りゅう : ウィキペディア(Wikipedia)

リュウ(隆)は、カプコンが開発・販売している対戦格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズに登場する架空の人物。シリーズ全作品に登場しており、主役的存在である。

概要

1987年に『ストリートファイター』(以下『ストI』と表記)の主人公、1P側のプレイヤーキャラクターとして初登場する。

『ストI』では「RYU)」の表記が使用されているが、その続編として1991年に発売された『ストリートファイターII』(以下『ストII』と表記)で「リュウ」と表記されるようになり、以後定着している。

「リュウ」という名前は『ストI』でディレクターを担当した西山隆志に因み『ストリートファイター アートワークス 極』カプコン、2012年12月17日、434-439頁。、カプコンのゲームキャラクターにおいてはポピュラーな名前である。なお、フルネームに関しては明らかにされておらず、一部の関連作品で名字が設定されたことはあるが、いずれも公式設定ではない『ALL ABOUT ストリートファイターZERO3』電波新聞社、1998年11月30日、386頁。。

『ストリートファイター』シリーズの主人公的キャラクターであるリュウは、カプコンを代表するキャラクターとしても認知されており、他社を含む多くのクロスオーバー作品に参加している。

キャラクター設定

鉢巻に白い道着、黒帯、赤系の篭手(グローブ)がトレードマーク。リュウの若かりし頃を描いた作品ではカンフー靴を履いていたり、髪を赤く染めていたりするが『COMPLETE FILE STREET FIGHTER II』朝日ソノラマ、1992年12月30日、74頁。、後年では基本的に素足に黒髪(濃い茶髪)となっている。鉢巻の色は若年時は白で後年は赤となっているが、赤い鉢巻はリュウの親友であり最大のライバルでもあるケンの髪留めのリボンを譲り受けたものであるとされる。『ストII』からはフルコンタクト空手の要素が入れられ、グローブにパットが付くようになった「頂上対談 船水紀孝 vs 安田朗」『ストリートファイター15周年 最強読本』宝島社、2003年9月26日、ISBN 4-7966-3545-9、30頁。。『ストリートファイター6』では髭を蓄え、晒巻の半裸に袈裟と雪駄を着用している。

初登場作品である『ストI』におけるリュウは、幼少から学んだ様々な格闘技を独自の格闘スタイルに昇華させた若き天才格闘家と設定されており「最強の格闘家」となるべく世界中のストリートファイターたちと戦う旅に出発する。戦いの末に「ムエタイの帝王」サガット(『ストI』の最終ボス)を「昇龍拳」で倒し、世界一の称号と栄誉を手に入れるが、嬉しそうな素振りも見せずにすぐに姿を消し月刊ゲーメスト増刊『ストリートファイターIIダッシュ』p7より。、その後は“強い奴”と戦うため修行の旅を続ける。

続編である『ストII』において、暗殺拳を昇華させた格闘術を使う剛拳(ゴウケン)の弟子という設定が追加され、以後は一つの格闘流派に固執することなく他流派の技も積極的に取り入れ、空手を基本とし、柔道、テコンドーなどの技を組み入れた独自のスタイルで闘う『ALL ABOUT ストリートファイターZERO3』電波新聞社、1998年11月30日、24-25頁。。その後は自身の中に眠る「殺意の波動」と呼ばれる悪しき力に苦しみながらも「真の格闘家」になることを目指して戦い続けることを決意する。

人物

『ストI』当時は確立した人物像はなかったが、時期を経た『ストII』では落ち着いた人物として描かれる。『ストII』が世に出てからしばらくは豪快な性格に描かれることもあったが、徐々に剛毅木訥な一面が強調されていく。

『ストII』以後確立されたリュウの人物像としてまず挙げられるのは、ストイックな性格である。『ストII』以降の各作品でのエンディングでは、戦いに勝利しても自分自身は満足せず、最初から修行をやり直したり、自分が求めているものは何なのかを探し直すといった描写が多い。そこからリュウのイメージは、格闘に関しては非常に求道的で妥協を許さない。礼儀正しく謙虚な性格で自分の能力を他人にひけらかすことは無い、というのが専らとなっている。技名には頓着が無く、師匠から教わった「波動拳」「昇龍拳」などに対し、自ら開発した技は「上段三連撃」など味気ない名前になっている。

『CAPCOM VS. SNK』(以下『CvS』と表記)での二つ名は「永遠の挑戦者」。「孤高の求道者」とも呼ばれる。『ストIII』シリーズでは、その求道の姿勢に対する台詞として「純粋な格闘スピリッツの持ち主」とアレックスが評するもの『ストIII 2nd』でのアレックスの、勝利時のメッセージ画面の台詞より。がある。また同シリーズでは「純粋で、ある意味悪人よりもタチが悪い」とギルが評している『ストIII 3rd』でのギルの、勝利時のメッセージ画面の台詞より。。

またリュウの人柄を表す設定に、ホームステージとして使用される「朱雀城」にある師匠、剛拳の墓を参るため年に一度訪れる、とするものもある。幼き頃は「朱雀城」を修行場とし、その近辺に位置する原野「玄武ヶ原」なども一部作品ではリュウのホームステージとして用いられる。

着替えの道着が入ったザックを持ち歩いている「カプコンオフィシャル回答!強いヤツらの秘密を知ろう STREET FIGHTER III Q&A」『ゲーメストムックVol.81 ストリートファイターIII ファンブック』新声社、1997年7月27日、85頁。。『ストIII』シリーズでは対戦前のデモで背景の方に置き、攻撃などによってその付近が揺れるとザックが倒れるといった細かい演出がある。『CAPCOM FIGHTING Jam』ではアナカリスの「王家の裁き」にかかった際に姿をザックに変化させられる。

勝利時の動作により演出される姿には、『ストI』からあった片手を突き上げるもの(ケン、ショーンも同様の動作を行う)と、『ストII』からの、結わえ垂れた鉢巻の布が風に流される腕を組んだ姿があり、その二つが代表的。それら演出は『ストII』以降のシリーズにおいて、ほとんどのゲームで見られる。

主人公ならではの特別な存在として位置づけられることも多く、劇場版アニメ『ストリートファイターII MOVIE』においては、シャドルーが調査した潜在格闘値が3620(それまでの最高が2000)という高い数値を示すというシーンもあった。また潜在的な力として、“殺意の波動”(後述)を秘めているとする設定が生まれている。しかし『ストリートファイター』の世界は勧善懲悪ではない設定のため、リュウが真の格闘家を目指して己のために戦うことはあっても、世界を救うことを目的として戦うということはない。

ゲーム内にて血縁関係については一切描かれていない。公式にそれを示す設定はなく、両親や家族がいるかは不明である。リュウ自身も自分の出生を知らず、物心つく頃から修行の日々を送っていたと語っているオリジナルアニメーション『ストリートファイターIV〜新たなる絆〜』より。。しかし、漫画などメディアミックス作品の中には豪鬼との何らかの関係を示唆するものがあり、中平正彦の漫画『RYU FINAL』ではケンの台詞で血縁関係の可能性に言及している(後日、作者がそう取れるよう描いたことを認めている)。OVA『』では豪鬼がリュウの父親であると受け取れる描写がなされた。また、当作においてリュウは轟鉄の弟子である剛拳の許で養育されたという設定だが、『ストIV』においては、轟鉄と面識無しとする従来の設定から、幼少期より彼らと修行に明け暮れていた、と設定が改められている。

『ストII』以降は前述の彼の性格から多くの格闘家に影響を与えている様子が描かれている。リュウの人間性や真の格闘家への道をひたむきに探求する生き様に感銘を受ける者も多く、好敵手となっている格闘家も幾人か存在する。

かつて倒したサガットや『ZERO』シリーズではリュウに憧れる女子高生さくらも登場し、リュウは格闘家として追い掛けるべき存在と目された。中平正彦の漫画『RYU FINAL』では『ストIII』シリーズのキャラクターたちからも一目置かれており、仙人であるオロにも弟子入りを勧められている。

主人公という立場上、漫画作品や4コマ漫画などでは女性ファイター兼ヒロインである春麗やさくらを始めとする、彼と関わり合いを持つ女性たちに恋愛感情を抱かれていることが多々あるが、肝心の本人がその手の話に疎く、彼女たちの想いに気付く気配は全く無い(春麗は友人の1人、さくらは後進の1人という認識)。またゲーム本編では直接そういった描写がされることは少ない。『ゲーメスト』の『ストI』攻略ページに掲載された短編漫画では恋人に別れを告げて師匠の敵討ちの旅に出たという描写があるが、これは元ゲーメストライターの転清がカプコンの許諾なしに創作したものであり、公式の設定ではないゲー夢エリア51編『転清アート・ドット・ワークス【インタビュー編】』2011年、216頁。。

「日本の春が似合う女性」が好みの女性のタイプとする設定もある。

他のキャラクターとの関係

「複数の作品で関わる」「互いのストーリーに影響しあう」など、重要性の高いキャラクターのみを特記、概要を述べる。

ケン・マスターズ
同門出身の兄弟弟子。リュウの親友で、最大のライバル。「どちらが先に格闘家としての名声を手に入れるか競ってみないか」とリュウに何気なく言ったケンの一言が『ストI』の背景となる。サガットと拳を交えるために単身でタイへと旅立った。
少年時代をともに過ごし、ストリートファイターとなってからも互いの修行の成果を確かめるべく、たびたび拳を交えている。
若年時は長髪を赤いリボンで束ねており、それが後にリュウの鉢巻となる劇場版『ストリートファイターII MOVIE』『ストリートファイターZERO2』エンディング(ケン)より。。
シリーズ当初は現在のような細かい設定は存在せず、ゲーム上ではリュウとほぼ同性能のキャラクター(いわゆる2Pキャラ)という扱いであった。
シリーズが進むとリュウは波動拳系の技、ケンは昇龍拳系の技が中心に強化されていき、差別化されるようになった。
豪鬼
「拳を極めし者」を名乗る格闘家。剛拳の弟で、ケンと同じく同門の出身。
リュウとケンの流派の総帥・轟鉄と師匠・剛拳を倒した。リュウの中に「殺意の波動」と呼ばれる力を見出しており、リュウがそれに目覚めることを望んでいる。
ゲーム内においては、リュウやケンと似たような性能であるが、攻撃に重きを置いた調整がされていることが多い。
剛拳
リュウとケンの師匠。豪鬼の兄。
豪鬼に敗れて死亡したとされていたが、『ストIV』以降では生きていたことが判明。
火引弾
剛拳の元・弟子。
立場上はリュウやケンの兄弟子だが、修行の途中で破門されたため、当初は面識がなかった。
サガット
ムエタイの帝王。リュウのライバルの1人。
かつての戦いでリュウに敗北したことが原因で復讐の相手として憎悪していたが、やがて互いを認め合うライバルと言える関係となる。
自身の胸にある大きな傷跡はリュウの「昇龍拳」によってつけられたもので、これに対抗するべく自身も「タイガーアッパーカット(タイガーブロウ)」などの必殺技を開発している。
『ストI』においては、リュウと他のキャラクターとの関わりを示す明確な描写はゲーム上にない。ただし、ボスキャラクターであるサガットは「昇竜拳」に比較的弱いという攻略上の特徴を持つ。
春日野さくら
女子高生ストリートファイター。リュウの追っかけ。
リュウの戦う姿を見てストリートファイトに興味を持ち、同じ世界に足を踏み入れる。使用する技も、リュウの技を真似たものが多い。

