人は、離ればなれになった恋人をいつまでも想い続けることができるのだろうか? 携帯電話やメール、インターネットのテクノロジーが世界の距離を縮めている現代でありながら、心をつなぐ手段がたったひとつ"手紙"しかなかったとしても、私たちは相手を信じて愛する気持ちを、ずっと持ち続けることができるのだろうか。

 「親愛なるきみへ」は、初めての出会いでまたたく間に恋に落ちた、アメリカ軍の特殊部隊員ジョンと女子学生サヴァナという一組の男女が、遠く離れながらも愛を育み、やがて大きな試練に向き合っていく姿を優しく見つめたラブ・ストーリーである。特殊任務を帯び戦地へと赴くジョンとサヴァナをつなぐのが、まさにその"手紙"。絶え間ない手紙のやり取りのなかで、2人は共に生きていくことを固く誓い合っていくのだ。

 しかし、世界には9・11の暗雲が立ちこめ、イラクからアフガンに至る対テロ戦争という現実が、2人の運命に大きな影を落としていく。サヴァナとの未来を想いながらも、苦悩の末に任期の延長を申し出るジョン。果たして、2人は互いを想い合う気持ちを成就させることができるのだろうか……。

 愛し合いながらも、離ればなれになってしまう恋人たちを見つめつつ、本作はジョンと自閉症の傾向を持つ父親との複雑な親子関係にも目を向ける。愛し合う男女、そして反発しながらも思いやり合う親と子。「親愛なるきみへ」は、2つの "絆"を真摯に描く、珠玉のラブ・ストーリーなのだ。