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「Life works」最新シリーズ撮影中の利重剛監督“映画と街”への思い語る

2015年8月28日 18:00

利重剛監督「ヨコハマメリー」

利重剛監督
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[映画.com ニュース] 横浜在住の映画監督で俳優の利重剛と、映画「ヨコハマメリー」の中村高寛監督が、昨年から企画製作をスタートさせた“横浜を舞台にしたショートフィルム”「Life works」最新シリーズの撮影が、6月から横浜各所で進められている。

「Life works」は、「日常を生きる人々の、人生の一瞬を切り取る」というコンセプトで描かれる作品群で各1話完結。長さは5~15分程度で、他の映画の上映前に“おまけ”として無料上映される。1年間で12本製作し、毎月新作を上映。上映館は、横浜・伊勢佐木町にある老舗ミニシアターのシネマ・ジャック&ベティと横浜シネマリンの2館。初年度の作品群は10本が完成し、残りの2本も間もなく完成予定で、現在vol.8「花の名前」が上映されている。

プロデューサーも兼ねる利重監督は、「海外の映画祭や映画館へ行くと短編映画をよく本編の前に見たのですが、お目当ての映画よりも面白いものがあったりして、20年くらい前から日本でもこういうことが出来ないかと考えていました。映画との“偶然の出合い”というのがすごくいいなあと。デジタルの時代になったことで、そろそろ出来るのではないかと思いスタートしました。短編は純粋に撮りたいものだけを撮れるし、見る方も負担が少ない」と経緯を説明。中村監督とは「ずっと横浜で活動している作家で、2013年に中村さんがプロデューサーを務める横浜みなと映画祭で『私立探偵濱マイク大回顧展』をやったのですが、僕はTV版の最終回を演出していたので、そこで知り合って意気投合した」という。

映画との偶然の出合いは、「やっぱり映画館という場所でやりたかった。たくさんの人たちと暗い中で一緒に同じスクリーンを見つめるのが映画だと思っていて、映画館で映画を見て欲しい、映画館にお客さんを呼び戻す起爆剤としても取り組んでいます。まずは無料でも見て欲しいという思いに劇場さんも賛同してくれた」と企画意図を語る。

生まれ育ったのは横浜の鶴見という利重監督だが、東京を転々とした後、10数年前に横浜に戻ってきた。「自分が年を重ねたこともありますが、地に足をつけて何か自分のフィールドというものを作りたいと思いました。横浜は本当に面白い街で、多様な映画が撮れる街ではないかと思っています。理想的には、『Life works』を見て、劇中と同じ風景が映画館を出た後にあったりして、映画の主人公たちがその後も生きているような感じが作りたい、映画と街がつながっていて欲しい、それがロマンです」と、落ち着いた物腰の中に熱い思いを感じさせた。


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Vol.8まですべて見ている常連客や次回作を期待する観客が徐々に増えるなど反応は上々で、上映劇場にとってもプラスに働いているようだ。だが、今後の課題は製作費の回収手段と製作資金の調達となる。そこで2年目は、国内最大級のクラウドファンディング・プラットフォーム「MotionGallery」で支援金を募ることに挑戦。これまでの作品1本あたりの製作費は平均して約25万円で、最新シリーズでは8作品で200万円の支援金を募っており、8月下旬現在ですでに50万円を突破した。

「もちろん理想だけでは継続は難しいので、賛同してくれる出資者、資金を集めていかなければなりません。と同時に、もっといろいろな人に参加して欲しいと思っていて、2年目は“拡がり”をテーマに、『ワンダフルワールドエンド』などの松居大悟監督、河瀬直美作品のチーフ助監督を長く務めてきた近藤有希さんがこのプロジェクトで監督デビューするほか、横浜を代表する写真家・森日出夫さんも監督として参加する予定です。あとに続く人たちのためにもバラエティに富んだ作品を作って、なるべく『Life works』の幅を広めようと考えています」とする。

これまでの作品には、神野三鈴寺十吾長谷川朝晴、mic、藤井咲有里芹澤興人草野康太奥野ミカ齊藤國男佐藤有里子優恵中井和味森谷勇太といった俳優陣が参加。オープニングタイトル曲やほとんどの劇中音楽をプリンセス・プリンセス今野登茂子が担当したのに加え、vol.1「お前と俺」や vol.3「なぐさめるということ」では、映画「さよならドビュッシー」で映画初主演し、利重監督とタッグを組んだピアニスト、清塚信也が一部劇中音楽を演奏している。

街に根ざした映画との新しい関係が「Life works」から生まれ、この取り組みに合った映画制作の形や、映画館で映画を見る新たな動機につながっていくのか、さらに新しい才能が育つ場となっていくのかどうか、利重監督たちの活動と横浜という街の可能性に注目が集まる。

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