貧乏とリュウ

「放浪の格闘家」というキャラクター設定に加え、「常に裸足で道着姿」(『ストII』以降)という特徴的な風貌のリュウは、プレイヤーに「服を買うお金がない」などの印象をしばしば与える。『ストZERO3』では住所不定、無職と設定されている。そのためパロディ4コマ漫画などの二次創作では貧乏ネタを描かれることが多く、空腹で行き倒れているものや、カプコン公式トレーディングカードでの描き下ろしイラストでは、コインランドリーの洗濯機をブリーフ一丁のリュウが仁王立ちでにらんでいる、というものがある。イラストを担当したイケノは「リュウの普段の生活ぶりを描こうとしてやりすぎた。本当はもっと常識のある人だと思う」と語っている『ストリートファイター アートワークス 極』カプコン、2012年12月17日、231頁。。

ゲーム中における他キャラクターとの会話でもそれらに触れる描写もあり『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』では逆に、リョウ・サカザキのことを「貧乏な方が無敵の龍か」と本人の目の前で発言して怒らせるシーンもあったが、『ストIV』ではクリムゾン・ヴァイパーに敗北した際に、「税金はちゃんと払っているのか。保険には加入しているのか」と問い詰められている。

しかし『ストII』以降、靴を履いていないことに関しては、『ストIV』の勝利台詞において「裸足の方が楽なだけで、(金銭的に)買えないわけではない」と語っている。アニメ作品においても、自身の懐から紙幣を取り出して代金を支払うシーン劇場版『ストリートファイターII MOVIE』より。や、飲食店を利用しているシーンがあり、少なくとも無一文である様子には描かれていない。OVA『ストリートファイターZERO: ジェネレーションズ』では修行中などの時以外は普通に道着以外の服を着ており靴も履いている。ドラマCD『ストリートファイターZERO3 ドラマアルバム』ではリュウの家も登場する。

『週刊ファミ通』2018年11月1日号に掲載されたガイルとの対談では定住所を持ちオフの時は普通の生活を送っていることや、飛行機に乗るだけの金銭も持っていることを語り、放浪者扱いされていることに対しては不満を見せていた。それに対してガイルは驚愕していた。

カプコンデザイン部部長のSHOEIは「リュウが貧乏という設定を作った覚えはなく、ちゃんとお金を持っている」と語っている。またあきまんの設定によると、ギャングの用心棒など危ないことも普通にやり、基本的にはストリートファイトでお金がなくなったら自分に賭けて稼ぐという「CAPCOM DESIGN TEAM インタビュー」『ストリートファイター エターナルチャレンジ』双葉社、2003年7月5日、130頁。。また中平正彦の漫画『さくらがんばる!』では短期間、中国の飲食店で働いていたと店主が話し『RYU FINAL』では自炊の買い出しに出かけた際、安い食材ばかり購入するリュウに対し同行して来たオロに「お前の不味い飯には飽きた」「たまには美味い物が喰いたい」とぼやかれ、「粗食も修行だ」と鼻であしらった。

『ストリートファイター6』の「ワールドツアーモード」においては、基本的に現地で稼いだ金を現地で使うことで暮らしているが、時には「黒いカード」で支払うこともあると語っている。各武術大会の賞金や異種格闘大会のゲスト参加、ちょっとしたトラブル解決の礼などでリュウ自身が稼いだお金を代わりにケンが受け取って管理していると言う。なお、「今の使い方のままだと一生かかってもなくならない」との事だが、具体的にどれほどの蓄えがあるのかは明言されていない。

殺意の波動

師匠、剛拳の設定が生まれたことを切っ掛けにして、やがてリュウが使う格闘術は古来からの源流を持つ「暗殺拳」がベースとなっているとされていく。『スーパーストリートファイターII X』(以下『スパIIX』と表記)にて豪鬼が登場し、リュウに関わる「暗殺拳」の一類の者と位置付けられ、続く『ZERO』シリーズにて“殺意の波動”という名称がゲーム上で語られ始める(瞬獄殺、豪鬼#殺意の波動も参照)。同シリーズでは豪鬼はその力を持っているとされ、リュウもまた潜在的に殺意の波動を秘めているとされた。

以後より現在まで、シリーズを通してその設定は引き継がれている。しかし、殺意の波動とはどのような力なのか、ゲーム本編で言及されることはほとんどない。ただ、発現した者に強大な戦闘力をもたらすということは表現されており、ゲーム以外の媒体でも描かれている。

漫画作品、映像作品にはリュウがこれを克服することがテーマとなっているものがあり、ゲームによっては殺意の波動を忌まわしいものとするリュウが、克服を目標として旅するストーリーとなっているものもある。また『ZERO』シリーズ以後のゲームのいくつかは、殺意の波動に呑まれてしまったリュウを個別のキャラクターとして使用できる(後述)。

この力を持つリュウを利用するため、登場する悪役キャラクターが彼に目をつける、というシークエンスもある。ゲーム本編の一つのストーリーでは、殺意の波動の使い手である豪鬼はリュウが完全に殺意の波動に目覚めて自らに匹敵する相手となることを望んでいる。また一つに、軍事企業・S.I.N社のCEOであるセスは殺意の波動を兵器に利用することを計画しており、リュウの身柄を狙っている、というものもある。

『ストIII』シリーズにおいてのリュウは殺意の波動を克服することも修行の旅の目的となっており、スーパーアーツのひとつ「電刃波動拳」は、殺意の波動をある程度制御することで使用を可能としている。また、同シリーズに登場するショーンが殺意の波動に目覚めるにはリュウやケンに近いレベルまで成長する必要があり、まったく可能性がないわけではない。

『ストIV』シリーズは、『ストリートファイター』シリーズの世界設定における時系列が『ストII』以後、『ストIII』以前のものとなっている。そのため、ゲームのリュウのエンディングシーン、並びにオリジナルアニメーション『ストリートファイターIV〜新たなる絆〜』の終盤にて、リュウが殺意の波動を御するシーンがあるが片鱗に止まっており、後に繋がる形とされている。

『ストV』のゼネラルストーリーでは、今まで抑えつけていた殺意の波動と向き合い、ネカリとの二度目の闘いにおいて「破壊の力」としか考えていなかった殺意の波動を自らの力のひとつとして受け入れることで無の波動の覚醒に成功し、この力を用いてネカリやベガ、豪鬼との決着を果たす。

各ゲームにおけるリュウ

ほぼ全ての登場作に共通して「俺より強い奴に会いに行く」という設定に忠実である。

  • 『ストリートファイター』 - 数々の強敵と戦い、「ムエタイの帝王」サガットを倒す。
  • 『ストリートファイターII』シリーズ - 最強の称号を得るが表彰式を放棄し、「真の格闘家」を目指して再び旅立つ。
  • 『ストリートファイターZERO』 - 強い相手を求めて旅をするが、自らの未熟さを憂い修行の再開を決意。
  • 『ストリートファイターZERO2』 - 師の仇である豪鬼に一格闘家として挑み、殺意の波動の潜在能力の高さを見出される。
  • VS.シリーズ - 他作品の猛者とも拳を交え、友情を深めている。
  • 『ストリートファイターEX』シリーズ - 強い相手と戦うために参戦。
  • 『ポケットファイター』 - 武者修行の途中、リュウは「強い奴」の情報を得るためタバサの元へ行く。
  • 『ストIII 1st』 - 修行の毎日の中、久々にケンとの再会を果たすが、その際にショーンを押し付けられる。
  • 『ストIII 2nd』 - 豪鬼との会話のシーンにより、殺意の波動の克服が目標の1つであることが語られる。
  • 『ストリートファイターZERO3』 - ベガに肉体を支配されかけるが、不屈の精神でこれを撥ね退ける。その後再び修行の旅へ。
  • 『ストIII 3rd』 - 「指1本でも動く限り戦うのみ」と改めて「真の格闘家」への道を決意。
  • 『CAPCOM FIGHTING Jam』- エンディングシーンにて『ヴァンパイア』シリーズのガロンと対戦している。
  • 『NAMCO x CAPCOM』 - 壊滅したはずのシャドルーが日本で暗躍していることを知り、ケンとともに戦いへと赴く。
  • 『ストリートファイターIV』シリーズ - S.I.N.社の企てにより事件に巻き込まれ、そのCEOであるセスと戦い倒す。
  • 『タツノコ VS. CAPCOM』 - エンディングシーンにて『LOST PLANET』のエイクリッドと戦っている。
  • 『モンスターストライク』 - 通常と進化時には属性は「光」。殺意リュウ(神化)時には属性は「闇」になる宝島社『モンスターストライク最強攻略BOOK5』P77。。
  • 『ストリートファイターV』 - 魂を喰らう戦士ネカリとの戦いで殺意の波動の制御に成功し、電刃の力を得る。豪鬼との戦いで互いを好敵手と認め合い、再戦の約束を果たす。

