第88回アカデミー賞(2016年) 全部門ノミネート・その他の賞

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第88回アカデミー賞 全部門ノミネート

助演男優賞

クリスチャン・ベール マネー・ショート 華麗なる大逆転

クリスチャン・ベール

父親は金融アドバイザー、母親はダンサー。姉の影響で子役として演技を学び、1987年にスティーブン・スピルバーグ監督の「太陽の帝国」でスクリーンデビュー。その後、しばらくは役に恵まれなかったが、地道に映画に出演し続け、96年のジェーン・カンピオン監督作「ある貴婦人の肖像」で再び注目を集め、「アメリカン・サイコ」(00)で俳優として成長したところを見せつけた。その後、クリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」3部作(05~12)のブルース・ウェイン/バットマン、「ターミネーター4」(09)のジョン・コナーと人気シリーズの顔を務める。薬物に依存する天才ボクサーを演じるため13キロ減量し、歯並びまで変えて臨んだ「ザ・ファイター」(10)でアカデミー助演男優賞を初ノミネートで受賞した他、ゴールデングローブ賞なども総なめにする。同作のデビッド・O・ラッセル監督と再び組んだ「アメリカン・ハッスル」(13)でアカデミー賞やゴールデングローブ賞コメディ/ミュージカル部門の主演男優賞にノミネート、「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(15)でもアカデミー賞をはじめゴールデングローブ賞などで助演男優賞の候補となった。

トム・ハーディ レヴェナント 蘇えりし者

トム・ハーディ

英ロンドン・ドラマ・センターで演技を学び、2001年にTVドラマ「バンド・オブ・ブラザース」で俳優デビュー、リドリー・スコット監督作「ブラックホーク・ダウン」にも出演する。以降、映画「ネメシス S.T.X」(02)、「dot the i」(03)、「レイヤーケーキ」(04)などに出演し、英国で最も有名な犯罪者と言われるマイケル・ピーターソンの生き様を描いた「ブロンソン」(08)で英国インディペンデント・フィルム・アワードの主演男優賞を受賞するなど高く評価される。

クリストファー・ノーラン監督の「インセプション」(10)で国際的に脚光を浴び、11年には英国アカデミー賞のライジング・スター賞を受賞。「裏切りのサーカス」「ウォーリアー」(ともに11)を経て、ノーラン監督の「ダークナイト ライジング」(12)で悪役ベインに起用され、メル・ギブソンの代表作「マッドマックス」シリーズをリブートした「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(15)では主演を務めた。

「インセプション」のレオナルド・ディカプリオと再共演した「レヴェナント 蘇えりし者」(15)でアカデミー助演男優賞に初ノミネートを果たす。その他の映画出演作に、全編通して画面に映るのはハーディ1人だけという意欲作「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」(13)や、実在したギャングの双子を1人2役で演じた「レジェンド 狂気の美学」(15)などがある。

マーク・ラファロ スポットライト 世紀のスクープ

マーク・ラファロ

両親はイタリア系アメリカ人。米ステラ・アドラー音楽学校で学んだ後、舞台役者としてデビューするもなかなか売れずにいたが、2000年に以前から親交のあるケネス・ロナーガンが監督した映画「ユー・キャン・カウント・オン・ミー」の主演に抜てきされ、インディペンデント・スピリット・アワードにノミネート。その後も演劇界で活動し、ブロードウェイデビュー作「Awake and Sing!」で06年度トニー賞のノミネートを受ける一方で、ハリウッドを代表する監督の作品にも多く出演。「キッズ・オールライト」(10)でアカデミー助演男優賞に初ノミネートされた。10年には初監督作品「シンパシー・フォー・デリシャス」がサンダンス映画祭で特別審査員賞を受賞。世界的大ヒットを記録したマーベルの「アベンジャーズ」シリーズ(12~)では、ブルース・バナー/ハルク役で好評を博す。実話をもとにした「フォックスキャッチャー」(14)で再びアカデミー助演男優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞では同作で映画ドラマ部門の助演男優賞、TV映画「ノーマル・ハート」(14)でテレビ部門(ミニシリーズ・TV映画)の主演男優賞にノミネートされる。翌16年にも「Infinitely Polar Bear(原題)」(15)でゴールデングローブ賞コメディ/ミュージカル部門の主演男優賞にノミネートされ、「スポットライト 世紀のスクープ」(15)でアカデミー助演男優賞の候補となった。

