エドゥアルド・アルテミエフ : ウィキペディア(Wikipedia)

エドゥアルド・ニコラエヴィチ・アルテミエフ(欧米では Edward Artemievまたは Eduard Artemievと表記されている場合も多い。, 1937年11月30日 - 2022年12月29日)は、ロシアの作曲家。主にシンセサイザーを用いた電子音楽、映画音楽を手がけていた。

経歴

1937年、ノヴォシビルスク生まれ。家族はモスクワからの移住者で、7歳の時に両親と離れてモスクワに暮らす叔父の下に預けられる。最初の音楽的な教育をV. S.ポポフ記念ホロヴォド学校で受ける。その後はモスクワ音楽院に入学し、ユーリ・シャポーリンに師事して1960年に卒業。1960年にエフゲニー・ムズリン(Yevgeny Murzin)に出会い、世界初のシンセサイザー(ANSシンセサイザー)を知る。研究所のプログラマーとして働くと同時に、スクリャービン記念音楽スタジオで実験をし、合成音と電子音楽の合成に関する研究を行う。

1960年代から映画音楽で注目されはじめる。1961年に作曲家ヴァーノ・ムラデリの助言にしたがって映画『再会の夢』()に音楽を提供。そこから150作品近くの映画やドキュメンタリーなどに音楽を提供している。著名な作品は1970年代のアンドレイ・タルコフスキー作品の音楽である。最後の作品はニキータ・ミハルコフの映画『チョコレート・レボルバー』()で、その後作曲活動を辞めている。モスクワ文化大学名誉教授。

2022年12月29日、モスクワにて肺炎の合併症の為死去。

作曲作品について

  • 著名な作品は1970年代に制作したアンドレイ・タルコフスキー監督の映画『惑星ソラリス』『鏡』『ストーカー』の音楽であり、またモスクワ・オリンピック(1980年)のテーマ曲である。
  • サウンドトラック作品ではソビエト製であるANSシンセサイザーを用いており、ソビエトにおける電子音楽の祖とされている。

家族

  • 息子:アルテミー・アルテミエフ(Artemiy Artemiev)も電子音楽の作曲家。

作品

  • 1979年 - Siberiade
  • 1980年 - Метаморфозы (Metamorfozy)
  • 1984年 - Картины-Настроения (Kartiny-Nactroeniya)
  • 1984年 - Ода Доброму Вестнику (Oda dobromu vectniku)
  • 1985年 - Warmth of Earth Тепло Земли
  • 1990年 - Solaris, The Mirror, Stalker [日本・WAVE盤]
  • 1991年 - Urga
  • 1992年 - The Inner Circle
  • 1994年 - Soleil Trompeur
  • 1995年 - Территория Любви (Territoriya lyubvi)
  • 1998年 - The Odyssey
  • 1999年 - Archive Tapes Synthesizer ANS 1964-1971
  • 1999年 - The Barber Of Siberia
  • 2000年 - A Book of Impressions
  • 2002年 - Three Odes
  • 2004年 - Водитель Для Веры, Мама (Boditel' dlya Very/ヴェーラの運転手)
  • 2005年 - Shadows Of A Theater
  • 2006年 - Доктор Живаго (Doktor Zivago/ドクトル・ジバゴ)
  • 2007年 - Преступление и Наказание (Prestuplenie i nakazanie/罪と罰)
  • 2010年 - Invitation to Reminiscences
  • 2014年 - Солнечный удар(邦題:サンストローク ロマノフ王朝の滅亡)

注釈

出典

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/10/26 04:49 UTC (変更履歴
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