ゲーム上の特徴

『ストI』
主人公キャラクターであり、ケンと並んでプレイヤーキャラクターであった。一人でプレイする場合、プレイヤーが使用できるキャラクターは必然的にリュウとなる。後に三種の神器(後述)と呼ばれる必殺技「波動拳」「昇龍拳」「竜巻旋風脚」はこの時点ですでに備えており、本作では3発ヒットさせれば相手の体力を全て奪ってKOできるほどの威力を持っていた。昇龍拳に至っては、上昇、下降共に無敵判定で、3発同時にヒットしてKOということもあった。
『ストII』以降
ゲーム性が煮詰められ、対人戦に重きを置いて開発された『ストII』では、バランス調整のために前述した必殺技の性能が改められた。気の弾を射ち出す「波動拳」(飛び道具)、ジャンプ攻撃で飛び込んでくる相手を迎撃する「昇龍拳」(対空技)などを揃えた、スタンダードな性能のキャラクターとされた。この能力設定は、後発の格闘ゲームにおいて多く模倣・踏襲がなされており大きな影響をもたらしている。しばしば類似した性能を持ったキャラクターは「リュウケンタイプ」と俗称された。
『ストII』においては、技の動きや判定がほかのキャラクターに比べると弱く、必殺技性能もそれほど高くなかった。さらに、気絶時に攻撃を食らうとダメージが2倍になる弱点も設定されていたため、相対的にザンギエフに次ぐ弱いキャラクターに評価されている。『ストリートファイターII'』(以下『ストIIダッシュ』と表記)においては「波動拳」をはじめとした技性能の底上げが図られ、使いやすい性能を備える。『スパIIX』では、「昇龍拳」は完全無敵ではなくなったものの、高性能なスーパーコンボや地上中段攻撃(しゃがみガード不能攻撃)が追加されるなど、さらなる調整がなされた。
『ZERO』シリーズでも基本的な性能はそのままに、「波動拳」がさらに高性能になった。強の「波動拳」は気絶値が高く、さらに至近距離で当てると相手を燃やす上にダウンさせる「ファイヤー波動拳」となる。『ストリートファイターZERO2 ALPHA』(以下『ZERO2 ALPHA』と表記)以降は「波動拳」の性能が低下したが、シリーズ内では相対的に強力なキャラクターである。
『ストIII』シリーズにおいては、使いやすさは従来と変わらず、一撃の重さにより重点を置いたキャラクターとなる。『ストIV』では、体力、気絶値は並と設定されているが、全ての状況に対応できる技が揃っており、初心者から上級者まで安定した戦い方ができる。バージョンアップ版『スーパーストリートファイターIV』(以下『スパIV』と表記)では調整され弱体化が施されている。
「殺意の波動に目覚めたリュウ」の特徴は後述を参照。
『ストV』 エクストラバトル
エクストラバトルにて「THE MASTER」の名で、CPUとして登場する。洗練されたように青白い道着と新品のように赤い篭手を身に着けた姿で、動作速度が非常に速く攻撃範囲も広い強化されたリュウ。Vトリガーを発動することはないが、Vゲージを1ブロック消費することで「一心」を使用し、EXゲージ2ブロックで真空波動拳、3ブロックで「真・昇龍拳」を使用する。
格闘ゲーム以外の作品
シミュレーションRPG『NAMCO x CAPCOM』にも登場している。同ゲームにおけるリュウは全体的に技のヒット数が少ないものの、基本攻撃力は全ユニット中トップクラスの値を誇り、「幸運」を除く全てのステータスが比較的高いというバランスの取れた性能を持つ。近距離戦を得意とするユニットだが、「波動拳」や「真空波動拳」が使えるので遠近両方で戦うことが可能である。スキルは主にリュウ自身の強化や補助を目的としたものを覚える。
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』では下記のリュウの項目参照。

技の解説

通常技

作品によって若干差異はあるが、ここでは『ストIV』シリーズでの技名称を掲載。なお、括弧内は後述する殺意の波動に目覚めたリュウのもの。

操作立ち(近距離)立ち(遠距離)しゃがみ垂直ジャンプ斜めジャンプ
弱パンチ肘打ちジャブジャブ肘落としジャブ
中パンチボディーブロー正拳突きストレートストレート掬い突き
強パンチアッパー(顎砕き)フック(鬼哭突き)突き上げアッパー水平チョップストレート
弱キックローキックハイキックキック蹴り上げ膝蹴り
中キック膝蹴り横蹴りくるぶしキック前蹴り跳び蹴り
強キック踵落とし回し蹴り回転足払い(足払い)旋風脚(旋空脚)跳び足刀(鬼蹴り)
肘打ち
『III』シリーズ以前は小突くように肘アッパー。
『III』シリーズ以降は胸部または顔面に肘鉄。
鉤突き
『V』の立ち中パンチ。
豪鬼の「六腑潰し」や狂オシキ鬼の「雁下打ち」と同じ挙動。
掬い突き
ジャンプ中に行うアッパー。
フック
半歩踏み出し大振りフック。
顎砕き
殺意リュウの近距離強パンチ。
手根部で下顎部狙いのショートアッパー。
ハイキック
上段横蹴り。
『ZERO3』では立ち中キックになっている。
踵落とし
素早く振上げた足で相手の下顎をかち上げ、すぐに返しの踵を落とす。
作品によっては「ねりちゃぎ」とも表記されている。
上段回し蹴り
『V』の立ち強キック。
くるぶしキック
『III』シリーズ以前では体軸を僅かに突き出しスライディングキック。
『III』シリーズでは体軸を大きく突き出しヒールスライドキック。従来のものはしゃがみ弱キックに。
この差異はケン・豪鬼も同様。
『ストIV』で初めて両者が並立した。
旋風脚
その場で画面奥へ体を捻り、さらに逆方向に体を捻りつつ中段回し蹴りを放つ。
特殊技版では、再度捻る時に前進し着地する。
空中回し蹴り
『III』シリーズで使用する垂直強キック。
内回しの空中上段回し蹴り。

パーソナルアクション

気合を入れる
腰を低く構え、気を高める動作を取る。この技を出して以降はスタンゲージの回復速度が向上する。効果はラウンド中永続し、最大3回まで蓄積する。

Vシステム

心眼〔しんがん〕 [VスキルI]
ブロッキングの構えで相手の打撃技を受け流す。受け流すモーションは上段、中段、下段でそれぞれ異なる。
『ストIII』のブロッキングと異なり空中での発動は不可だが、『ウルIV』オメガエディションの「葉流し」と異なり「当て身」に類され一瞬の硬直を与える効果がある。
入り身〔いりみ〕 [VスキルII]
大きく踏み込みながら正拳突きを繰り出す。踏み込みの動作中に相手の攻撃を受けると正拳突きの後にさらに肘打ちで追撃する。
電刃練気〔でんじんれんき〕 [VトリガーI]
パンチ系の通常技、特殊技の気絶値が上昇。「波動拳」「昇龍拳」「真空波動拳」の性能が強化される。
確固不抜〔かっこふばつ〕 [VトリガーII]
必殺技として「一心」が使えるようになる。
波掌撃〔はしょうげき〕 [Vリバーサル]
両掌で波動を球形に凝縮させ、目の前で炸裂させる。
踏み込み上段鉤突き〔ふみこみじょうだんかぎづき〕 [Vシフトブレイク]

通常投げ

背負い投げ / 空中背負い投げ
『CVS』シリーズおよび『ストIII』シリーズ以前は、正面で相手の胸倉を掴み担ぎ上げ遠く後方へ放り投げ飛ばす。
『ストリートファイターEX』(以下『EX』と表記)シリーズ、『ストIII』シリーズ、『ストIV』シリーズ、マーヴルVS.シリーズなどでは捕捉した相手の襟首を掴み、地面を蹴り込む反動で自分の肩越しに前方に投げ落とす。
『ストIII 3rd』以降は正面の相手を掴んで後方へ引き寄せ背負い投げを仕掛けており、前方(レバー前入力)投げに対応。
『ウルIV』オメガエディションでは、若干遠くへ投げる。
『ストV』での挙動は背負落に準拠し、膝は着かずに自分の背中で担いで投げる。
『ZERO3』のみ空中でも出せ、後者の名称となる。
巴投げ / 空中巴投げ
相手の胸倉を掴み、後ろに倒れ込みながら投げ飛ばす。
一部の作品では後方(レバー後ろ入力)投げに対応。

特殊技

鳩尾砕き〔みぞおちくだき〕
『スパIIX』で追加された技。前方に踏み込みつつ逆突きでのボディブローを放つ。通称「大ゴス」。
攻撃に移る際に若干隙があるが、当たりさえすれば技後はリュウが先に動ける場合が多い。状況次第ではさらに連続技に派生できる。
『EX』シリーズのみ読み方が「きゅうびくだき」となっている。
鎖骨割り〔さこつわり〕
『スパIIX』で追加された技。通称「中ゴス」。
振り被って前方に踏込み、2ヒットのフックを振り下ろす。『ストV』では振り下ろす拳撃がストレートに変更されている。
攻撃前に振り被る動作があり隙が大きいが、しゃがんでいる相手のキャラクターはガードできないという特性がある。
地上での技であるが、しゃがみガードできない技=“中段技”の端緒の一つである。
『EX』シリーズでは、ガードブレイクおよびハードアタックの技となっている。
旋風脚〔せんぷうきゃく〕
『ZERO』シリーズ以降の技で、「竜巻旋風脚」(『ストIII』シリーズ以前)の出掛動作で回し蹴りを放つ。
正中二段突き〔せいちゅうにだんつき〕
『ZERO3』で追加。上記の「鳩尾砕き」の変形版。X-ISM、V-ISMで使用できる。
上体を退いた構えから踏み出しつつ肘鉄を放つ技で、肘と出掛かりの肩で2ヒットする。
踵落とし〔かかとおとし〕
『ウルIV』オメガエディションで追加された、外回しで放つ踵落とし。性能は『ZERO』の踵落としに近い。
立ち強キックの踵落としと違い、しゃがみガード可能な中段判定で空中の相手に当てると相手をダウンさせられる。
『ストV』では『ストIV』の通常技の踵落としが特殊技に変更された。
くるぶしキック
挙動は『III』以前のしゃがみ中キックだが、操作が4ボタンの作品では特殊技扱いとなっている。
リュウの通常技の中でもリーチが長い。

ターゲットコンボ

フック〜回し蹴り(遠距離立ち強パンチ→立ち強キック)
『ストIII』シリーズ以降のターゲットコンボ。フックの後に回し蹴りを繰り出す。『ストIV』では使われなかったが『ウルIV』オメガエディションで復活し、最後の回し蹴りにアーマーブレイク属性が追加される。
正拳突き〜フック〜回し蹴り(遠距離中パンチ→立ち強パンチ→立ち強キック)
『ウルIV』オメガエディションで追加されたターゲットコンボ。上のターゲットコンボが中パンチから始まるようになったもの。
上段二連撃(立ち強パンチ→立ち強キック)
『ストV』でのターゲットコンボ。通常技変更に伴い、正拳突き〜上段回し蹴りを出す。
上段三連撃(立ち中パンチ→立ち強パンチ・しゃがみ強パンチ→立ち強キック)
『ストV』でのターゲットコンボ。こちらも通常技変更に伴い、鉤突き〜正拳突き〜上段回し蹴りを出す。
バージョンアップにより、2段目の強パンチのみしゃがみ状態を経由できるようになった。

