岩井俊二監督、理想の親友像を語る「なんでこいつと思うやつ」
2015年2月11日 11:00
[映画.com ニュース] 岩井俊二監督初の長編アニメ作品「花とアリス殺人事件」が「キットカット」とコラボレーションし2月10日、東京・新宿バルト9で女子高生限定の試写会を実施。岩井監督とキットカット受験生応援イメージキャラクターの桜井美南がトークイベントに出席した。
2004年に公開され、蒼井優と鈴木杏がブレイクするきっかけとなった実写版「花とアリス」は、前年に「キットカット」が企画したWEB限定のショートフィルムとして製作されたのが始まりということもあり、縁は深い。2人の女子高生の友情を描いた本作にちなみ、岩井監督は理想の親友像を「意外と『何でこいつと……』と思うやつと意外と末長かったりして。なんとなく寄り添い合えるやつがいい親友なのかなと。花とアリスもお互いが1番とは思っていないと思う。でも付かず離れず、そこがほほ笑ましくていいんじゃないかな」と語った。
実写版の「花とアリス」も見たという桜井は、岩井監督に「なんでこんなにも女子高生の気持ちがわかるんですか?」と興味津々の様子。岩井監督は、「自分でもよくわからないんですけど、こういう年の子ってこういうことするよなって、あちこち見ているんですかね」と鋭い観察眼を明かした。
今作を製作するにあたり、通常アニメ作品ではやらない「実写撮影」をひと通り行ったという岩井監督。「絵コンテを描いていたのが一昨年の9月くらい。長かったですね。浦島太郎状態です」と苦労を吐露したが、「やってよかった」と胸を張った。客席を埋めた女子高生には、「僕も中学、高校の頃に映画館に足を運んで見た映画が忘れがたい映画になっている。映画館に来るということ自体が不思議体験だった。いつか大人になった時に思い出してもらえる映画になっていればいいなと思います」とアピールした。
「花とアリス殺人事件」は、実写版「花とアリス」の岩井俊二監督が再び原作・脚本・音楽・監督を手がけ、蒼井と鈴木をはじめ、相田翔子、平泉成、キムラ緑子、木村多江、郭智博といった前作のキャスト陣が声優として再結集する。ふたりの中学時代に焦点を当て、“史上最強の転校生”アリスと“史上最強の引きこもり”花の出会いと、小さな殺人事件を描く。2月20日から全国で公開。