マーク・ライランス ブリッジ・オブ・スパイ

マーク・ライランス

英ケント州出身。英ロンドンの王立演劇学校(RADA)を卒業し、舞台俳優として活躍。2015年までにローレンス・オリビエ賞を2度、トニー賞を3度受賞する。一方、「ハーツ・オブ・ファイヤー」(87)を皮切りに、「インティマシー 親密」(01)や「ブーリン家の姉妹」(08)、「ブリッツ」「もうひとりのシェイクスピア」(ともに11)などの映画にも出演。スティーブン・スピルバーグ監督の「ブリッジ・オブ・スパイ」(15)でアカデミー助演男優賞に初ノミネートされて受賞を果たし、主演を務めた歴史ドラマ「ウルフ・ホール」(15)でも高い評価を得た。スピルバーグ監督がロアルド・ダールの名作児童書を映画化した「BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」(16)にも主演。以降もスピルバーグ監督の「レディ・プレイヤー1」(18)をはじめ、「シカゴ7裁判」(20)、「ドント・ルック・アップ」(21)など多数の作品で活躍している。

シルベスター・スタローン クリード チャンプを継ぐ男

シルベスター・スタローン

米国でシチリア系移民の子として育ち、両親の離婚を機にフィラデルフィアへ移住。マイアミ大学に演劇専攻で入学するも中退し、ニューヨークのオフブロードウェイで舞台に立つなど下積み生活を続ける。1975年、モハメド・アリの試合に感動して3日間で書き上げたボクシング映画「ロッキー」の脚本を自らの主演を条件にスタジオに売り込み映画化にこぎつける。同作は世界的な大ヒットとなり、一躍スターとなったスタローン自身もアカデミー賞で主演男優賞と脚本賞にダブルノミネートを果たした。以降は「ロッキー」シリーズに加え、ベトナム帰りの元グリーンベレーを主人公にした「ランボー」シリーズ(82~)でアクションスターとして不動の地位を確立。アクション映画を中心に活躍を続け、監督・脚本・主演を務めた「エクスペンダブルズ」(10)では新旧のアクションスターを一堂に集めてファンたちを歓喜させ、第2弾(12)、第3弾(14)でも脚本・主演を務める。ロッキーの好敵手アポロの息子を主人公にした「クリード チャンプを継ぐ男」(15)で再びロッキーを演じ、ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞した他、アカデミー助演男優賞にもノミネートされた。

助演女優賞

ジェニファー・ジェイソン・リー ヘイトフル・エイト

ジェニファー・ジェイソン・リー

父は俳優のビク・モロー、母は脚本家のバーバラ・ターナー。9歳の時に映画「The Spy Who Never Was(原題)」(76)にアンクレジットで出演して以降、子役として活動。「他人の眼」(81)の準主役に決まったことから卒業目前の高校を退学し、学園ドラマ「初体験 リッジモント・ハイ」(82)で有名になる。「ミセス・パーカー ジャズエイジの華」(94)でゴールデングローブ賞ドラマ部門主演女優賞、「ジョージア」(95)でインディペンデント・スピリット・アワードにノミネートされ、アラン・カミングと共同で監督・脚本・主演を務めた映画「アニバーサリーの夜に」(01)も高く評価される。その後も「ロード・トゥ・パーディション」(02)や「イン・ザ・カット」(03)、「脳内ニューヨーク」(08)などに出演し、クエンティン・タランティーノ監督の「ヘイトフル・エイト」(15)でアカデミー賞やゴールデングローブ賞の助演女優賞にノミネートされた。私生活では、2005~13年にインディペンデント映画監督のノア・バームバックと結婚生活を送り、息子2人をもうけた。

ルーニー・マーラ キャロル

ルーニー・マーラ

姉のケイト・マーラも女優で、曽祖父2人はNFLのニューヨーク・ジャイアンツとピッツバーグ・スティーラーズの初代オーナー。ニューヨーク大学で心理学を専攻した。2005年から女優として活動を始め、「Dream Boy(原題)」(08)でスクリーンデビューを果たす。デビッド・フィンチャー監督の「ソーシャル・ネットワーク」(10)で短い出番ながらも印象を残し、その次のフィンチャー監督作「ドラゴン・タトゥーの女」(11)では主人公の天才ハッカー、リスベット役に抜てきされ、アカデミー主演女優賞にノミネートされる。その後もスティーブン・ソダーバーグ監督の「サイド・エフェクト」や、スパイク・ジョーンズ監督の「her 世界でひとつの彼女」(ともに13)で活躍。女性同士の恋愛を描いた「キャロル」(15)ではカンヌ国際映画祭の主演女優賞をエマニュエエル・ベルコ(「Mon roi」)と分け合い、アカデミー助演女優賞やゴールデングローブ賞ドラマ部門の主演女優賞にノミネートされた。