必殺技

波動拳〔はどうけん〕
体内の気を組み合わせた両手に集め、前方に突き出して気弾を発射する。
『ストI』からあるリュウの代表的な技の1つ。初期はケンのものと同じ性能だったが、次第にリュウのものは性能が向上していき「弾の大型化」などの差別化が図られるようになったスパIV・開発ブログ『第二回』より。。
気弾のビジュアルはゲームによって異なり、基本的には青白い火球のようなデザインだが黄色い光球を撃ち出すもの、気弾の中に両手の形が見えるもの、身の丈ほどの大きさになっているものなどがある。
「波動拳」のレバー入力の方法(1P側で下・右下・右)は「波動拳コマンド」と呼ばれ、他社製を含めた格闘ゲーム全般の必殺技で多く採用されている。このコマンドは「波動拳」同様の発射・投擲により攻撃する技、もしくは真横に大きく突進移動する技に多い。また、特に発射・投擲を行う技を指す、“飛び道具”という名称が使われた端緒の1つとして『ストII』でのこの技がある。
『ストV』ではVトリガー[I]の「電刃練気」発動中は威力とスタン値が強化され溜めが可能になる。最大まで溜めるとガードクラッシュ効果が付く。
西山隆志によると原型は『宇宙戦艦ヤマト』の波動砲であり、力を貯めて一気にそのエネルギーを解放するところが必殺技らしいと語っている。
ファイヤー波動拳 / 灼熱波動拳〔しゃくねつはどうけん〕
『スパII』からの技。炎を帯びた「波動拳」を発射し、相手を燃やす。初出である『ストII』シリーズのみ前者の名称。
「ファイヤー波動拳」、「灼熱波動拳」共に作品によって性能が異なる場合が多いが、おおむね「通常の波動拳よりも高威力だが隙が大きいもの」「至近距離でヒットさせると相手をダウンさせる効果を持つもの」「波動拳の上位版として実装されているもの」のいずれかであることが多い。また、豪鬼や殺意リュウも同名の技を使うが、技の性質はリュウのものと異なる場合が多い。
この技が考案された元は『ストII』シリーズ初期において稀に(1/256の確率で)色違いの赤い波動拳が出ることがあり(性能に差はない)、それがゲーム上の実際の技とされた。
連波動拳〔れんはどうけん〕
『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』(以下『UMvC3』)にて使用。射程は短いが、ボタン連打で気弾を連射できる。
爆波動拳〔ばくはどうけん〕
『UMvC3』にて使用。射程の長い見えない気弾を撃ち、当たると爆炎で吹き飛ばす。「連波動拳」を溜め撃ちするとこの技になる。
昇龍拳〔しょうりゅうけん〕
沈み込んだ態勢からアッパーカットを繰り出し上空に跳び上がる。最初期はアッパーカットと膝蹴りの複合技だと説明されている『月刊ゲーメスト』1987年10月号、新声社、24頁。が、後シリーズにおいては膝に当たり判定はなく、また膝蹴りではなく膝が前に出ているのは飛び上がりモーションである。開発者によると「昇龍拳」と「真・昇龍拳」は「アッパー」と「跳び膝蹴り」で相手の顎を砕く「連続攻撃」であり、2ヒットするのが正しいとされる。『ストII』の昇龍拳は地上で当てても相手はのけぞるだけで、昇龍拳の落下中に反撃を受けることがあるが、『ストIIダッシュ』の場合は当たった時に相手を転ばせることができる。
発動した瞬間や上昇中に無敵時間があることが多く、相手の攻撃への割り込みや優秀な対空技として機能する。ゆえに対戦格闘ゲームの草分けである『ストII』でのこの技は、“対空技”という名称が使われる端緒の一つとなった。「昇龍拳」のレバー入力の方法(1P側で右・下・右下)は「昇龍拳コマンド」と呼ばれており、波動拳コマンド同様、現在も多くの格闘ゲームに採用されている。
ゲームのストーリー設定においては、『ストII』より「サガットの胸に傷をつけた技」とされ、この技からサガットが「タイガーアッパーカット」を編み出したとされている。同技は別名を「タイ式昇龍拳」『ストIIダッシュ』のインストカードの表記より。とも呼ばれており、サガット以降も同様の技、似た技を持つキャラクターが登場している。
いくつかの漫画作品では、「威力が高すぎて致死性が高い」「拳を突き上げる動作は天(神仏)に対して拳を向ける」など、作品によって異なる理由で禁じ手になっている。
『ストIV』では、上記の設定が逆輸入される形で、師である剛拳がスーパーコンボとして「禁じ手・昇龍拳」を持つ。また、リュウは大パンチ版またはEX版を使うと拳に白い波動を纏った状態になる。
『ストリートファイター X 鉄拳』『ストV』のEX版は後述の「真・昇龍拳」と同様の動作になり、昇龍拳が一番根本の位置で命中すると、逆の腕での昇龍拳で追撃を繰り出す。根本ヒットしなかった場合は単発の昇龍拳になる。
波動昇龍拳〔はどうしょうりゅうけん〕
『UMvC3』にて使用。斜め上に波動を撃ちながら「昇龍拳」を繰り出す。
竜巻旋風脚〔たつまきせんぷうきゃく〕
宙に浮き上がり、竜巻のように回転しながら連続して回し蹴りを放つ。動作中は前方に直進する。
詳細な挙動は『III』以前と以降で異なり1P側において、前者が左膝を突き出し左に半回転して跳び上がり、そこで逆回転を加え左足を軸足に回転し右足で中段回し蹴りを規定回数放ち、さらに着地に1回転を要するのに対し、後者は右膝を突き出し左に半回転して跳び上がり、そのまま右足を軸足に左回転し左足で中段回し蹴りを規定回数放ち続け、最後は着地に半回転を要するという違いがある。この基本的差異はケンと豪鬼も同様である。
当初は連続ヒットする技だったが、ケンとの差別化が図られるようになってからは単発のみヒットし、相手を吹き飛ばしてダウンを奪えるようになった。一部作品では空中からも使用できるようになったが、いずれのシリーズでもほとんどのしゃがんだ相手キャラクターに当てることはできない。
「竜巻旋風脚」の際のレバー入力の方法(1P側で下・左下・左)を「竜巻(旋風脚)コマンド」と呼び、これも多くの格闘ゲームに採用されている。
『ストIII 2nd』以降のEX版は後述の「真空竜巻旋風脚」と同様の性能になり、『ストV』を除き回転速度はスーパーコンボ版より速い。
空中竜巻旋風脚〔くうちゅうたつまきせんぷうきゃく〕
「竜巻旋風脚」の空中版。『ストIIターボ』より追加された。同作では真横に飛んでいたが『スパII』以降は放物線を描くように飛ぶ。『ストIII』シリーズでは『ストIII 2nd』以降追加され、下降しながら「竜巻旋風脚」を放つ。
『EX』シリーズは全般において空中版は使えない(ケンのみ『ストリートファイターEX2』以降に空中版がある)。
上段足刀蹴り〔じょうだんそくとうげり〕
『ストIII』から実装。前へ大きくサイドステップしつつ体を捻り、足の側面(足刀部)とカカトで蹴りを突き込む。
技の発生は遅いが、威力、スタン値ともに高く、EX必殺技版はヒットさせると相手が画面端にぶつかって跳ね返り、そこに空中追撃が可能。一部作品では通常技として使用。
『ストIV』の剛拳はセービングアタックとして、『ウルトラストリートファイターIV』(以下『ウルIV』と表記)のオメガエディションでは特殊技として本技を使用する。
『ストV』では体を捻らず「ハイキック」に近いモーションに変わった。性能は『ストIII』と同様。
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』では横スマッシュ攻撃として使用される。
波動の構え〔はどうのかまえ〕
『ZERO』シリーズ(『ZERO2』から)のみの技で、「波動拳」の動作だけを行うフェイント。
葉流し〔はながし〕
ブロッキングの挙動を取り、リカバリアブルダメージも無効にする、ダメージ無効のアーマーが一瞬付く。スタンだけは上昇していく。
成立後にはEXゲージを使った追加攻撃が可能。セービングアタック同様アーマーブレイク属性は防げない。
成立中は『ストIII』シリーズのブロッキングのように相手に一定の追加硬直時間を与えない、文字通りの「受け流し」であるため多段技の「葉流し」の難易度は高い。
徹心〔てっしん〕
「葉流し」中に3つのパンチボタン同時押しで発動する、セービングアタック反撃動作と同じ正拳突きで3ヒット。アーマーブレイク属性。
一心〔いっしん〕
「葉流し」成立後に発動すると本技となり、威力が上昇する。相手に直接拳を向けず、気のみで反撃する。
初期は「徹心」と同様の動作で重い1ヒットだったが、『オメガエディションVer.1.05』にて挙動がセービングアタック構え動作に変更された。
発動から攻撃判定の発生まで若干時間差があり、この間は完全無敵。
『ストV』ではVトリガー[II]発動中に使用可能。Vスキル[I]の「心眼」と同じ構えを取り、相手の攻撃を受けると相手を掴んで、強力な正拳突きを打ち込む。攻撃成立後は相手は膝崩れダウンし、特定の必殺技で追撃可能。
セービングアタック
元々は『ストIV』で導入された全キャラクターが使用できるシステムだが、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』および『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』ではリュウの下必殺ワザとして採用された。
1発だけ相手の攻撃を耐えられる、3段階までセービングを溜めることができる、2段階以上のセービングを地上にいる相手にヒットさせると膝崩れダウンを誘発、前後にダッシュすることでセービングキャンセルが可能など、基本的な性能は『ストIV』のものを踏襲している。
ただし、空中でも発動可、発動までにスティックを逆方向に倒すことで振り向きながら攻撃が可能、耐えたダメージは自然回復しない、といった違いもある。
なお、『大乱闘スマッシュブラザーズ』でリュウが使用する必殺ワザの中で、このワザのみコマンド入力には対応していない。

