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「カランダールの雪」監督・キャスト・プロデューサーらが明かす製作秘話

2015年11月3日 07:00

最優秀監督賞とWOWOW賞を受賞!

最優秀監督賞とWOWOW賞を受賞!
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[映画.com ニュース] 黒海に面したトルコ・トラプブン地方の山の上で、家畜とともに暮らす家族の日々を、圧倒的なリアリティとともに紡いだ作品。電気も水道もない家で懸命に生きる家族の姿を、ドキュメンタリー出身のムスタファ・カラが誠実に捉えていく。人工的なものを一切排して、スケールの大きな描写で厳しい山中の自然を切り取った監督の手腕は高く評価されている。これが監督にとっては長編第2作目。スタッフを伴っての来日となった。

本作の製作の経緯をお聞かせください。

ムスタファ・カラ監督(以下、カラ監督):子ども時代に、本作の主人公のような人物がそばにいました。私は現代社会と自然の雄大さとの間には似通ったものがあると考えていて、その人物の生き方を参考に企画をまとめました。

ビラル・セルト(以下、セルト):都会に住んでいる人と、大自然のなかで暮らす人との、生きていくうえでの日々の闘いの比較を描きたかったのです。もともとのストーリーは監督がつくり、その後、私が脚本にしました。

圧倒的な映像のロケ地は、監督が実際に住んでいたところですか?

カラ監督:トルコの黒海の近く、トラプゾン・マチカ郡の村々をロケ地に選びました。山岳地域ですが、海からも近いところです。似たような環境で、私は子ども時代を過ごしました。ただ、感傷的な意味でこの地を選んだのではありません。主人公を表現するにはこの場所がいちばん合っていると思ったのです。

監督と脚本家が、ストーリーを作る時にどのような連携で進めていったのですか。

カラ監督:ビラルは私の大学の先生なのです。だから、本作のアイデアが生まれた段階で彼に持ち込み、アイデアを共同で育みました。

プロデューサーはいつの時点で関わったのですか?

ネルミン・アイテキン(以下、アイテキン):最初からです。

ビラル・セルト(以下、セルト):私たちはふだんから仲もよいのです。彼女は製作の経験もあり、最初から仲間に加わりました。彼女の貢献は大きかったです。

脚本が決まった段階で、主演にシシマンさんを想定されていたのですか?

ハイダル・シシマン(以下、シシマン):監督は私の教え子でした。脚本ができたという話は聞いていましたが、最初は、私は俳優候補ではありませんでした。いろいろな人を試したがうまくいかず、最終的に私が演じることになりました。

先生がおふたりですか!

シシマン:私は小学校の教師でした。

セルト:大学の映像学科(映画・テレビ・ラジオ)の教師をしています。

凄い映像の連続でしたが、撮影で最も苦労したことは何でしたか?

カラ監督:標高の高さ、自然との闘いですね。映像をリアルに切り取るためには、自然の条件が整うことを待たなければなりません。本作は4つの季節にかけて撮影しました。自然はコントロールできるものではありません。計画通りにいかず、予算が変わっても気候や自然条件にあわせることが必要でした。当初は季節ごとに2~3週間かかると思っていましたが、それぞれ1カ月以上かかり、全体で5~6カ月かかりました。山で撮っては山を下りの繰り返しでした。

かつての教え子に指導されるというのはどういう気持ちでしたか?

シシマン:監督は子どもの頃から情熱を集中させるタイプでした。映画製作でも集中度が高く、疲れてしまうこともありましたが、それが映画製作のエネルギーになっています。シナリオが力強く、役柄も力強い。自然のなかで生き抜くには力強さを欠くことができません。

自分の先生を指導するというのはどうでしたか?

カラ監督:先生と生徒というスタンスではなく、あくまで仕事を共同でする姿勢でのぞみました。ほかの俳優と同じように接しました。もちろんしかるべき場面では先生なので、謙虚になることも必要でしたが、だからといって特別扱いはしていません。しかも、ふたりとも「先生」なので、無理な要望もできました。撮影が終われば仲のよい友人です。

ハンガリーとの合作についてはどのように決まったのでしょう?

アイテキン:脚本ができて出資者を探していたところ、ハンガリーの投資家が気に入ってくれました。

このチームで作品をまたつくる予定はありますか。

セルト:近々始めると思います。顔面移植を待っている女性の話です。

(取材/構成 稲田隆起 日本映画ペンクラブ)

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