

12月中旬、eiga.com編集部が集まり座談会を開催した。2008年の洋邦ヒットランキングの表を参考に、興行成績の数字から昨今の動向を読み解く。映画業界通ならではの座談会の模様をお楽しみください。
2008年興行収入ランキング(洋画) |
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順位 |
作品名 |
配給会社 |
興行収入 |
1位 |
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 | パラマウント | 57.1億円 |
2位 |
レッドクリフ Part I | 東和=エイベックス | 48~50億円 |
3位 |
アイ・アム・レジェンド | ワーナー | 43億円 |
4位 |
ライラの冒険/黄金の羅針盤 | ギャガ=松竹 | 35億円 |
5位 |
ハンコック | ソニー | 31億円 |
6位 |
ナルニア国物語/第2章:ライオンと魔女 | ディズニー | 30億円 |
7位 |
魔法にかけられて | ディズニー | 29億円 |
8位 |
ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記 | ディズニー | 26億円 |
9位 |
ウォンテッド | 東和 | 25億円 |
10位 |
アース | ギャガ | 24億円 |
| 2008年興行収入ランキング(邦画) | ||||
| 順位 | 作品名 | 配給会社 | 出資TV局 | 興行収入 |
| 1位 | 崖の上のポニョ | 東宝 | 日本テレビ | 154億円 |
| 2位 | 花より男子ファイナル | 東宝 | TBS | 77.5億円 |
| 3位 | 容疑者Xの献身 | 東宝 | フジテレビ | 50億円 |
| 3位 | 劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール/ギラティナと氷空の花束シェイミ | 東宝 | テレビ東京 | 48億円 |
| 5位 | 相棒 劇場版/絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン | 東映 | テレビ朝日 | 44.4億円 |
| 6位 | ザ・マジックアワー | 東宝 | フジテレビ | 39.2億円 |
| 7位 | 20世紀少年 | 東宝 | 日本テレビ | 39億円 |
| 8位 | 映画ドラえもん/のび太と緑の巨人伝 | 東宝 | テレビ朝日 | 33.7億円 |
| 9位 | マリと子犬の物語 | 東宝 | 日本テレビ | 31.8億円 |
| 10位 | おくりびと | 松竹 | TBS | 30億円 |

駒:では、興収ランキングを振り返ってみようか。
ほ:「ポニョ」(154億円)と「花男」(77.5億円)の興収がデカすぎるんだよね。
駒:テレビ局で見ると、フジテレビ、日本テレビ、TBSが2本、テレビ朝日、テレビ東京が1本。とはいえトータルでは日テレがダントツ。「ポニョ」の150億円があるし、「L change the WorLd」も23億円稼いでる。
さ:洋画は「インディ・ジョーンズ」が期待より低かったね。
ふ:変な映画でしたからね……。
駒:57億円で洋画では1位だけど、目標は100億円レベルだっただけに、悪い意味でのサプライズ。「アイ・アム・レジェンド」「ハンコック」と、ウィル・スミスが相変わらず強いねえ。意外なのがディズニー。3本も入ってる。

ほ:一番驚いたのは、やっぱり「レッドクリフ」だな。
駒:現在(12月中旬)48億円、いって50億円。追い広告で使ってた“まさかの大ヒット”っていうフレーズ、どっかで聞いたことあると思ったら……奥山和由の「RAMPO」なんだよね。実は新聞での追い広告のコピーで使ってた(笑)。
さ:目標が高かったのは確かだけど、実際ここまでいくとは……。
ほ:さすがハリウッド画質!(by パナソニックのテレビCM)。っていうか、“ハリウッド映画”じゃねーだろって(笑)
(一同爆笑)
駒:「カンフー・パンダ」に「ハムナプトラ3」、「ドラゴン・キングダム」、北京オリンピックがあったけど、中国を題材にした洋画はことごとくダメだったね。ほんと「レッドクリフ」だけ。
駒:いまや“良作”なんてないですよ。あとはアメコミもダメだったね。
さ:「ダークナイト」が当たっていないなんて、すごく哀しいよ。
ほ:「アイアンマン」「インクレディブル・ハルク」「ダークナイト」…………全部ダメ
さ:「ウォンテッド」はビジュアルノベルが原作だけど、ヒットしたのはアンジェリーナ・ジョリー人気?
ほ:DAIGO人気じゃない? 吹替えやった。