スーパーコンボ / スーパーアーツ / ウルトラコンボ / クリティカルアーツ

真空波動拳〔しんくうはどうけん〕
  • SAI(『ストIII』):ストック数(1st-1/2nd-2/3rd-2)、ゲージの長さ(1st-104/2nd-104/3rd-112)(単位:ドット)
「波動拳」の強化版を放つ、リュウの代表的なスーパーコンボ。複数の「波動拳」を1つに合わせて発射し、一部シリーズでは最後の1つを「灼熱波動拳」にして相手を燃やす。
『VSシリーズ』では、光線のような太いビーム状の気を放つものに変化し、空中での使用や発射方向の調整が可能になっているものもある。
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』では、「最後の切りふだ」の1つとして使用。相手との距離が離れている通常時はこれが発動する。気流を纏うため、ある程度離れた相手を巻き込む性質を持っている。
『ZERO』では、Lv1は3発、Lv2は4発、Lv3は5発分の気弾をひとまとめにして相手に放つ。ただし相手が空中にいる時はヒットするのは3発分までとなる。
『ZERO2』における本技のバックストーリーに、師匠からいつか伝授されるはずだったという記述がある。
『ストV』ではクリティカルアーツとして実装。6ヒットし、「電刃練気」中に発動すると後述の「電刃波動拳」に変化する。
滅・波動拳〔めつ・はどうけん〕
  • UCI(『ストIV』)
『ストIV』におけるウルトラコンボ・I。力を溜めた後、紫色の強力な「波動拳」を撃ち出す。
同作における「真空波動拳」よりも威力が大きいが、技後によろける演出があるため隙も大きくなっている。
通常のリュウが使用する「波動拳」「真空波動拳」とは波動の色が異なる。
後述する「殺意リュウ」も同名の技を使用しているが、技の性質が異なる。
電刃波動拳〔でんじんはどうけん〕
  • SAIII(『ストIII』):ストック数(1st-1/2nd-2/3rd-1)、ゲージの長さ(1st-88/2nd-80/3rd-96)(単位:ドット)
『ストIII』シリーズにおけるスーパーアーツの一つ。波動の気の練り方を、短い間に交互に反転させることで波動を帯電させ、電気を帯びた「波動拳」を撃ち出す。殺意の波動の気を少しの間制御することで可能となったもので、殺意の波動を完全に克服すると使えなくなる、とされる。
発動後、ボタンを押し続けることで溜め撃ちが可能で、最大5段階まで性能を上げられる。威力は低いが、ガード不能(ブロッキングは可能)で気絶値が高い。
『EX3』では「殺意の波動に目覚めたリュウ」がメテオコンボとして『スパIV』では師である剛拳がウルトラコンボ(2)として本技を使う。
『ストV』ではVトリガー[I]効果時間中の「真空波動拳」が本技に変化。威力とスタン値が強化されるが、従来作とは異なり溜めが不可能。ガード不能ではなく、ガードクラッシュを誘発するなど真空波動拳の単純な強化版のような技になっている。
真・昇龍拳〔しん・しょうりゅうけん〕
  • SAII(『ストIII』):ストック数 [全作-1] 、ゲージの長さ(1st-120/2nd-120/3rd-128)(単位:ドット)
「昇龍拳」の強化版。強力なアッパーを繰り出し、最初の一撃がクリーンヒットしたときのみ、すかさず逆の腕でのアッパーと飛び膝蹴りALL ABOUTシリーズ Deluxe Vol.2 『ストリートファイターIII THE CHARACTERS』電波新聞社、P27。を垂直に繰り出して追撃する。
リュウの使用する技の中でも特に威力が高いが、根本部分をヒットさせないと追撃が出ず、単に多段ヒットする「昇龍拳」となり、威力が大幅に低下する。
「真・昇龍拳」という名称自体は、中平正彦の漫画『ストリートファイターZERO』が初出であり、ゲームに逆輸入された『GAMERATIONS』STUDIOZERO、2019年12月29日、63頁。。「殺意の波動」を克服したリュウの偽りでない「まこと」の昇龍拳という考えから生まれており、「真」の字はOVA『真魔神伝 バトルロイヤルハイスクール』から取られている。ゲームのストーリー上の設定としては、この技はリュウがある闘いの最中、無意識のうちに繰り出した技が原型であるとされている。
後述する「烈風迅雷掌」や「滅・昇龍拳」の一部にも組み込まれているほか、『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』における隠し必殺技版ではモーションが『ZERO3』版「滅・昇龍拳」のものになっている。
『ストIV』シリーズにて師である剛拳はウルトラコンボ(1)として本技を使う。
『MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds』ではマーヴルVS.シリーズの特徴である派手なエフェクトが付加されており、拳がヒットした瞬間に相手を貫くような光が迸る演出がなされている。
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』では、「最後の切りふだ」の1つとして使用。相手との距離が近い時に自動的に分岐し、攻撃力・吹っ飛ばし力共に優れる。また、ダメージが高い相手に決め、撃墜がほぼ確定した場合、『ストIV』と同じフィニッシュ演出が発生する。
滅・昇龍拳〔めつ・しょうりゅうけん〕
  • UCII(『ストIV』版)
『ZERO3』におけるLv3専用スーパーコンボおよび『スパIV』におけるウルトラコンボ。
『ZERO3』版
踏み込みながらの肘打ち(正中二段突き)から、そのまま「昇龍拳」につなぐ。間合いが近いときの威力は低めだが、ヒット時の間合いが遠くなるごとに威力が上がり、最も遠い間合いでヒットさせると「真・昇龍拳」に派生して威力も大幅に上昇する。
また、この技で相手をKOした際の勝利ポーズがあり、相手に背を向けて佇むものとなる。
『スパIV』版
剛拳の「禁じ手・昇龍拳」と同一の挙動。根本クリーンヒット時は、ショートアッパーで相手の側腹部を撃ち上げ、浮かせた相手の下顎部に「昇龍拳」を逆の腕で即座に撃ち込み、殺意の波動で拳撃の質量を増幅させ強引に上空に吹き飛ばす。
クリーンヒット時は背景画面が白くなりBGMも無音となる演出がなされるが、それ以外では演出が発生せず、ヒットしても黒い波動を拳にまとった低威力の多段昇龍拳となる。
真空竜巻旋風脚〔しんくうたつまきせんぷうきゃく〕
『ZERO』から使用。体をひねって勢いをつけた後、周囲に衝撃波を発しつつ、しばらくの間その場で「竜巻旋風脚」を放ち続ける。
通常の「竜巻旋風脚」とは異なりその場から移動せず、相手キャラクターを巻き込むように連続ヒットしてダメージを与えるのが特徴。ただし、空中の相手に対しては相手を弾き飛ばしてしまい、威力が大幅に低下する。
後年では「真空竜巻」と略称で呼ばれることが多く、スーパーコンボではなく「竜巻旋風脚」のEX必殺技版(ゲージの消費量は少ないが、威力は劣る)として設定されていることも多い。
暴風竜巻旋風脚〔ぼうふうたつまきせんぷうきゃく〕
『ポケットファイター』での「真空竜巻旋風脚」。頭上に雨雲を呼び起こす。
烈風迅雷掌〔れっぷうじんらいしょう〕
『ポケットファイター』におけるマイティコンボの一つ。前進しながらジャブとボディブローの連撃を繰り出し、最後に真・昇龍拳を放つ。この「真・昇龍拳」は『ストIII』シリーズのものとは違い、アッパーと「昇龍拳」を放つ腕が逆になっている。また「昇龍拳」は青い電流を纏う。
真空みだれ打ち
『ストリートファイター ザ・ムービー』に登場。連続パンチから連続キックにつなぐ。
モードチェンジ
『MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES』のみの技。対応したボタンに応じて使用する技や道着の色をケンや豪鬼をベースとしたものへ切り替える。モードチェンジすると技の性質だけでなく、ハイパーコンボやヴァリアブルコンビネーションまで完全に別キャラクターのものに変化する。また、ゲージさえあれば何度でもチェンジできるほか、再発動することでリュウモードに戻ることも可能。現在の状態と同じモードへのコマンドは無効となる。
ゲームにケンと豪鬼がプレイヤーキャラとして登場しないために用意された技であり、彼らを使用できる後のシリーズ作品では削除されている。PlayStation版『MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES EXエディション』では、隠しキャラクターとして最初からケンモードや豪鬼モードで開始するバージョンも追加されている。
ケンモード
『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』のケンの技がベースで、道着の色は赤。一部の技には赤い炎の演出も追加される。
豪鬼モード
『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』の豪鬼の技がベースで、道着の色は黒。一部の技には紫の炎や電撃の演出が追加される。
キャラクターの配色は後述の「殺意の波動に目覚めたリュウ」と似ているが、構えや動作、性能は豪鬼に準じたものになる。なお「波動拳」などの必殺技に関しては、性能は変化しても技名に「豪」は付かない公式ガイドブックより。。
波動覚醒〔はどうかくせい〕
『UMvC3』にて使用。一定時間、青いオーラを全身に纏った状態になる。
この状態では体力が少しずつ減少していく代わりに機動力が大幅に上がり、さらに「真空波動拳」と「真空竜巻旋風脚」が「真」に強化される。
真・波動拳
「波動覚醒」中は真空波動拳のビームが画面端で反射するようになる。ただし、こちらは方向調整は不可。
真・竜巻旋風脚
同じく「波動覚醒」中の真空竜巻旋風脚は、巨大な竜巻と落雷を全画面にわたって巻き起こす「真・竜巻旋風脚」に強化される。

他キャラクターとの合体技

W真空波動拳〔ダブルしんくうはどうけん〕
『X-MEN VS. STREET FIGHTER』および『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』でのケンとのヴァリアブルコンビネーション。2人同時に真空波動拳を放つ(本来、ケンは真空波動拳を使わないが、この時だけ使用する)。また、『』ではケンとの複数技として「双龍波動拳〔そうりゅうはどうけん〕」を使用する。どちらも元は劇場版アニメ『ストリートファイターII MOVIE』のクライマックスで彼らが繰り出した「双竜波動拳〔ダブルはどうけん〕」。
双龍拳〔そうりゅうけん〕
『NAMCO x CAPCOM』でのケンとのMA攻撃。敵の前後から飛び込んでからの連撃の後、2人同時に昇龍拳を叩き込む。坂井孝行による前述の劇場版アニメのコミカライズ版では「双(ダブル)昇龍拳」が登場しており、双竜波動拳をベガに避けられた2人が最後のもう一撃として使用した。
『PROJECT X ZONE』でも複数技としてこの技を使用するが、演出が変更され、挟み込んで2人同時に行う波動拳、竜巻旋風脚、昇龍拳の連続技になっている。また、同作でのリュウはケンとのペアユニットになっているため、その他の使用技もすべてケンとの同時攻撃になっている(例として「滅・波動拳&神龍拳」など)。
正義と勇気の3プラトン
『NAMCO x CAPCOM』でのケン、島津英雄(『ジャスティス学園』シリーズのキャラクター)とのMA攻撃。2人の敵に対しリュウと英雄がそれぞれ飛び込み攻撃からの真・昇龍拳および島津流真実直拳を叩き込み、落下してきた敵を2人まとめてケンが神龍拳で追撃する。技名は『燃えろ!ジャスティス学園』における同名の3人合体技システムより。

また『EX3』では、ケンまたはさくらのパートナーにリュウがいた場合、該当キャラクターが発動する技としてリュウとのメテオタッグコンボ(合体技)が存在する。こちらはリュウ自身が発動する技ではないため詳細は省略する。

風の拳

中平正彦の漫画『RYU FINAL』にて登場した技である。同作ではリュウが長年追い続けてきた、「真の格闘家」への答えとして「一撃必殺の境地を越えた」究極の形をリュウが見出す展開で、この技が生まれる。

『RYU FINAL』作中の「風の拳」
強敵ダッドリーとの対決の最中、それまでとは違う境地に目覚めたリュウが初めて放った。リュウが求めていた「真の一撃必殺」の完成形としてあるこの技の極意は、破壊ではなく相手の戦意を削ぐことにある。その極意をもってリュウは、サガット、ケンら宿敵との決着を収め、そして豪鬼との宿縁に幕を下ろす。「殺意の波動」とは対極を成す形の技として、テーマに密接した存在として描かれた。
ダッドリーとの闘いで披露した「風の拳」は、彼のはなった「コークスクリュブロー」の拳の向きにあわせるため打ち込んだ拳の甲が内側に向くように捻られているのが特徴で、この型はセービングアタックで使われている。
ゲームでの「風の拳」
稼動・発売された対戦型格闘ゲームには登場していないが、開発中止となった『カプコンファイティングオールスターズ』ではこれに似た技「疾風の拳」があった。
『NAMCO x CAPCOM』や『PROJECT X ZONE』ではスキルとして「風の拳」が登場しているが、いずれも敵を直接攻撃する技ではない。
『ウルIV』のオメガエディションでは相手の攻撃を受け流す「葉流し」と相手に拳を向けずに気のみで反撃する「一心」で使用。

