シートにも悪魔が取り憑いたのかと……「死霊館 悪魔のせいなら、無罪。」恐怖を倍増させる4D上映体験レポート

2021年9月6日 18:00


4D上映を楽しむアナベル
4D上映を楽しむアナベル

ソウ」「ワイルド・スピード SKY MISSION」「アクアマン」の監督を務めたジェームズ・ワンがプロデュースを務めた大ヒットホラーシリーズ「死霊館」ユニバースの最新作「死霊館 悪魔のせいなら、無罪。」の4D上映が決定(※一部劇場を除く)。その公開に先駆けて、都内劇場でこの4D上映の試写会が実施されることになり、ひとあし先に4D上映を体験できる機会を得た。

本作は「死霊館」ユニバース7作目にして、メインストーリーとなる「死霊館」シリーズの3作目。もちろん主人公は、世界で最も有名な心霊研究家エド・ウォーレン&ロレイン・ウォーレン夫妻で、パトリック・ウィルソンベラ・ファーミガが続投。「アナベル事件」「エンフィールド事件」など、これまで数々の「邪悪で恐ろしい事件」に関わってきた夫妻だが、今回の事件も一筋縄ではいくわけもなく、夫妻が極限まで追い詰められることになる。メガホンをとったのは、同じく「死霊館」ユニバースに連なる映画「ラ・ヨローナ 泣く女」や、ビリー・アイリッシュのMV「bury a friend」で強烈な印象を与えたビジュアリスト、マイケル・チャベスだ。

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今回の物語のベースとなったのは、1981年に全米を震撼させた殺人事件。“殺人を犯したのは悪魔に取り憑かれたからだ”という主張する男性の、前代未聞である証言の正当性を証明するために、法廷を舞台に、夫妻が事件の真相を究明するさまが描かれる。

死霊館」シリーズの特徴といえば、悪魔や怨霊との対決といったスタンダードなホラー描写とともに、家族愛などをベースとした人間ドラマがしっかりと描かれている点。今回は、第2作で軽く言及されていた、若かりし頃の夫妻の出会いのシーンが描かれたり、相変わらずエルビス・プレスリーが好きなんだなと思わせるようなシーンがあるなど、シリーズを追ってきたファンにはうれしい描写もチラホラ。本作ではそうした「死霊館」シリーズのベーシックなスタイルはしっかりと受け継ぎつつも、そこに「セブン」のような心理犯罪スリラーや、法廷ドラマなどの要素を絡めたところが新機軸となる。

映画好きなら、カメラの動きなどによって場所の雰囲気や、人物の心情などを意識的に描き出している、ということは理解してもらえると思うが、そうした作り手の意図を文字通り“体感できる”のが、本作の4D上映の醍醐味だ。例えば依頼者の家にジワジワと近づくようなカメラワークのシーンがあったとしたら、その動きにシンクロするように、4Dシートがゆっくりと動き、まるで自分自身が家に近づいているような感覚に陥ることができる。当然ホラー映画なので、この後に何か恐ろしいことが起きるのは間違いないのだが、その序章としてジワリジワリと迫りくる恐怖を、文字通り“身をもって”体感することができる。

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もちろん、本シリーズの肝である“悪魔払い”のシーンは迫力のひと言。例えば冒頭では“11歳の少年・デヴィッドに取りついた悪魔を払う”シーンがあるが、少年の中に潜む悪魔がベッドをドンドンドン! 少年の骨という骨がグギッ、グシャッ、グギャッ。人間とは思えないような動きと音、そしてこの世のものとは思えないような断末魔のような叫びが劇場内を包み込むが、そこでは、4Dシートにも悪魔が取り憑いたのかと思うほどに、我々観客をドシンッ、ドドドドドドッと揺さぶり続ける。そして血のシャワーがプシャーッ! と降り注ぐと、4Dシートからも水がピシャッと降りかかる。ここでは観客が傍観者となることは許されない。まるで悪魔払いの現場に居合わせたかのような没入感がある。

良質なホラー映画の多くが、ショッキングなシーンと、そこに至るまでの穏やかなシーンの描写の緩急がしっかりとしていて、より恐怖を倍増してくれるということがあるが、それは4Dシートにも同じ事が言える。ジワジワと緩やかな動きと、激しい動きのコントラストが、より鮮明に恐怖を倍増してくれる。ホラー映画と4D映画の相性の良さを感じさせてくれる作品だった。

なお余談だが、この日の会場には「死霊館」ユニバースのアイコンであり、本作の宣伝隊長であるアナベル人形も来場。4D上映の激しい動きにアナベルのおさげ髪も思わずピーンと逆立ってしまう(!)など、アナベルも4D上映を楽しんでいる様子だった。

宣伝隊長頑張っています
宣伝隊長頑張っています

死霊館 悪魔のせいなら、無罪。」は、10月1日から公開。

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