柄本明、松田龍平との初共演で松田優作さんに思い馳せる
2016年2月8日 13:33
[映画.com ニュース]松田龍平と柄本明が親子役で初共演を果たす、沖田修一監督の最新作「モヒカン故郷に帰る」のヒット祈願イベントが2月8日、都内で行われ、松田と柄本をはじめ共演の前田敦子、もたいまさこ、千葉雄大、沖田監督が出席した。
「南極料理人」「横道世之介」など良作を数多く手がけてきた沖田監督の完全オリジナル脚本作品で、瀬戸内海にたたずむ島を舞台に、結婚報告のため故郷の島に帰ってきたモヒカン頭の永吉(松田)が、頑固オヤジの父・治(柄本)や恋人の由佳(前田)、母・春子(もたい)、弟の浩二(千葉)とともに繰り広げる悲喜こもごもを描く。
柄本は、松田の亡き父・松田優作さんと共演経験があるだけに、思いもひとしおの様子で「龍平君と親子……。僕は松田優作さんと同じ劇団にいたことがありますから、親子役をやらせて頂いて感慨深いものがあります」と目を細める。映画に関しては、「自分の映画は見ないんですが、これは見なくちゃダメだと言われまして。監督を見て頂くと分かります、こういう映画なんです。善意だけでなく、悪意もあるんですね」と照れ笑いを浮かべていた。
松田と夫婦役を演じた前田は、「撮影が2人のシーンで始まったのですが、松田さんが『カップルじゃなくて夫婦になる役だから仲良くしよう』と言ってくださったんです。その一言が大きくて、それから居やすくなりましたね」とニッコリ。一方の松田は、「全然覚えていないので恥ずかしい……」と驚いてみせたが、「僕としては前田さんは初めて会った気がしない。すごくやりやすかったです」と相思相愛の様子だった。
また、実際は長男だという千葉だが「お兄さんができて嬉しかった。一緒にご飯を食べたり、遊んでくれました」と告白すると、松田は「かわいかったですねえ」とニヤリ。さらに、「映画の中でもかわいさが出ちゃっている。兄は少し気が回らないというか、まっすぐな男。そのギャップが面白かった」と撮影を振り返った。自らの役作りについては、「頭をモヒカンにしたくらいですかね。(中学校の)吹奏楽部の子たちは役者さんではなく地元の子たちだったのですが、僕が教室を出るたびに『こええ』って声が聞こえてきましたね」としてやったりの表情だった。
またこの日は、ロケ地・広島の名物で、実際に宮島で祈祷された“特大しゃもじ”が登場し、全員でヒットを祈願した。
「モヒカン故郷に帰る」は、3月26日から広島で先行公開され、4月9日から全国で公開。