上、打率.281、出塁率.350、41盗塁。翌2007年1月8日にメッツ内の有望株リストで3位にランクされ、ファステスト・ベースランナーとベスト・アスリート、ベスト・ディフェンシブ・アウトフィルダーとベスト・アウトフィールド・アームの4部門に選定されるなど、着実に進歩・成長を遂げる。

はAAA級ニューオーリンズ・ゼファーズで36試合に出場して、リーグ1位の17盗塁を記録すると、5月13日にメジャー初昇格を果たし、同日のミルウォーキー・ブルワーズ戦で「八番・右翼手」として先発出場し、クリス・カプアーノからキャリア初安打となる二塁打を放つなど、4打数2安打1盗塁2得点の好結果でデビュー戦を飾った。6月10日のデトロイト・タイガース戦では、ジェイソン・グリーリから初本塁打となる3点本塁打を記録し、16日と24日には1試合3安打を放っている。その後、左手を骨折して7月5日から9月7日まで故障者リスト入りし、56試合を休場。アクシデントに見舞われたものの、主に八・九番打者として58試合に出場し、新人としてはリーグ2位の12盗塁(成功率80%)を記録するなど経験を積んだ。11月9日、前年に引き続きメッツ内の有望株リストで3位に入り、ファステスト・ベースランナー、ベスト・アスリート、ベスト・ディフェンシブ・アウトフィルダー、ベスト・アウトフィールド・アームの4部門に選定。

ツインズ時代

2月3日にヨハン・サンタナとのトレードで、フィリップ・ハンバー、デオリス・ゲラ、と共にミネソタ・ツインズへ移籍した。

開幕戦から一番・中堅手として先発出場を果たし、開幕後10試合中9試合で安打を放ち、マルチヒット4回(3安打1回)、5盗塁と好調なスタートを切った。しかし12試合目で出塁率が2割台に落ち込み、その後も低調な成績が続き、7月22日からはもっぱら九番を務めることが多くなった。閉幕間際の9月9日から14日にかけては6試合連続打点を挙げ、特に13日のダブルヘッダーでは合計6打点を叩き出し、週間MVPを受賞している。この年は初めて規定打席に到達し、レギュラーの座を確保したものの、出塁率はリーグ・ワースト2位、OPSは同3位と課題を残した。その一方、バント安打数(30)は両リーグ1位※BUH(bunt hit、バント・ヒット)をクリック。、内野安打数(18※IFH(infield hit、内野安打)をクリック。)と三塁打数(7)はリーグ6位、盗塁数(33)は同7位とプラス・マイナス・システム(+32)はいずれも中堅手部門両リーグ1位と、マイナー時代から定評のある俊足ぶりを発揮。

も137試合に出場したが、打率は自身最低の.229という数字に留まり、3本塁打、28打点、14盗塁はいずれも2008年よりも少ない数字であった。一方、前年に高い能力を示した守備面では、レンジファクターが3.18でメジャーリーグ全体2位に位置するを記録した。

ブルワーズ時代

2009年11月6日にJ.J.ハーディとのトレードで、ブルワーズへ移籍した。

1月19日にブルワーズと110万ドルの1年契約に合意。出場試合数は97試合で3年ぶりに100試合を下回った。打撃面では打率.247・5本塁打・24打点という成績を記録した。走塁面では高い盗塁成功率で18盗塁を決めた(盗塁成功率85.7%)。

、2年連続での90試合台となる94試合に出場。打率は.225まで低下してしまった。しかし走塁面では16盗塁ながら88.9%という高い成功率であった。2010年との2年間で、34盗塁を決めた。

1月10日にブルワーズと1年契約に合意。3年ぶりとなる137試合に出場した。打率.260、19本塁打、51打点という打撃成績を記録し、打率と本塁打は自己最高の数値だった。また打率の上昇も手伝い、出塁率は自身初の.300超えとなった。走塁面でも自己最多の37盗塁を記録。

1月17日にブルワーズと430万ドルの1年契約に合意し、3月13日に総額2400万ドルの3年契約を結んだ。この年は実に自身5年ぶりに規定打席到達し、打率.284、24本塁打、73打点、40盗塁はいずれも自己最高となる成績。盗塁はリーグ4位、三塁打(10本)はリーグ2位。20本塁打と40盗塁を同時に達成したのは、ブルワーズの選手としては史上初であった 出野哲也、「2013年"準MVP"10人」『月刊スラッガー』2013年12月号、雑誌15509-12、13頁。

、148試合に出場し、いずれも前年と同数値の打率.284・73打点に加え、2年連続で20本塁打と30盗塁の好成績だった。

、引き続き中堅手のレギュラーを務めたが、過去2シーズンほどの勢いは見られず、74試合の出場で打率.262、8本塁打、43打点という打撃成績に留まった。

アストロズ時代

7月30日にドミンゴ・サンタナ、ブレット・フィリップス、ジョシュ・ヘイダー、エイドリアン・ハウザーとのトレードで、マイク・ファイヤーズと共にヒューストン・アストロズへ移籍した。

