今が旬の豪華キャストで贈る、ほっこりあたたかい感動作
クルクル変わる表情が愛らしい、アメリカン・ショートヘアの“グーグー”――確かに可愛い猫たちが登場するのだけれど、「猫好きの、猫好きによる、猫好きのための映画」とは単純にくくれない。「グーグーだって猫である」は、ちょっと不思議で、観る人すべての心をほっこりあったかくさせてくれる映画なのだ。

 舞台は吉祥寺。愛猫サバを亡くして作品が描けなくなってしまった天才マンガ家、麻子さんの家にやってきた仔猫のグーグー。一緒に食事をし、歩き、寝るという愛すべき日々のなか、新しく出会った不思議な青年、青自(せいじ)や個性豊かなアシスタントたちに囲まれて、少しずつ自分を取り戻していく麻子さん。動物と人、そして街と自然が一体となって織り成す物語に、私たちはいつの間にか勇気づけられてしまう。

 そして、キャストにも要注目。

 どこか内気でナイーブな麻子さんを演じた小泉今日子は、08年に本作のほか黒沢清監督の「トウキョウソナタ」にも主演し、カンヌ国際映画祭にも参加。国内では第33回報知映画賞、第32回山路ふみ子女優賞などを受賞した。麻子さんのアシスタントで物語の進行役でもあるナオミには、ドラマ「ラスト・フレンズ」で同性への人気も拡大し、今後は「のだめカンタービレ」の映画化も控えている上野樹里。麻子さんの淡い恋の相手役・青自役は、「重力ピエロ」など今後も話題作が続々と控える加瀬亮が務める。その他にも、アシスタント役の森三中の3人、ナオミの恋人マモル役の林直次郎(芸能活動を終え、本作が最後の出演作)、マーティ・フリードマン、大後寿々花、小林亜星、松原智恵子などなど、存在感あふれる面々が顔を揃え、最後に迎える味わい深いカタルシスに向けて、物語を彩っていく。

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犬童一心監督だから、原作ファンも安心
「毎日が夏休み」「綿の国星」の少女マンガ家、大島弓子が、飼い猫たちとの愛すべき日々や闘病生活を綴った同名マンガを、原作が持つ雰囲気そのままに、ゆったりとしたリズムとあふれるファンタジーで映像化したのは、「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」の犬童一心監督。「ジョゼと虎と魚たち」では妻夫木聡と池脇千鶴、「メゾン・ド・ヒミコ」ではオダギリジョーと柴咲コウを主演に据え、人間の感情の機微を丁寧に描き出すことで高い評価を受けてきた監督だ。

本作ではこうした手腕に加えて、自身が敬愛する大島作品が原作。かつて大島作品「金髪の草原」を映画化したこともある犬童監督は、“現実と非現実の境目があいまいで、どちらもリアル”という大島作品のテーマを熟知しているだけに、完成した映画版「グーグーだって猫である」は見事というほかない。「メゾン・ド・ヒミコ」に引き続いて細野晴臣が担当したサウンドトラックとあいまって、本当に優しい眼差しで、麻子さんやグーグー、そして彼女らを取り巻く魅力的な人々や街が切り取られている。

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(c)2008 「グーグーだって猫である」 フィルム・コミッティ