サンリオ「くるみ割り人形」を増田セバスチャンが“リ・クリエイト” 声優に有村架純&松坂桃李
2014年8月1日 05:00
[映画.com ニュース] 今年で40周年を迎えたハローキティなどで知られるサンリオが、世界的な童話を原作とし、チャイコフスキー作曲による名作バレエでも知られる「くるみ割り人形」のパペットアニメーション映画を新たに製作することがわかった。「原宿Kawaiiカルチャー」の火付け役でもあるアーティストの増田セバスチャンが初監督を務め、有村架純と松坂桃李が声優を担当。テーマ曲にはきゃりーぱみゅぱみゅの楽曲が使用される。
これまでにも多くの夢を届けてきたサンリオが、ハローキティ40周年の記念イヤーに、ひとつの集大成として多彩なクリエイターとともに送り出す同作は、誰もが知る名作を、まだ誰も見たことがない新たなかたちに「リ・クリエイト」する極彩色のミュージカルファンタジーだ。
サンリオは、1979年にパペットアニメーション「くるみ割り人形」を製作・公開。人形に演技をつけてコマ撮りする手法で撮影された79年の「くるみ割り人形」は、「一日に3秒しか撮れなかった奇跡の人形アニメーション」とも呼ばれている。今作は、そのネガフィルムを使用しつつも、古い映画の焼き直しではない、新しい世界観を構築し、新作映画として提示するという挑戦で、ワンカットごとのデジタルスキャニングはもちろん、全く異なる編集をファーストシーンから行っている。全編を極彩色に彩るため、ワンカットごとに映像の鮮度・色彩の処理も行い、CGを加え、追加撮影も敢行。新たなアニメーションパートも組み込み、最後に3D化も施す。
テーマ曲には、増田監督が美術演出と世界観作りをデビュー当時から担当している、きゃりーぱみゅぱみゅの楽曲「おやすみ」を選んだ。同楽曲は、きゃりーのファーストアルバム中、唯一のバラード曲で、主人公クララが夢の中に入り、悪夢を見ながら冒険していくうちに少し成長するという作品のテーマに合致することから選曲。18歳当時のきゃりーの歌声だけを使用し、曲全体を新たにミックスし直すという作業を、きゃりーのプロデューサーである中田ヤスタカが自ら行った。増田監督も「すごく贅沢な結構な大作に仕上がって、エンディングを飾る曲が出来ました」と満足しているという。
主人公クララの声優は、現在公開中のスタジオジブリ最新作「思い出のマーニー」で初声優を務めた有村が担当。クララが人形の国で運命の出会いを果たす若き将校には、松坂が息吹を吹き込む。松坂は、若き将校のほか1人2役の出演で、物語全体の鍵となる役を演じる。11月29日公開。