殺意の波動に目覚めたリュウ

殺意の波動に支配された状態のリュウ。「殺意リュウ」とも略される。黒の道着を身に着け、肌の色は浅黒い姿で表され、『NAMCO x CAPCOM』では普段の白い道着が、殺意の波動に目覚めると同時に黒に変色する演出がある。

基本的に「もしリュウが殺意の波動に目覚めたら?」という設定の、いわばif的な存在であるため、一部を除いてストーリー上でこの状態が正史になることはない。

初出は『ZERO2』の北米版『Street Fighter ALPHA2』(以下『ALPHA2』と表記)であり、同ゲームでのキャラクター名は「Evil Ryu」。ザンギエフやダルシムとともに裏性能の隠しキャラクターとして登場し、隠しコマンドを入力することで使用できた。この時点では単なるリュウのバージョン違いに過ぎず、各種メッセージやエンディングなどは通常のリュウと全く同じものだった。

『ALPHA2』のこのリュウの存在が知られたことで、「殺意の波動に目覚めたリュウを使いたい」という要望が国内のプレイヤーによりカプコンに寄せられ、『ZERO2 ALPHA』にて隠しキャラクターとして登場したという経緯がある。『ZERO2 ALPHA』全体の調整により、『ALPHA2』の同キャラクターよりも性能は低下している他、通常のリュウとは異なる独自の勝利メッセージや中間デモ、エンディングなどが追加された。同作の日本版の殺意リュウについては「Black Ryu」という英字表記が攻略本などで使われている。また、セガサターン移植版『ZERO2』では『ALPHA2』と同様のコマンドで「殺意の波動に目覚めたリュウ」が使用でき、こちらは『ALPHA2』に準じた性能で『ZERO2 ALPHA』と同様のメッセージおよびデモが搭載されている。『ZERO2 ALPHA』の移植版にあたるセガサターン・PlayStation版『ZERO2'』にも登場する。

『ZERO2 ALPHA』の殺意リュウにおける勝利メッセージの台詞は、波動に精神を囚われた状態と我に返った状態が半々で、後者では道を誤ったことへの後悔や力への恐れが見られるものとなっている。対CPU戦のボスは通常のリュウと同じく豪鬼であるが、殺意リュウの場合は意識が混濁した状態で師匠の敵である豪鬼を前にし、勝利後のエンディングシーンにおいて失踪するという結末になる。

続編の『ZERO3』のアーケード版では登場しないが、家庭用および『ZERO3↑』での追加キャラクターとして再び登場した。ここでは、精神は殺意の波動に引き寄せられ、殺意の波動とそれに目覚めた自分を肯定する様子が勝利メッセージ画面の台詞から伺えるものとなっている。同作の対CPU戦を殺意リュウでプレイした場合、ボスとして真・豪鬼が登場する。その戦いに勝利したエンディングシーンでは、殺意リュウ自身の台詞により豪鬼を「殺した」ことが語られ、殺意リュウは殺意の波動に完全に魅入られて第二の「拳を極めし者」へと変貌する(この時に「滅」の字を背負う演出がなされる)。以降のゲームの「殺意の波動に目覚めたリュウ」はいずれも完全に殺意の波動に呑まれた状態での登場であり、PlayStation版『ストリートファイターEX plus α』を除いてはゲームクリア後のエンディングシーンでは正気に戻ることなく失踪する。

『EX plus α』では辛うじて己の拳の間違いに気づき、格闘家として修行をやり直すことで、殺意の波動を克服しようとするリュウの姿が描かれている。また、『ZERO3↑↑』のイングリッドのストーリーではベガによって殺意の波動を引き出されたリュウが登場し、このリュウに勝利した場合、正気を取り戻すシーンが演出される。

『スパIV ARCADE EDITION』でも登場。本作では、頭髪は豪鬼のように赤黒く染まり毛が逆立ち、肌が褐色になり、黒くなった道着は袈裟懸けに破れている。また、胸部には背中まで突き抜けた巨大な穴状の傷(背中側は6方向に裂けている)が存在する。眼が赤く光り、全身から常時炎のような気が放たれている。リュウの記憶は遺すものの精神は喪失し、従来作以上に強者への殺人衝動が強くなっている。『ウルIV オメガエディション』では新たに技が追加され、豪鬼のように重い闘い方ではなく、とにかく荒々しい闘い方が目立つ。

『ウルトラストリートファイターII』では後のシリーズから逆輸入される形で登場。アーケードモードには出現しないが、バディファイトの二戦目の相手として登場。BGMを『ニュージェネレーション』に設定している場合は新たに作曲された専用BGMが流れる。ボイスはクラシック、ニューともにリュウのボイスを加工した物が使用されている。エンディングでは、『ZERO2 ALPHA』などと同じく、正気に戻ることなく失踪する。

『スパIV ARCADE EDITION』で殺意の波動に目覚めたリュウのデザインが変更されたことに関して、アシスタントプロデューサーである綾野智章は「ユーザーの反応を知るのが怖かった」と語っている。

『』ではダウンロードコスチュームとして登場するが、『ストIV』に加え体毛の白化が加わっている。

ゲーム上の特徴(殺意リュウ)

殺意の波動に目覚めたリュウは、必殺技の性能が通常のリュウとは異なり全体的に豪鬼に近い性能となっている。

通常のリュウの技はそのままに、移動技「阿修羅閃空」や、スーパーコンボ「滅殺豪昇龍」、「瞬獄殺」が追加されている。必殺技も豪鬼同様、弱以外の「昇龍拳」や「竜巻旋風脚」は複数ヒットする。しかし「竜巻旋風脚」の動作速度は通常のリュウと同じであるため、豪鬼と同じ連続技を決めることができない場合が多い。

『ZERO2 ALPHA』と『ZERO3』における「瞬獄殺」は移動を始めるまでが豪鬼よりも一瞬遅い。だが『ALPHA2』およびサターン版『ZERO2』での「波動拳」は目前の相手にヒットさせれば弱であっても「灼熱波動拳」となりダウンさせることが可能で、豪鬼のものよりも性能が高い。また、豪鬼の特性を受け継いでおり、他のキャラクターと比べて気絶しやすいという弱点もある。

『スパIV AE』では新技が追加され、阿修羅閃空が弱体化したが瞬獄殺が大幅に強化されている。

特定の条件を満たすとセスの後に乱入する。乱入した殺意リュウは「阿修羅閃空」発動直後から移動中に他のあらゆる攻撃(必殺技、通常技、通常投げ)にキャンセルすることができるなど通常版より非常に強力になっている。

『ウルII』ではリュウと比較して性能が上がった代わりに体力が低下している。また、距離を問わずに常に遠距離用の通常技が出るという特徴があり、キーを後ろに入れることで近距離用の通常技を繰り出せる。スーパーコンボは「瞬獄殺」。

特殊技(殺意リュウ)

鎖骨割り〔さこつわり〕
リュウのものと同じ。
正中二段突き〔せいちゅうにだんづき〕
リュウのものと同じで、『ZERO3』のZ-ISM以外で実装。
頭蓋破殺〔ずがいはさつ〕
その場で手刀を打ち下ろす、しゃがみガード不能技。豪鬼のものと同じ。『スパIV AE』にて実装。
臓抜き(ぞうぬき)
1歩退き下がり力を溜めてから渾身のストレートフックを放つ。「オメガエディション」で追加。最大まで溜めると3ヒットし、飛び道具を打ち消すことができる。
旋風脚〔せんぷうきゃく〕
リュウのものと同じ動作だが硬直が長い。
旋武脚〔せんぶきゃく〕
ローリングソバットに似た技。『スパIV AE』以降は竜巻旋風脚に繋げられる。
天魔空刃脚〔てんまくうじんきゃく〕
前方ジャンプからのみ出せる急降下蹴りで、豪鬼のものと同様の技。
『CvS』シリーズの他、『ハイパーストリートファイターZERO』の赤S-ISMで使用できる。
なお『スパIV AE』版以降では「百鬼豪刃」の動作で脚を対地50°に構え対地60°の蹴り(豪鬼は対地45°)を繰り出す。

ターゲットコンボ(殺意リュウ)

ボディーブロー → 鬼哭突き〔きこくつき〕(近距離立ち中パンチ → 遠距離立ち強パンチ)
『CvS2』で追加された。『ストIII』シリーズでの豪鬼の同技と同じ。『スパIVAE』では、遠距離立ち中パンチの正拳突きからも発動できる。
『ウルIV』オメガエディションでは遠距離中パンチからで、「鬼哭突き」が2ヒットになる。
ボディブロー → 顎砕き(近距離立ち中パンチ → 近距離立ち強パンチ)
『ウルIV』オメガエディションで追加された浮かせ技。

必殺技(殺意リュウ)

波動拳
豪鬼のものよりも黒ずんだ紫色の気弾を放つ。『スパIVAE』では中キックがヒットすると必ず波動拳に繋げられる。
昇龍拳
性能やヒット数などはリュウのものとほぼ同じ。EX版は3ヒット。
オメガエディションでのEX版は最初に背を向け掌底アッパーを繰り出し、3ヒットの昇龍拳を放つ。昇龍拳は波動を持った掌を掲げながら行うもので、1ヒットごとに殺意の波動が炸裂する。
灼熱波動拳
『スパIV AE』ではコマンドと動作内容が豪鬼と同一になっている。ヒット数も豪鬼のように弱パンチで出せば1ヒット、中パンチで出せば2ヒット、強パンチで出せば3ヒットする。
竜爪脚〔りゅうそうきゃく〕
片足を高く掲げた後、踵落としをしながら地を踏み鳴らす。技の発生は遅い。EX版は中段属性になり、相手はダウンする。
竜咬砕〔りゅうこうさい〕
『ウルIV』オメガエディションでEX版に追加された、上位互換のEX版。3ヒット竜爪脚の後に前傾姿勢の威嚇で地を踏鳴らし波動を吹上げ、追撃する。
斬空波動拳〔ざんくうはどうけん〕
豪鬼のものと同様、空中から地上に向けて片手で「波動拳」を放つ。『ストリートファイターZERO ファイターズ ジェネレーション』での『ハイパーストリートファイターZERO』の赤S-ISM限定。弱中強の順に気弾のスピードが上がる一方、それにつれて射程距離は短くなる。技の発生は『ZERO2』以降の豪鬼のものより速く気弾の見た目も大きいが、実際の気弾の当たり判定は小さい(地上版も含む)うえ、射出後の硬直時間が長い。『スパIVAE』では使われていない。
落陽波動拳〔らくようはどうけん〕
「斬空波動拳」の変形版で、滅殺の構えから「顎砕き」の挙動で波動拳を真上に放つ。
画面上端に達した気弾は此処で初めて攻撃判定を伴い斜め前方に落下するため、発生が非常に遅い。
阿修羅閃空〔あしゅらせんくう〕
豪鬼と同一の移動技だが、『ZERO2 ALPHA』では技後の硬直時間が豪鬼よりもわずかに長い。
『EX』シリーズでは腕の構え方や移動の軌道が他のシリーズと異なり、残像を残さない。
『IV』シリーズのプレイヤー版の移動距離は豪鬼の半分、従来作の1/4に低下している(ボス版は従来通り)。
羅刹哮〔らせつこう〕
瞬獄殺の下位互換の技。『IV』以前の「瞬獄殺」の挙動で襲撃し、「竜咬砕」同様の前傾姿勢の威嚇で弾き飛ばす移動投げ。
発生は非常に速いが移動距離は短く、技後の隙も大きい。

