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タイで大人気の17歳・アイドル女優が「ラスト・サマー」にこめた思いとは?

2014年11月1日 13:10

プロデューサーのルタイワン・ウォンシラサワットと スタッター・ウドムシン

プロデューサーのルタイワン・ウォンシラサワットと
スタッター・ウドムシン
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[映画.com ニュース]第27回東京国際映画祭CROSSCUT ASIA部門に出品された「ラスト・サマー」は、ホラー大国タイを象徴する作品だ。高校生の男女4人が海に出かけた夜、ひとりの女の子がショック死する。少年たちは飲ませたドラッグのせいだと思うが、親友のエーンはひとり秘密を抱えていた。幽霊に苦しめられるエーンには、母親や親友とのリアルな問題が象徴され、さらにその先に死んだ少女の家族の問題が描かれる。思春期の孤独に迫る真摯な作品を手掛けたプロデューサーと、いまタイで大人気の17歳のアイドル女優が映画にこめた思いを語った。(取材・構成/赤塚成人)

──これはルタイワンさんの会社Talent 1の第1回作品ですね。映画会社にとって、最初の作品が収益を上げられるか否かは大事な問題ですが、タイ本国での反響はいかがでしたか?

ルタイワン・ウォンシラサワット(以下、ルタイワン):興行的にすごくよかったわけではありません。ほどほどと言えばよろしいでしょうか。でも批評家には好評で、賞をいくつかいただきました。

──映画ではひとつの大きな物語を3つに分け、各パートを別の監督が演出しています。どんな理由からそれぞれの監督を選んだのですか?

ルタイワン:第1話を撮ったのは、キッティタット・タンシリキット監督です。キッティタット監督はカンヌのCM部門でブロンズ賞を受賞しています。その実績を買ってシンという男子高校生が主役になる導入部を委せることにしました。第2話のシッティシリ・モンコンシリ監督もCM出身ですが、女性を主役にしたCMをたくさん撮っています。このパートは女子高生のミーンが主役なので適任ではないかと考えました。第3話はドラマとして最もヘビーで重要なパートです。サランユー・ジラーラック監督は長編映画を撮った経験があり、しかも家族物とホラーの両方を手掛けていることから内容的に相応しいと判断しました。

──ミーン役はすぐスタッターさんに決定したのですか?

ルタイワン:パンパンちゃん(スタッターさんの愛称)に即決でした。ミーンは心の中に葛藤を抱えていても顔に出さない役柄です。家族の問題を抱えている上、同じ男の子を好きになってしまったことから、親友に対しても葛藤を抱えている。複雑な内面を表現しなければならないため、演技の上手い役者じゃないと務まりません。デビュー作“Ladda Land”(11)を見た時から、彼女は生まれもってのスターだと信じていました。適役と考え脚本を渡したら、幸いなことに興味を持ってくれました。

──スタッターさんはいまや人気女優ですね。今、話に出た“Ladda Land”でタイのアカデミー賞であるスパンナホン賞の助演女優賞を受賞され、次の「セブン・サムシング」(12)では、オムニバスの一話でカップル役を演じて話題になりました。この作品は昨年の大坂アジアン映画祭で上映され、日本でもDVD化されています。

スタッター・ウドムシン(以下、スタッター):日本でも上映されたんですか! DVDまであるなんて知らなかったです(笑)

──リアルな青春群像劇「Hormones(ホルモンズ・ワイ・ワーウン)」(2013-14放映)は、タイ本国で大きな話題を呼んだテレビドラマでした。つい先日、シーズン2の放映が終わったばかりですね。

スタッター:実際にタイの社会で起きている若者の問題を反映したドラマですごい反響がありました。シーズン1が大ヒットして、たくさんの人に私の存在を知られるようになりました。タイでの反響を受けて、英語や中国語などの字幕の付いたものがyoutubeにアップされているみたいです。なので、シーズン2はもう最初からみんな注目している状態でした。

──13歳でデビューされて、本作の撮影時には15歳だったそうですね。脚本を読んで、どの辺りにひかれましたか?

スタッター:複雑な内面にひかれました。いろんな感情を演技で表現しないといけなくて、すごくチャレンジングだと思いました。

──複数の監督がつくことになって、撮影現場ではやりにくさを感じませんでしたか?

スタッター:私が出演したのは第1話と第2話で、演出の仕方はふたりの監督でそれぞれ違っていました。第1話はハプニングが続けて起きる展開で、叫んだり顔で訴える演技が多く、そんなに難しくありませんでした。第2話の方がドラマの要素が強くて、内面を表現する演技があって大変でした。現場にはアクティング・コーチがいて指導してもらいました。演技を押し付けられることなく自由に演じさせてくれたのでうまく調整できました。

──第2話では学園の人気者として登場しますが、そのうち幽霊に追われどんどん苦しめられていきます。精神的に痛めつけられる役を演じるのは辛くなかったですか?

スタッター:確かに辛かったです。だけど楽だったのは、映画ではスクリーンに顔が大きく映るので、何を考えているのか表現しやすいことです。テレビの小さい画面よりもそこは楽だったなと思います。

──演技で一番大事にしていることはなんでしょう。

スタッター:ひとりの人間になるっていうのは、内面を理解することです。脚本をよく理解してその人になりきることで、現場では脚本以上のことが表現できます。登場人物の深い理解が大切なんです。

──ルタイワンさんは完成された作品をご覧になっていかがでしたか。

ルタイワン:まず、パンパンちゃんの演技は期待通りでした。4つの映画賞で主演女優賞にノミネートされ、スパンナホン賞ではポピュラー賞を受賞しています。

プロデューサーとしては映画が完成した直後はあまり幸せではありません。撮り直したい箇所ばかり目について、その気持ちを自分で抑える長い時間が必要です。でも公開されて観客が褒めてくれたら、気付かれないでよかったと思います。この映画祭でも上映後に色々な人がほめてくれて幸せな気持ちになりました。

──最後にTalent 1の今後の展望について教えてください。

ルタイワン:今週末に2作目の「The Couple」というホラードラマが公開されます。それから、ラブストーリーと若者向けのホラーを準備中です。今後2年先に向けてのビジョンとしては、見
る人に考えるヒントを与えるような中身のあるホラーを作りたいと考えています。本作と同じようにホラー映画で興奮するシーンがありながらそれだけではない。見た観客にメッセージを与えるような作品を手掛けていきたいと思います。

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