移籍後は41試合に出場して打率.242、4本塁打、13打点という成績に終わった。一方で走塁面では調子を取り戻し、成功率77%で10盗塁を決めた。守備面での調子も上がり、守備率.990・DRS + 4という安定した成績を残した。ブルワーズとの通算では115試合に出場して打率.255、12本塁打、56打点、17盗塁を記録した。

8月10日に戦力外となり、18日に自由契約となった。85試合の出場で、打率.210、5本塁打、29打点、13盗塁に留まった。

レンジャーズ時代

2016年8月20日にテキサス・レンジャーズとマイナー契約を結び、傘下のAAA級ラウンドロック・エクスプレスへ配属された。8月25日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした。レンジャーズ合流後は33試合に出場し、打撃面で調子を取り戻して打率.284、8本塁打、24打点、5盗塁という素晴らしい成績を記録した。2球団合計で118試合に出場し、アストロズ時代の不振が響いて打率.231、13本塁打、53打点、18盗塁だった。ただ、2桁本塁打と2桁盗塁の同時記録は5年連続で継続した。

4月29日のロサンゼルス・エンゼルス戦で2008年5月7日以来自身2度目のサイクル安打を記録した。レンジャーズの選手としては史上10人目。オフの11月2日にFAとなった。

レイズ時代

2月21日にタンパベイ・レイズと年俸400万ドルで契約に合意し、3月3日に正式に契約を結んだ。この年は118試合に出場して打率.208、9本塁打、32打点、12盗塁を記録した。オフの10月29日にFAとなった。

メッツ復帰

3月7日にメッツとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった。開幕は傘下のAAA級シラキュース・メッツ2019年にシラキュース・チーフスより球団名変更及びメッツ傘下で迎え、5月13日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした。6月29日に戦力外となり、7月1日にマイナー契約でAAA級シラキュースへ配属された。

1月16日に現役引退を表明した。

選手としての特徴

に24本塁打・40盗塁・ゴールドグラブ賞を同時に記録するなど、走攻守が揃う5ツールプレイヤー。しかし、拙いコンタクトと三振数の多さ、四球を選べない選球眼の甘さと低水準な出塁率など、課題が山積している。「打席内ではよりセレクティブなアプローチが必要だ」と指摘する声も多い。俊足を生かして守備範囲が広く、デビューから2018年までに13回の本塁打強奪キャッチを記録したが、これは直近15年間ではMLBで最多であった。

詳細情報

年度別打撃成績

NYM581391251429302381212303823270.232.288.304.592
MIN1536145777914924772085933113225071427.258.296.360.657
1373493155172155310628147712204721.229.287.337.623
MIL9731829138721135104241836017147210.247.298.357.655
94258231375211389324162821502642.225.276.403.679
137452415721081941919251376632018986.260.305.463.768
1475905368015227102427173407163721014611.284.338.506.843
1486445749516334423274733412134701914110.284.356.477.833
74314286427520181214376002305704.262.328.423.751
HOU411631491936904571310331812311.242.288.383.670
'15計1154774356111129112178561793131171015.255.314.409.724
8532329527621615952913230212410011.210.272.322.594
TEX331301161833608632453001301360.284.362.543.905
'16計1184534114595221131585318530342513611.231.298.384.682
1054263685194231171705113535310191273.255.340.462.802
TB118408360427515291213212320250211036.208.298.336.634
NYM349986101730329104121703303.198.278.337.616
MLB:13年14615227472467511892364114519425462687445273199112125975.252.313.411.724
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

年度球団中堅(CF)左翼(LF)右翼(RF)二塁(2B)
試合刺殺補殺失策併殺守備率試合刺殺補殺失策併殺守備率試合刺殺補殺失策併殺守備率試合刺殺補殺失策併殺守備率
2007NYM440001.0002746211.9802235120.947-
2008MIN151436984.982---
2009132297310.997---
2010MIL75152250.969520001.000230001.000-
2011871835011.000---
2012128255954.981---
20131453911252.988---
2014145355752.986---
201572172261.967--10000.---
HOU3997312.990---
'15計111269573.975--10000.---
201678157711.994---
TEX780001.00028530001.00067010.875-
'16計85165711.99428530001.00067010.875-
2017102229541.983---
2018TB4100001.000-100191572.96610000.---
2019NYM2235110.9731391001.0007140001.000-
MLB11912781654218.98573110311.9911372506102.96220000.---
  • 太字年はゴールドグラブ賞受賞

表彰

  • ゴールドグラブ賞:1回(2013年)
  • フィールディング・バイブル・アワード:1回(2013年)
  • プレイヤー・オブ・ザ・ウィーク:1回(2008年9月9日 - 9月14日)

記録

  • MLBオールスターゲーム選出:2回(2013年、2014年)
  • サイクル安打:2回(2008年5月7日、2017年4月29日)

背番号

  • 27(2007年、2010年 - 2015年途中、2018年)
  • 22(2008年 - 2009年)
  • 30(2015年途中 - 2016年途中)
  • 14(2016年途中 - 2017年)
  • 91(2019年)

関連項目

  • メジャーリーグベースボールの選手一覧 G
  • ドミニカ共和国出身のメジャーリーグベースボール選手一覧

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/12/01 20:39 UTC (変更履歴
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