押井守監督が映画監督目指す学生に授けた金言とは…
2016年4月16日 18:00

特別講義に参加した押井守監督と鈴木敏夫氏
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[映画.com ニュース] 押井守監督の最新作「ガルム・ウォーズ」の上映会が4月16日、東京・早稲田大学の大隈記念講堂で行われ、押井監督と同作の日本語版プロデューサーを務めた鈴木敏夫氏が上映後に「映画のすべて マスターズ・オブ・シネマ」と題した特別講義に参加した。
押井監督は、構想開始から15年、カナダの税制優遇制度を用いて合作で同作を完成させ、「僕は執念深いから、事あるごとにすき間を狙ってやろうと言い続けてきた」と説明。だが「まだ、端緒についただけ。これから本当の物語が始まる」と“序章”であることを強調した。
30年以上の親交がある鈴木氏が手掛けた日本語版については、「この作品に関わったスタッフの中で最後に見せられた」とクレーム。それでも、「多分こうなるだろうなという想像以上に良かった。理想に近い、今可能な中で言ったらベスト。言葉によって映画がどれだけ変わるか、格好のサンプル」と絶賛した。
聴講生の中には映画業界を目指す学生もおり、「日本の実写映画が斜陽化しているが、どうすれば盛り上げられるか?」という質問に、押井監督は「邦画にこだわる必要はなくなっている。日本人の監督が日本人に向けて作る必要はない。大変なのは映画を作る際にはついて回るもの。ただ、国境を越えて成立する物語を持っているかが重要」と持論を展開。鈴木氏も、「今はタイに注目していて、面白い映画をいっぱい量産している。世界の映画を変えてやろうという野心がある。作りたい人はタイに行っちゃえばいい」と同調した。
さらに、押井監督は「映画の仕事がしたい人の半分以上は、監督になりたいはず。監督は映画の顔で最高責任者ではあるけれど、監督のやる仕事は全体の一部でしかない。そのハードルはすごく高いので、まずは現場に関わる人間になりなさい。現場を知った上で何をやりたいか考えればいい」とアドバイス。その上で、「それでも監督をやりたいのなら、とっておきの方法がある。小説でも漫画でも何でもいいから、違うジャンルで立派な人になりなさい。そうすれば、確実に1本は撮れる」と“秘策”を伝授していた。
「ガルム・ウォーズ」は、はるか古代の戦いの星・アンヌンで抗争を繰り広げる部族たちが、それぞれのアイデンティティを求め苦悩し、さらなる新たな戦いに身を投じていくSFファンタジー。5月20日から日本語版、英語版の両作が全国で公開される。
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