スーパーコンボ / ウルトラコンボ

真空波動拳〔しんくうはどうけん〕
通常のリュウの使うものと性能は同じであるが色は変化している。『CvS』シリーズ以降はコマンドが豪鬼の「滅殺豪波動」(逆ヨガフレイム×2)に変更されている。
真空竜巻旋風脚〔しんくうたつまきせんぷうきゃく〕
こちらも通常のリュウの使うものと性能は全く同じであるが、『CvS』シリーズ以降は使われていない。『EX』シリーズでは空中でも発動できる。
滅殺豪昇龍〔めっさつごうしょうりゅう〕
豪鬼の同名技に準じており、殺意リュウの使う技では唯一豪鬼と同じく「豪」の文字が入っている。
『ZERO2 ALPHA』や『ストZERO3』では「昇龍拳」を2〜3連発で繰り出す、豪鬼のものと同様の技。ヒット数は最大で2+2+3の計7ヒットである。
『スパIV AE』ではウルトラコンボ・IIとして使用される。通常時が2+3+5の計10ヒット、特殊演出時は2+3+4+5の14ヒットであり、威力は「滅・昇龍拳」と同一だがそのほとんどが最後の4ヒットに集約されている(最後の4ヒットで体力の5割以上を奪う)。3回目の昇龍拳の根本部分ヒットすると相手の腹部に拳を打ち込みそのまま波動を炸裂させながら打ち上げ飛び上がり、拳を開いて掌に黒いオーラを集め、打ち上げた相手目掛けて急降下、側頭部に拳を叩きこみ、そのまま地面に叩きつける。側頭部を地面に叩きつけた後、さらに拳を押し込み殺意の波動を打ち付け爆発させる。
瞬獄殺〔しゅんごくさつ〕
LV3専用スーパーコンボ(またはメテオコンボ)。これも豪鬼のものとほぼ同様である。
『ZERO』シリーズではコマンド完成後の移動が豪鬼よりも一瞬遅い。
『ZERO3』では相手キャラクターを掴むのに失敗するとわずかの硬直時間が発生する。また技のヒット数は豪鬼の15ヒットに対してこちらは12ヒットであるなど性能が劣っている。
『CVS』以降では、この技でとどめを刺すと「滅」の文字をバックにした専用演出となる(『ZERO』シリーズおよび『EX』シリーズは豪鬼と同じ「天」)。技後に取るポーズは『ZERO2』、『ALPHA2』、『ZERO2 ALPHA』と『EX』シリーズでは正面向きで腕を組むが、『ZERO3』以降では豪鬼と同じく背中を向けるものとなっている。
『IV 』シリーズで大幅に強化され、豪鬼と狂オシキ鬼の突進距離が「阿修羅閃空」に準拠し前者が2キャラ分弱、後者が2キャラ分に対し、4キャラ分弱と優れており、突進時の動作も「真・瞬獄殺」そのままである。
電刃波動拳〔でんじんはどうけん〕
『EX3』でのメテオコンボ。詳細は前述の通り。
滅・波動拳〔めつ・はどうけん〕
『CvS2』ではLv3専用スーパーコンボ。
「電刃波動拳」と同様にガード不能(ただしブロッキングは可)で、ヒットすれば気絶値の高い5ヒットの「波動拳」を放つ。
気絶値は高いが威力は真空波動拳より低く、暗転解除後に気を溜める動作(所要時間は50フレームで、ボタン連打などによる溜め時間短縮も不可能)があるために気弾を放つのが極端に遅い。
『スパIV AE』では、8ヒットの気弾を放つ。電刃波動拳と同様に溜めることができるが、ボタン連打などで溜め時間を短縮することは不可能であり、気弾の威力は最大の溜めでのみわずかに増す。ただし至近距離でそれをヒットさせることで威力は激増、アップで波動が炸裂する演出が生じる。
龍哭波動拳〔りゅうこくはどうけん〕
『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』での隠し超必殺技。『MARVEL VS.』シリーズの「真空波動拳」と同様の太いビーム状の波動拳を撃つ。攻撃の発生は早く、画面端まで瞬時に届く。ほとんどの飛び道具(同LVのスーパーコンボ/超必殺技を含む)をかき消すうえ、発動から発射中まで継続してリュウ本体に飛び道具に対する無敵時間があり、削りダメージも大きくガードされても反撃をほぼ受けない強力な技。

アスラズ ラースでの技

カプコンのゲーム『アスラズ ラース』のダウンロードコンテンツでリュウで登場し、殺意の波動に目覚めたリュウとしても戦う。殺意の波動に目覚めたリュウ時は『アスラズラース』のシステムで戦うこととなり、その際必殺技の多くの性能が大幅に変更されている。ここでは『スパIV』との技の違いおよび、『アスラズ ラース』の主人公アスラの技に対する動作を記述する。

鬼哭突き(遠距離強パンチ)
顎砕き(近距離強パンチ)→竜爪脚→しゃがみ中パンチのコンボの時に発動する演出で、本技と同時にアスラが拳を放ちクロスカウンター状態となり、互いに離れると今度は頭突きを繰り出し、最後に渾身の頭突きを互いに放つ。
セービングアタック
攻撃時の踏込みが非常に長く、突進技のような挙動。ヒットすると鬼哭突きのコンボを始める。
天魔空刃脚〔てんまくうじんきゃく〕
原作と異なり吹っ飛ばされた後にも使用し、降下速度は著しく速い。
波動拳〔はどうけん〕
弾速が非常に高速になっている。
灼熱波動拳〔しゃくねつはどうけん〕
発生が速い2ヒットで、性能はリュウのものと同じ。
竜巻旋風脚〔たつまきせんぷうきゃく〕
基本的にEX版を発動する。殺意リュウがダウンして起き上がる際にアスラが近くにいると発動する。多段ヒットはしないが風圧によって範囲が非常に広くなり、ダメージが大きい。
竜爪脚〔りゅうそうきゃく〕
単発で出すことはなく、セービングアタック→顎砕き→竜爪脚→しゃがみ中パンチ→立ち強パンチ→昇龍拳のコンボで発動する。
瞬獄殺〔しゅんごくさつ〕
フィニッシュ時に発動する。アスラが殺意リュウに向かって走り出すと殺意リュウが瞬獄殺の構えでアスラに近づき、瞬獄殺の暗転、炎と殺意の波動の衝撃波のぶつかり合いの中の2人の殴り合いが始まる。アスラが負けるとリュウが「滅」の文字と共にKOし、アスラが勝つと、リュウが「滅」の文字を背負う横で「怒」の文字をアスラが背負う演出が起きる。
滅・波動拳〔めつ・はどうけん〕
アスラが地上でラピッドシュートを撃ち続けていると殺意リュウが強制的に発動。
太いビーム状の波動拳となっており、龍哭波動拳〔りゅうこくはどうけん〕に性能が近い。発生してからは避けることができない。
滅殺豪昇龍〔めっさつごうしょうりゅう〕
原作よりも演出が派手になり、地形変動を起こすほどの力で地面に叩きつけ、最後にアスラを蹴り飛ばす。

瞬獄殺での相打ちになるとバトルが終了し、殺意リュウはリュウの姿に戻る。その際、貫かれた胸の傷や黒い道着、焦げたハチマキなども元に戻る。

影ナル者

リュウから乖離した「殺意の波動」の化身。「殺意の波動に目覚めたリュウ」とは違い、殺意の波動の化身という思念体のような形で登場。姿形はリュウそのもので服装は道着を上半身だけ脱いだ状態。肉体の一部からオーラのような光が漏れ出し、また頭部には鬼の角のようなものが付いている。目は豪鬼などと同じように白目の部分は黒く、黒目の部分は赤い。

殺意の波動に目覚めたリュウに比べると破壊衝動よりも殺人衝動が強い。

ゼネラルストーリーで己が有する殺意の波動の「力」を「自身の力の一部」とリュウが受容したことで、リュウの心身の支配を求めていた殺意の波動の「精神」が乖離して自我を持ちリュウの姿で強者との死合いを求め彷徨い始める。その後、同じく殺意の波動を秘めるサガットや豪鬼の所に現れ力を受け入れるよう促すも、サガットには「確かな強さだが、お前では帝王の心は砕けない」と一蹴され、「魂なき影法師風情」と断じた豪鬼には「真の一撃は肉のみにて練るに非ず、殺意のまま突くに非ず」と言われ、新たな奥義「崩天正拳撃」で打ち消された。

秘める殺意の波動を受け入れたリュウ本人からは「在りたければ在るがいい」「去りたければ去るがいい」と言われ、リュウの「ありのままの自分を受け入れる」という考え方を理解できずに消滅した。

ゲーム上の特徴(影ナル者)

影ナル者はリュウや豪鬼、殺意リュウとも違う独自の性能を持つ。体力の低さに加え「波動拳」が飛ばないため遠距離戦は難しく、「竜巻旋風脚」が「空靂刃」に置き換えられる、「阿修羅閃空」はVトリガー[I]発動時限定、強襲用の禊と瞬獄殺はVトリガー[II]発動時限定と、相手に接近するための手段が限られているため、よりプレイヤーの工夫が必要になっている。

Vシステム(影ナル者)

穿波活殺〔せんはかっさつ〕 [VスキルI]
構えた後に大きく踏み込みながら、斜め下から叩きつけるような拳打を放つ。
ボタンホールドで威力が上昇するほか、構え動作中は1回限りのアーマー判定がある。
Vトリガー[I]発動中は突進距離と移動速度が上昇し、モーションも通常とは逆の手での直突きに変化する。最大ホールドで相手を膝崩れダウンさせられる。
赤影拳〔せきえいけん〕 [VスキルII]
小さく前方に飛び上がり、上から拳を振り下ろす。豪鬼の「赤星拳」や狂オシキ鬼の「赤星地雷拳」に似た技。
Vトリガー[I]発動中は、垂直に飛び上がってから大きく前方に飛び込んで拳を叩きつける技に変化。ヒット後は追撃が可能。またEX版の「空中波動拳」、「空靂刃」、「空中空靂刃」をキャンセルして出すこともできる。
大逆無道〔たいぎゃくむどう〕 [VトリガーI]
「阿修羅閃空」が使用可能になるほか、Vスキルの性能が強化される。
六道鏖殺〔りくどうおうさつ〕 [VトリガーII]
「禊」と「瞬獄殺」が使用可能になる。
旋武撃〔せんぶげき〕 [Vリバーサル]
大振りのストレートフックで反撃する。
夜叉突き〔やしゃづき〕 [Vシフトブレイク]