ほ:いやいや冗談じゃないんだって。「ハムナプトラ3」だって、上地雄輔くん人気があったからだって言われてるよ。
さ:そっか……「ダークナイト」は吹替え版やらなかったんだよね。
ほ:ワーナーの宣伝が下手だったというわけじゃないのに。どうしてアジアでも大ヒットなのに、日本で当たらないんだろう。
駒:いやぁ……あの内容だと、いまの日本じゃ当たらないよ。
ふ:ちなみに吹替えといえば「インディ4」は、定番の村井国夫じゃなかったのがショックでした。
駒:「インディ4」は80億円くらいいってほしかった。「ダークナイト」も30億円はいってくれないと。
さ:うーん……希望がないね……。
ふ:残念ながら、毎年同じ話をしているような。
駒:今年は「クローバーフィールド」のコンセプトが面白かった。IT時代の新しいアプローチっていうのかな。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」と同じで、観ちゃったら「なーんだ」なんだけど。
あ:興収は、10億円ちょいでした。
ほ:うわっ……よくよく見たら、20世紀フォックスの作品がないですよ(苦笑)。
さ:この中でがんばったのは……やっぱり「相棒」? 地道な活動というか。
駒:東映としては久々の快挙だよね。
ほ:ただ、邦画バブルもそろそろ……って感じがしてきたね。日テレが絡んでても、押井守監督の「スカイ・クロラ」とか、成績がイマイチなものもある。

さ:ワーナーが配給する邦画は大変だもんね。綾瀬はるかの「ICHI」はダメだったでしょ? 「おっぱいバレー」に期待だな。
駒:綾瀬のキャリアが終わっちゃわないことを祈るよ。なんだかんだいいながら、今年の彼女の出演作(「ザ・マジックアワー」「僕の彼女はサイボーグ」「ハッピーフライト」ほか)ってほとんど当たってるんだよ。
さ:1人で100億円くらい稼いでるんだよね。
駒:そうそう、柴崎コウよりちょっと上。
ふ:和田アキ子のバラエティ「B.C.ビューティー・コロシアム」で“痩せなきゃ芸能界クビ”なんて汚れ企画やってましたからね……地力があるんじゃないですか?
駒:邦画で惨たんたる結果だったのは……「櫻の園」「フレフレ少女」など。
ほ:角川春樹プロデュースの「神様のパズル」も。
駒:「神様のパズル」は東映だけど、ほか2作は松竹。結局“なぜ東宝が1人勝ちなのか?”という話になっちゃう。根が深いと思うよ。
ほ:とはいうものの、今年の東宝で本当にすごかったのは、「花男」だけでしょ。特定の世代の女性の動員だけであれほどいく(77.5億円)なんて。同じ物語のフォーマットで、その時々の人気スターでキャストを入れ替えれば当たる。ストーリーが鉄板なんだよね。
ふ:それだけ企画が行き詰ってるってことですよ。
駒:黒澤リメイクも多かったね。「隠し砦の三悪人」は10億円どまり、「椿三十郎」も20億円程度。
あ:観客も最初から「オリジナルを超えるのなんて無理」だと思ってるんですよね。
さ:「篤姫」がヒットしたのに、時代劇がダメだなんて皮肉だね。
あ:それでも今年は、中高年の人が映画館に足を運んだという感じがしますね。「おくりびと」「相棒」「レッドクリフ」。
駒:逆説的にいえば、いかに若い人が映画を観てないかってこと。
ほ:eiga.com的には、来年はやっぱり洋画が逆転していてほしいよね。

ふ:来年のラインナップは期待できそう。
あ:「天使と悪魔」「ターミネーター4」「トランスフォーマー2」などなど。
さ:「レッドクリフ Part II」も大ヒットしたりして。
駒:パート1の半分はいくんじゃない? 来年は洋画の本数も減る見込みだし、邦画も含めて、存在意義がない作品は減っていくと思うね。
さ:となると、「ヤッターマン」と「ドラゴンボール」? 楽しみっていうと。
駒:「ヤッターマン」が試金石になるんじゃないかな。アメコミがダメでも、日本物のヒーローなら当たるじゃん!って(笑)。

