愛之助、「歌舞伎座スペシャルナイト」で舞踊「雨の五郎」披露「役者みょう利に尽きる」
2015年10月26日 20:40
[映画.com ニュース] 歌舞伎俳優の片岡愛之助が10月26日、第28回東京国際映画祭の「歌舞伎座スペシャルナイト」に出演し、舞踊「雨の五郎」を披露した。
蛇の目傘を差した曽我五郎が、深い関係にある遊女の手紙を手に廓(くるわ)へ向かう道中のさまざまな出来事を体現する長唄舞踊。愛之助は、「海外の方、初めて歌舞伎をご覧になる方が多いと思い、いかにも歌舞伎というイメージと、言葉が難しいので見て分かりやすいものを選んだ」と説明した。
恋する人に思いをはせる艶っぽい振る舞いや、豪快な立ち回りなど多彩な内容。ミエを切るシーンでは合いの手や盛大な拍手も起こり、「やはりいつものとは違う雰囲気かなと思ったけれど、意外と理解してもらえたんじゃないかな。言葉の壁はあるかもしれないけれど、歌舞伎座にはイヤホンガイドもあるし、そんなに難しいものではないんです」と満足げに語った。
歌舞伎の「勧進帳」と能の「安宅」をベースにした黒澤明監督の喜劇「虎の尾を踏む男達」もニュープリントの35ミリで上映。愛之助も、「非常に面白い。歌舞伎を見たことがない方でも楽しめます」と太鼓判を押した。
そして、「東京国際映画祭とのコラボで踊らせていただき、役者みょう利に尽きる」と感慨深げ。「私は歌舞伎役者ですので、これからも歌舞伎に精進し、ドラマや映画、他の舞台、ミュージカルにも挑戦していきたい」とさらなる意欲を見せていた。
第28回東京国際映画祭は10月31日まで開催される。