コッポラ、スコセッシが敬愛するインドの巨匠サタジット・レイ監督特集の予告編公開

［映画.com ニュース］　インド映画界の巨匠、サタジット・レイ監督のデビュー60周年を記念した特集上映「Season of Ray　シーズン・オブ・レイ」の予告編が公開された。レイ監督本人が最高傑作と自負する「チャルラータ」と、併映される「ビッグ・シティ」の名場面が切り取られ、冒頭ではレイ監督を敬愛するマーティン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラらのコメントを紹介している。

「大地のうた」をはじめとする「オプー3部作」で知られるレイ監督の中期の代表作で、孤独な人妻のほのかな恋心を描いたタゴールの原作小説を、レイ自身が脚色し音楽も担当した「チャルラータ」と、共稼ぎ夫婦の力関係の逆転を描いたコメディ「ビッグ・シティ」をデジタルリマスター版で上映する。2作ともにベルリン映画祭銀熊賞（監督賞）を受賞している。

レイ監督は、映画監督のほか、小説家、音楽家、グラフィックデザイナーなど、多くの才能を発揮し、晩年にはアカデミー賞特別栄誉賞を受賞。生前には黒澤明監督と親交を持ち、互いにその才能を称えあう仲だった。今回約40年ぶりのリバイバル上映となるが、2作ともDVD化はされておらず、また、日本国内で上映権が残っているレイ監督の作品はほかにないため、映画ファンは見逃すことのできない貴重な機会だ。

特集上映「シーズン・オブ・レイ」は、9月12日からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。