落合陽一「レディ・プレイヤー1」が描く2045年の“真実味”に太鼓判

2018年3月17日 16:00

さまざまな見地から作品を評した
さまざまな見地から作品を評した

[映画.com ニュース] 研究者・メディアアーティストなど多数の顔を持つ落合陽一氏が、世界中の人々がアクセスするVR(バーチャル・リアリティ)ワールドを舞台にした「レディ・プレイヤー1」について独自の目線で語った。

スティーブン・スピルバーグ監督がメガホンをとった本作は、2045年の近未来が舞台。孤独な青年ウェイド・ワッツ(タイ・シェリダン)が、超巨大なVRワールド“OASIS”に仕掛けられた“3つの謎”を解き明かし、全人類が参加する“宝探し”を制するため、壮大なアドベンチャーに挑む。

「スピルバーグ監督と(スタンリー・)キューブリック監督で育ってきた」という落合氏は、スピルバーグ監督の「ジュラシック・パーク」がお気に入りだといい、「『もしも●●だったら』というものを可能にしてくれるのがVRだと思うのですが、スピルバーグにとってはそれが映画。彼の世代にとっては、少年のころに自分が行きたかった場所をひたすら突き詰めるのが映画で、今の世代においてはVRになる」と持論を展開。

本作には世界中の映画、ゲーム、アニメのキャラクターたちが多数登場するが、「映画ファンが見に来ると、終始泣いてるだけで終わる」と“特別感”に太鼓判を押した上で、「往年の映画キャラクターに、『俺たちが作った夢の世界の責任を、お前たちも取れよ』と言っているような、メタ的な気分で見てしまいました。映画人として映画をずっと作ってきたスピルバーグが、バーチャルリアリティというもっと没入する世界を題材にして、果たしてその世界に冒険はあるのか、誰が責任を取るのか、自分たちが作ってきた世界が本当に正しかったのか、自己言及を図ったような作品。デバイスやツールが、明らかに映画館という巨大スクリーンを必要としなくなってくるころ、自分の少年時代のワクワクに対して、どうやって新しいメッセージを渡した上で老年を過ごしていくのかということに向き合っている」と作り手の立場に視点を置き、解説した。

本作で描かれる2045年の未来についても、「手垢の付いた技術の延長として描かれていて、かなりリアリティがある世界観でしたね。SFという感じがしない部分が、本作のすごく面白いところでした」と称賛。「この映画の中にあったような、VRのキャラクターがフォロワーを獲得したりお金を稼ぐ世界は大いにありうる」と専門家の目線で語っていた。

レディ・プレイヤー1」は、4月20日から全国で公開。

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