室井摩耶子 : ウィキペディア(Wikipedia)

室井 摩耶子(むろい まやこ、1921年4月18日 - )は、日本のピアニスト。2023年現在、102歳でなお現役の日本最高齢ピアニストである。

略歴

東京府(現・東京都)に生まれる。成城小学校に入学した6歳からピアノを始め、小学4年次から高折宮次に師事。1941年、東京音楽学校(現・東京芸術大学音楽学部)を首席で卒業。同校研究科へ進み、レオニード・クロイツァー教授に師事、1943年に修了。

1945年1月、日比谷公会堂での日本交響楽団(NHK交響楽団の前身)の演奏会でソリストを務めてデビュー。終戦後、本格的にリサイタル活動を開始。エリック・サティやデュカスなど多くの作品を日本初演した。

1955年、映画『ここに泉あり』にピアニスト役(実名)で出演した。

1956年、モーツァルト「生誕200年記念祭」に日本代表としてウィーンへ派遣された。同年、第1回ドイツ政府給費留学生に推挙され、ベルリン音楽大学へ留学。ベルリンを拠点に、ハウザー教授、ヘルムート・ロロフ教授、ヴィルヘルム・ケンプ教授に師事し研鑽を積んだ。

1960年、ケンプ教授の推薦でベートーヴェンの曲を4つ並べたリサイタルをベルリンで開催。以降、海外13カ国で演奏を重ね、1964年にはドイツで出版された『世界150人のピアニスト』で紹介された。

1980年に帰国した後も日本を代表するピアニストとして活躍。80歳を超えてもオーケストラとの共演を続け、2002年に東京フィルハーモニー交響楽団(東京オペラシティ)、2006年10月に神奈川フィルハーモニー管弦楽団(神奈川県立音楽堂)の演奏会に出演した。

2006年~2011年にCDをリリース、「レコード芸術」《特選・準特選》や「音楽現代」《推薦盤》となった。

2012年7月、長年にわたり音楽文化の発展に貢献した功績により「第22回新日鉄音楽賞《特別賞》」(新日鉄文化財団)を受賞。

2012年、90歳の時のインタビューで、1日4時間、演奏会の前は1日8時間の練習を一日も欠かさず続けてきたこと、パソコンを駆使してブログを自ら更新していることを語った。

2019年3月18日、「平成30年度文化庁長官表彰」を受けた。

2021年4月7日、日経ホールにて100歳を記念した「第509回日経ミューズサロン 室井摩耶子百寿記念スペシャル・コンサート」を開催する。同年10月1日、名誉都民に選定された、2021年10月29日閲覧。。

ディスコグラフィ

  • ベートーベン三大ソナタ集 「悲愴」「月光」「熱情」レコード番号 MS-1009-N 日本コロムビア 1971
  • 「室井摩耶子シューベルトを弾く」FANTASY Adam: ACD-0043
  • 室井摩耶子 《月光の曲》ライヴ CD番号ZMM0601
  • 《室井摩耶子/モーツァルト生誕250周年ライヴ》“音楽から立ち昇るモーツァルトの慟哭”CD番号 ZMM0610
  • 室井摩耶子/モーツァルト:魂の《アダージョ》モーツァルトの、魂の叫びの伝道者 CD番号 ZMM0706
  • 《壮大な音の殿堂“バッハの真髄”室井摩耶子》 CD番号 ZMM0811
  • 室井摩耶子《米寿記念コンサートライブ》CD番号 ZMM0909
  • 室井摩耶子 演奏の秘密 CD番号 ZMM1009-10
  • 室井摩耶子 演奏の秘密 II ~円熟の精華! CD番号 ZMM1111
  • 東京フィルハーモニー交響楽団 オペラシティ「午後のコンサート」シリーズ第13回「マエストロと師匠」SOL‐020602S

書籍

著書

  • 『ピアニストへの道』音楽之友社、1971年 ISBN 4276213819
  • 『ママ、僕ピアノ嫌い!』芸術現代社、1975年
  • 『ひびきを求めて 〜ピアニストからのメッセージ』音楽之友社、1985年 ISBN 4276370450
  • 『チェルニーってつまらないの? 「チェルニー30番」から何を読みとるか』音楽之友社、2002年ISBN 4276143225
  • 『明日をもっと素敵にする心の持ち方 ハッピーパワー全開!92歳生涯現役ピアニスト』マガジンハウス、2013年
  • 『わがままだって、いいじゃない 92歳のピアニスト「今日」を生きる』小学館、2013年
  • 『毎日、続ける - 97歳現役ピアニストの心豊かに暮らす習慣』河出書房新社、2018年

関連書籍

  • 『室井摩耶子 百一歳のピアニスト』矢島多美、音楽之友社、2022年

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/11/18 22:29 UTC (変更履歴
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