「ラ・ラ・ランド」×生オーケストラで至福のシネマ・コンサート!

2017年7月21日 12:00

米デンバー公演はスタンディングオベーション
米デンバー公演はスタンディングオベーション

[映画.com ニュース] 世界中で大ヒットしたミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」。あの名曲を生演奏で堪能できたなら……。そんな夢をかなえてくれるライブショー「ラ・ラ・ランド in コンサート」を、日本上陸に先駆け、エンタテインメントの本場アメリカで鑑賞してきました。

映画は、女優志望のミア(エマ・ストーン)とジャズピアニストのセブ(ライアン・ゴズリング)、ロサンゼルスで夢を追いかける2人のロマンスを描き、第89回アカデミー賞で作曲賞(ジャスティン・ハーウィッツ)、主題歌賞(「シティ・オブ・スターズ」)など6部門を制しました。

そんな名曲ぞろいのミュージカルをオーケストラの生演奏で楽しむ「ラ・ラ・ランド in コンサート」は、米ロサンゼルスのハリウッドボウルで5月26日に初披露され、その後、全米各地をはじめ、ヨーロッパの国々をめぐっています。

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今回は、コロラド州デンバーでコロラド・シンフォニー交響楽団のパフォーマンスを鑑賞してきました。会場は、劇場複合施設「デンバー・パフォーミング・アーツ・コンプレックス」にあるボッチャー・コンサート・ホール。7月12日と14日の2公演があり、後者に行ってきました。

客層は、まるでミアとセブのような若いカップルから、熟女グループに家族連れまで幅広く、オーケストラコンサートにぴったりな装いの人もいれば、映画館を訪れるようなジーンズ姿の人までファッションもさまざま。クラシック音楽の演奏会ほど肩ひじ張らずに、リラックスして楽しめる雰囲気でした。

ホールは、客席がステージを360度取り囲む形になっていて、スクリーンが正面に2つ、後方に1つ設置されています。4階席やステージ両脇の席はスクリーンが見えにくい、あるいはまったく見えないため、チケット代は17ドルとお手頃。価格は会場によって異なるようですが、今回は最高で89ドルでした。

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ついに会場が暗くなり、指揮者が入場。「序章」として「ミアとセバスチャンのテーマ」のアレンジ曲でしっとりとスタートし、1曲目から拍手喝さいです。続いてスクリーンに映画の本編が映し出され、高速道路でのダンスナンバー「アナザー・デイ・オブ・サン」が華やかに響きわたります。さすがコンサートホールとあって、音響が最高。優しくのびやかな音色に包まれていきます。

シネマ・コンサートは、登場人物のせりふや歌声、効果音はそのままに、音楽部分だけが生演奏されるのが特徴。今回は、50人編成のオーケストラに、ドラムセットやギター、シンセサイザーなどが加わっていました。見せ場が多かったのは、もちろんピアノ。本編を初鑑賞時は、ゴズリングの猛特訓の成果にびっくりしたのですが、今回は「こんなにも映像とピッタリ合わせられるなんて!」と感激してしまいました。

ハッとさせられたのは、ミアがパーティからの帰り道、ふと耳にした曲に引き寄せられ、セブが演奏する店に入っていく場面。スクリーンを通り越し、ホールで聞いているピアノの音に、ミアが心を奪われているように見えるんです。これは、映画館ではできない体験。「ラ・ラ・ランド」のシネマ・コンサートだからこそ味わえたひと時でした。

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そして、観客はアメリカ人が中心とあって、リアクションがストレート。曲が終わると拍手が起こるだけでなく、「こんなに笑う映画だったっけ?」と思うくらい、ミアとセブのやりとりに笑い声があがっていました。もちろん、本編が終わるとスタンディングオベーション。さらに、エンドクレジットの間も演奏は続き、それが終わると全員総立ち。万雷の拍手が鳴り響きました。

出口で感想を求めたところ、母娘の2人組は「もう最高!」「本当に華やかで素晴らしかった」と目を輝かせ、夫婦で来ていた50代の男性は「これ以外には考えられないほど、非の打ちどころがなかったね」と大絶賛。誰もが興奮冷めやらぬまま、会場を後にしていました。

上映時間は、20分の途中休憩を含め約2時間20分。時折、奏者に集中しすぎて「あのカット見逃しちゃった」ということもありましたが、ぜいたくな時間にひたれました。「ラ・ラ・ランド」とシネマ・コンサート、これほど理想的な組み合わせはそうそうありません。

日本では、9月から横浜、名古屋、大阪の3都市で合計5公演が開催。東京フィルハーモニー交響楽団の演奏です。チケットの一般発売は7月22日。詳細は公式サイトで(http://www.promax.co.jp/lalalandinconcert/)。

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