朝原雄三監督、故郷・香川でいつか映画を「育った時代撮れたら」
2016年2月13日 15:15
[映画.com ニュース]俳優・佐藤浩市と女優・樋口可南子が共演した「愛を積むひと」が2月13日、さぬき映画祭2016で上映され、香川県出身の朝原雄三監督が舞台挨拶に立った。同作は北海道・美瑛町で撮影したとあって、朝原監督は故郷での新作を夢想。「私が育った次代の香川をいつか撮れたら」と思いはせた。
会場となったイオンシネマ綾川は超満員で、朝原監督を「おかえり!」と迎えた。「愛を積むひと」は、美瑛町の豊かな自然を背景に、第二の人生をおくる熟年夫婦の愛を丁寧に描写。朝原監督は「夢のような理想のお話。美瑛町は非常に良いところで、佐藤さんも樋口さんも(オープン)セットに向き合ってもらうだけでよかった」と振り返った。
「香川で映画を撮るとしたら?」と聞かれ、朝原監督は「あんまり恥をかきたくないので……」と笑いを交え謙そん。一方で「香川を離れて30年。50歳を越して昔のことを思い出すんです。今の香川ではなく、どこかノスタルジックだった1960~70年代の香川を描けたら。いつかそういう映画を撮りに帰ってこられたら」とほほ笑んだ。
字幕付きのバリアフリー上映で、舞台挨拶も手話通訳つきで行われた。劇場には映画と同様に優しさが満ち、温かな涙に包まれていた。さぬき映画祭2016は2月21日まで開催。