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カンヌ受賞作「夏をゆく人々」アリーチェ・ロルバケル監督「人間であることを見つめていきたい」

2015年8月21日 14:50

アリーチェ・ロルバケル監督「夏をゆく人々」

アリーチェ・ロルバケル監督
Photo:Taro Okamoto
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[映画.com ニュース]第67回カンヌ映画祭審査員グランプリを受賞したイタリア映画「夏をゆく人々」が、8月22日に公開される。新鋭女性監督アリーチェ・ロルバケルの半自伝的作品だ。4姉妹の長女の視点から、大人へと変化する少女の感情を繊細に綴った長編第2作。主人公のジェルソミーナの設定と同じく、養蜂家の家族で生まれ育ったロルバケル監督が作品を語った。

トスカーナ地方の人里離れた土地で、昔ながらの製法で養蜂園を営む一家の4人姉妹の長女ジェルソミーナは、気難しい父独自の教育を受けて育つ。家族は蜂と自然のリズムのなかで生活を営んできたが、ある夏の終わり、ドイツ人少年を預かり、テレビ番組に出演したことにより、家族の生活に静かな異変がおきていく。

「田舎や小さな町を思い浮かべる時、大抵の人が“純粋”で、時間を超えた、決して変わることのない、だからこそ、使い道のある場所だと思うことについての困難さ。内側から(あるいは傍観者として)みると、実情は違っていて、“純粋さ”とは彼らが生きていくため、自らを閉じこめた監獄に過ぎないのです」と本作製作のきっかけとなった考えを述べ、「人の手が入らない土地について、父親と娘たちとの愛の形について、不在の息子たちについて、自然と動物について、そしてテレビというメディアに代表される現代社会についての映画」と作品のテーマを語る。

主人公の両親は田舎こそが救いの場で、家族が一緒にいることで救われると信じている。監督にとっての家族とは何かと問うと、「私は、家族とは網のようなものだと思っているんです。網にはいろいろな機能があります。家族とは、あなたを絡めとって捕らえる網でもあり、あなたが落ちそうな時に、あなたを受けとめる網でもある。それが家族」と答える。


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(C)2014 tempesta srl / AMKA Films Pro ductions
/ Pola Pandora GmbH / ZDF
/ RSI Radiotelevisione svizzera SRG SSR idee Suisse
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今年のカンヌ映画祭は、ジェーン・カンピオンソフィア・コッポラという2人の女性監督が審査員を務めたが、両監督に本作はどのように評価されたと感じているのだろうか。「審査員として参加した女性監督2人は、異なるジャンルの作品を手がける人たちでしたし、必ずしも女性に関わる主題を扱うわけではありませんが、やはり“人間であること”に対する関心を共通して持っていました。この作品も人間のありようを描いた作品として受け止められたのだと思います。これからも人間であることを見つめていきたいと考えています」

そして最後に、日本の観客にメッセージを寄せた。「この映画は、一つの文化と強く結びついた作品だと思うのだけれど、こうした作品が、別の言語を話す、別の背景をもった人々にも何かを語りかけられるのだと思うと、胸が熱くなります。ジェルソミーナの物語は、あの土地と分かち難く結びついて、土地に深く根ざした物語です。まさに木のイメージで、その木を遠くに住む人に見てもらえる、さらにその木に実った果実が、これほどまでに遠くの人々に届けられるのだということに対して、日本の皆さんにとても感謝しています」

夏をゆく人々」は8月22日から、岩波ホール他全国公開。

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