通常投げ(影ナル者)

背負い投げ
相手の胸倉を掴むと、担がずにそのまま持ち上げて地面に叩き落とす。
巴投げ
相手の胸倉を掴み、後ろに倒れ込みながら投げ飛ばす。

特殊技(影ナル者)

頭蓋破殺
大きく踏み出し手刀を打ち下ろす、しゃがみガード不能技。
豪鬼たちとは挙動が表裏反転している他、1ヒットのみで踏み込む距離が大きい。
天魔空刃脚
前方ジャンプからのみ出せる「百鬼豪刃」に似た急降下蹴り。
鬼哭突き〔きこくづき〕
踏み込みながら突きを繰り出す。従来の遠距離立ち強パンチが特殊技に昇格したもの。
鬼哭裂斬〔きこくれつざん〕
「鬼哭突き」から立ち強キックに繋げるターゲットコンボ。
赤影豪斬拳〔せきえいごうざんけん〕
Vスキル[II]選択時のみ使用可能。鬼哭裂斬から赤影拳に繋げるターゲットコンボ。通常版は鬼哭裂斬のヒット時のみ発動できる。

必殺技(影ナル者)

波動拳
気弾は飛ばさず、片手で目の前に気を噴出させる。EX版は僅かな距離に気弾を飛ばすためリーチが増し、ヒットすると相手を膝崩れダウンさせる。
空中波動拳〔くうちゅうはどうけん〕
豪鬼の「斬空波動拳」と挙動は同じに、真横に波動拳を放つ。前方ジャンプ中しか発動できず射程は短いが、EX版は気弾が消えない。
昇龍拳
通常とは逆の腕でアッパーカットを繰り出す。性能は豪鬼と同じで、ボタンの強弱によってヒット数が変わる。
EX版は「滅殺豪昇龍」となり、豪鬼が両腕で3+3ヒットに対し影ナル者は2+4ヒットとなっている。
灼熱波動拳
殺意リュウや豪鬼と同じ性能を持つ、多段ヒットの飛び道具。震脚を踏みつつ両腕に炎の気を溜め、前方に放つ。
空靂刃〔くうれきじん〕
「旋武脚」の発展版。前方に小さく外回しで跳躍し、頂点で素早く脚を真横に振り抜き降下・着地する。
ボタンの強弱に問わず1ヒットだが、ヒットすれば「昇龍拳」で追撃ができる。
EX版は相手を高く吹き飛ばすため、「昇龍拳」以外の必殺技でも追撃ができる。
空中空靂刃〔くうちゅうくうれきじん〕
放物線を描くように下降しながら脚を振り抜く。
「空靂刃」の空中版だが、性能は「空中竜巻旋風脚」に近い。EX版はヒットさせると相手が壁で跳ね返るため追撃ができる。
竜爪脚
殺意リュウのものと挙動は同じ。片足を高く掲げた後、踵落としをしながら地を踏み鳴らす。技の発生は遅い。
EX版は裏構え挙動の中段属性になり、相手はダウンする。
阿修羅閃空
Vトリガー[I]発動中に使用可能な移動技で、オリジナルと異なり最初の構えと長距離版が無い。
必殺技を含めたほとんどの技からキャンセルして出せるほか、空中でも使用可能。
禊〔みそぎ〕
Vトリガー[II]発動中に使用可能。真上に飛び上がり、相手の位置に真上から急降下しながら手刀を振り下ろして攻撃する。
必殺技を含めたほとんどの技からキャンセルして出せる。キャンセル時に限り空中でも発動可能。

クリティカルアーツ(影ナル者)

滅・昇龍拳〔めつ・しょうりゅうけん〕
相手の顎に強烈なアッパーの一撃を叩き込み、続けて鳩尾に膝蹴りを打ち込み、そのまま飛び上がって相手を吹き飛ばす。その際、背景が赤く染まり黒いシルエットの状態になる。
瞬獄殺
Vトリガー[II]発動中に使用可能。コンボ中でも成立する性能だが、突進距離は豪鬼よりも僅かに短い。
豪鬼のものと同じく攻撃の様子が映し出されるが、後半は背景が赤く染まりシルエットの状態で豪鬼よりも遥かに速く、肘鉄なども交えた荒々しい連撃を叩き込む。

三種の神器

『ストI』から全作を通じて使われている「波動拳」(はどうけん)、「昇龍拳」(しょうりゅうけん)、「竜巻旋風脚」(たつまきせんぷうきゃく)の3つの技は、一部で「三種の神器」と呼ばれるようになった。このことから、他の格闘ゲームの必殺技コマンド入力を確認・説明する場合などに「波動コマンド」「昇龍コマンド」というように使われている。

この3つの技を考案したのは西山隆志であり、西山によるとパンチとキックだけではゲームとしてのダイナミックさに欠け、より奥深い駆け引きを実現するにあたってできることを考えたときに必殺技のアイデアが生まれたという。「昇龍拳」が無敵技となったのは『ストI』のプランナーである松本裕司によるアイデア。

『ロックマンX』シリーズにも隠し要素などに採用されており、特に「波動拳」「昇龍拳」は複数のキャラクターが使用する。『デビルメイクライ』シリーズにも「昇龍拳」「竜巻旋風脚」をモデルにした攻撃アクションが存在している。

また、各雑誌に掲載されているコラムや漫画などでも、ツッコミなどで「昇龍拳」が使われることがあり、ゲーム業界以外にも影響を与えている。お笑い芸人の猫ひろしは「昇龍拳」を自らのギャグとして使用している。

声優

登場作品

リュウ

ゲーム

  • 対戦型格闘ゲーム
    • 『ストリートファイター』
    • 『ストリートファイターII』シリーズ
    • 『ストリートファイターZERO』シリーズ
    • 『ストリートファイターIII』シリーズ
    • 『ストリートファイターEX』シリーズ
    • 『ストリートファイターIV』シリーズ
    • 『ストリートファイターV』
    • 『ストリートファイター X 鉄拳』
    • 『ポケットファイター』
    • 『VS.シリーズ』
    • 『CAPCOM FIGHTING Jam』
    • 『スターグラディエイター2 -NIGHTMARE OF BILSTEIN-』(ガンテツのエンディングの背景に登場)
    • 『私立ジャスティス学園 LEGION OF HEROES』(さくらのエンディングの背景にさくらが思い浮かべた人物として登場)
  • 対戦型格闘ゲーム以外
    • 『スーパーパズルファイターIIX』(落ち物パズル)
    • 『アドベンチャークイズ カプコンワールド』2(クイズゲーム)
    • 『拳聖土竜』(モグラ叩き)
    • 『アスラズ ラース』
    • 『鬼武者Soul』
    • 『ストリートファイター×オールカプコン』
    • 『Street Fighter X Mega Man』
  • カプコン以外の他社製作ゲーム
    • 『対戦ネットギミック カプコン&彩京オールスターズ(麻雀)
    • 『SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ』シリーズ(カードゲーム、トレーディングカードゲーム)
    • 『パワーレンジャーレガシーウォーズ』
    • 『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』
    • 『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』
    • 『NAMCO x CAPCOM』(シミュレーションRPG)
    • 『PROJECT X ZONE』シリーズ(シミュレーションRPG)
    • 『FEVER4 SANKYO公式パチンコシミュレーション』(パチンコ)
    • 『TYPING FIGHTERII』(タイピングゲーム)
    • 『TYPINGFIGHTERII Plus』
    • 『ストリートファイター オンライン マウスジェネレーション』
    • 『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』
    • 『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』
    • 『モンスターストライク』Vジャンプ、2015年9月号『モンスターストライク×ウルトラストリートファイターIV 開催期間2015年7月17日〜2015年7月31日』P210 - 211。※プレミアムガチャによる登場
    • 『グランブルーファンタジー』
    • 『ヴァルキリーコネクト』
    • 『#コンパス 【戦闘摂理解析システム】』
    • 『TEPPEN』
    • 『フォートナイト』

漫画

  • 『ストリートファイターII-RYU』 神崎将臣
  • 『SUPER STREET FIGHTHRII X 外伝』 伊藤真美
  • 『ストリートファイターZERO』 中平正彦著
  • 『さくらがんばる!』 中平正彦著
  • 『RYU FINAL』 中平正彦著
  • 『ケンガンアシュラ』 原作:サンドロビッチ・ヤバ子、作画:だろめおん

ドラマCD

  • ストリートファイターII 春麗飛翔伝説
  • ストリートファイターII 復讐の戦士
  • ストリートファイターII -魔人の肖像-
  • ストリートファイターZERO 外伝 〜春麗旅立ちの章〜
  • ストリートファイターZERO3 ドラマアルバム
  • ストリートファイターEX ドラマCD
  • ストリートファイターEX2 ドラマCD

殺意の波動に目覚めたリュウ(登場作品)

ゲーム
  • 『ストリートファイターZERO』シリーズ
:** 欧米版『Street Fighter ALPHA2』、および『ストリートファイターZERO2 ALPHA』以降 :* 『ストリートファイターEX』シリーズ :** 『ストリートファイターEX PLUS』 :** 『ストリートファイターEX3』 :* 『ストリートファイターIV』シリーズ :** 『スーパーストリートファイターIV ARCADE EDITION』 :** 『ウルトラストリートファイターIV』 :* 『ウルトラストリートファイターII』 :* 『CAPCOM VS. SNK』シリーズ :* 『アスラズ ラース』 :* カプコン以外の他社製作ゲーム :** 『SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ』シリーズ :** 『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』 :** 『NAMCO x CAPCOM』 :**『モンスターストライク』(分岐神化時に出現) :**『ヴァルキリーコネクト』 :**『TEPPEN』
漫画
  • 『ストリートファイターZERO』 - 中平正彦著

その他

B-BOYコスチューム リュウ
『Red Bull BC One World Final 2016(レッドブル・ビーシー・ワン・ワールド・ファイナル2016)』でのキャンペーン専用DLコスチュームで、『ストV』の公式サイト「シャドルー格闘家研究所」の「キャラ図鑑」にて個人プロフィールが紹介されたキャラ図鑑番外編:B-BOYコスチューム リュウ|キャラ図鑑|活動報告書|CAPCOM:シャドルー格闘家研究所 2016年11月10日閲覧。。
銅像・ご当地ナンバー
橿原市の大和八木駅前広場に銅像がある「ストリートファイター」銅像で世界のファンお出迎え 奈良・橿原橿原市と「ストリートファイター」シリーズが包括連携協定を締結!
橿原市は令和5年からご当地ナンバーにリュウを採用している「波動拳」ご当地ナンバー、ストⅡ世代に「刺さる」 最高倍率は6倍

注釈

出典

参考文献

  • 『映画ストリートファイターII メモリアル公式ファンブック』小学館
  • 『ストリートファイターIII ファンブック』新声社〈ゲーメストムック〉
  • 『ALL ABOUT カプコン対戦格闘ゲーム 1987-2000』電波新聞社

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/03/28 08:20 UTC (変更履歴
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