レイチェル・マクアダムス スポットライト 世紀のスクープ

レイチェル・マクアダムス

子どもの頃からサマーキャンプなどで舞台に参加し、カナダ・トロントのヨーク大学で演劇を学ぶ。卒業後はカナダの映画やTVに出演し、2002年に「ホット・チック」でハリウッドに進出、学園ドラマ「ミーン・ガールズ」(04)で注目を浴びる。恋愛映画「きみに読む物語」(04)で日本でも広く知られるようになり、共演したライアン・ゴズリングとは一時期恋仲に。その後は「消されたヘッドライン」や「きみがぼくを見つけた日」(ともに09)などに出演し、大ヒットした「シャーロック・ホームズ」(09)と続編「シャドウ ゲーム」(12)ではアイリーン・アドラー役を演じた。その後は「恋とニュースのつくり方」(10)で主演を務めた他、ウッディ・アレン監督最大のヒット作「ミッドナイト・イン・パリ」(11)や、リチャード・カーティスの監督引退作「アバウト・タイム 愛おしい時間について」(13)、TVシリーズ「トゥルー・ディテクティブ」シーズン2(15)などに出演。社会派ドラマ「スポットライト 世紀のスクープ」(15)でアカデミー助演女優賞に初ノミネートを果たした。マーベル映画「ドクター・ストレンジ(原題)」(16年全米公開予定)への参加も決まっている。

アリシア・ビカンダー リリーのすべて

アリシア・ビカンダー

スウェーデン・イエーテボリ出身。幼い頃からミュージカルに出演し、9歳からスウェーデン王立バレエ学校に通うが、けがのためバレエの道を断念。2002年ごろからTVドラマに出演するようになり、05年にはトーマス・アルフレッド監督のTVシリーズ「En decemberdrom(原題)」に出演。09年に「Till det som ar vackert(英題:Pure)」で映画デビューし、18世紀後半のデンマーク王室を舞台にした歴史ドラマ「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」(12)で王妃カロリーネを好演した。ジョー・ライト監督の「アンナ・カレーニナ」(12)で英語劇に初出演する。この頃から英ロンドンを拠点に活動し、「Ex Machina(原題)」では美しきアンドロイドを演じ、スパイアクション「コードネーム U.N.C.L.E.」(ともに15)ではヒロイン役に抜てきされた。トム・フーパー監督の「リリーのすべて」(15)では、アカデミー助演女優賞を初ノミネートで受賞。マット・デイモン主演の「ジェイソン・ボーン」シリーズ新作(16)にも出演が決まり、ハリウッドでの活躍が期待されている。

ケイト・ウィンスレット スティーブ・ジョブズ

ケイト・ウィンスレット

英バークシャー・レディング出身で、両親ともに舞台俳優。11歳の頃からCMなどに出演し、1994年、17歳のときに「乙女の祈り」で映画デビューを果たす。恋愛ドラマ「いつか晴れた日に」(95)でアカデミー助演女優賞にノミネート。世界的大ヒット作「タイタニック」(97)のヒロイン・ローズ役で人気を集め、アカデミー主演女優賞などの候補に挙がる。その後も良質なドラマ作品に多数出演し、「アイリス」(01)でアカデミー助演女優賞、「エターナル・サンシャイン」(04)と「リトル・チルドレン」(06)で同主演女優賞にノミネート。「愛を読むひと」(08)でアカデミー賞6度目のノミネートにして初めて主演女優賞を受賞し、実力派女優としての評価を一層高めた。その他の出演作に「ホリデイ」(06)や「レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで」(08)などがあり、人気ヤングアダルト小説を映画化した近未来アクション「ダイバージェント」(14)と続編「ダイバージェントNEO」(15)では悪役を演じた。アップル社の創設者スティーブ・ジョブズの伝記映画「スティーブ・ジョブズ」(15)でアカデミー助演女優賞にノミネートされた。私生活では、「グッバイ・モロッコ」の助監督ジム・スレープルトン(98~01)、英映画監督のサム・メンデス(03~10)と結婚生活を送り、12年にヴァージン・ギャラクティック勤務のネッド・ロックンロールと再婚した。12年、大英勲章CBEを受章。

外国語映画賞

短編アニメーション賞

短編実写映画賞

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Photo:Getty Images/アフロ