WOWOW、「コールドケース」日本版制作

2016年5月11日 08:00


波多野貴文監督
波多野貴文監督

[映画.com ニュース]WOWOWはこのほど、開局25周年記念ドラマ第2弾として、ワーナー・ブラザース・テレビジョン製作の人気ドラマ「コールドケース」の日本版を制作すると発表した。

ワーナー・ブラザースからフォーマット権を獲得したことにより企画が実現、アメリカ国外初のドラマ化となる。さらに、RED Digital Cinema社最新の機種WEAPONを日本のテレビドラマで初投入し、全編4K・HDR(ハイダイナミックレンジ)で制作する。10月から「連続ドラマW」で全10話放送予定。日本版タイトルは「コールドケース~真実の扉~」になる。

「コールドケース」は2003~10年、全7シーズンにわたり米CBSで放送された刑事ドラマシリーズ。制作総指揮のひとりは、「CSI:科学捜査班」シリーズなど手掛けたジェリー・ブラッカイマー。ペンシルベニア州フィラデルフィアを舞台に、未解決の殺人事件、通称“コールドケース”を解決する捜査チームを描く。未解決事件が起きた当時のヒット曲を劇中で使用する演出手法が視聴者から高い支持を得て、アメリカでは全シリーズの平均視聴者数が1000万人を超える大ヒット作となり、さらに全世界で放送、配信された人気シリーズだ。

同作が米国外で制作されるのは世界で初めて。WOWOWがハリウッドメジャースタジオ、ワーナー・ブラザースから「コールドケース」のフォーマット権を獲得したことにより実現。オリジナル版のコンセプト、設定、登場人物、ストーリーなどをもとに、日本のキャストが演じる。舞台を神奈川に移し、主人公の刑事とチームのメンバーが毎話異なる未解決事件の真相をたどり、事件を解決していく。

監督は、「SP」シリーズを手掛けた波多野貴文。脚本は、映画「64 ロクヨン 前編/後編」の瀬々敬久のほか、映画監督の吉田康弘、演出家の蓬莱竜太、「ハゲタカ」を手掛けた林宏司。さらに全編4K・HDRで制作するにあたり、「シン・ゴジラ」(庵野秀明総監督)を手掛けた撮影監督・山田康介を起用。また、古い時代の回想シーンをフィルムで撮影。スーパー16ミリフィルムで撮り下ろし、これをデジタル処理して4K・HDR制作を行うのも日本初となる。最新技術とフィルムの併用で、同作の醍醐味である過去と現在をつなぐ世界観を圧倒的な映像美で表現する。

波多野貴文監督は「戦後、震災、バブル…日本の激動の時代を生きた人々の感情を大切にし、その時代だからこそ起きた悲しき事件を、現代の時間軸を生きる主人公たちを通して描いていきます。そしてそこには、日本の美しさの象徴でもある、四季の風を感じられる、そんなドラマにしていきたい」と意欲。脚本の瀬々は、「原案の各事件を日本の現代史のどこに当てるかに腐心し、戦後の光と闇、高度経済成長期の悲劇、移民問題、震災、格差社会、そういった主題をドラマに結び付けました」とコメントしている。(文化通信)

【映画.com×文化通信】

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