瀧本美織「指恋」で“非モテ”女子に　「恋に踏み出せない女の子の背中をちょっとでも押せたら」

［映画.com ニュース］　進境著しい若手女優・瀧本美織には、“女優然”という言葉がよく似合う。初めて声優に挑戦した宮崎駿監督作「風立ちぬ」のヒロインに大抜てきされ、しなやかながら凛とした女性像を好演したことも記憶に新しいが、最新ドラマ「指恋（ゆびこい）～君に贈るメッセージ～」では、恋愛に奥手な女子大生を等身大に演じている。「やっぱり『風立ちぬ』の反響はすごかったです。でもどんな作品であれ、その都度見てくれる方を一番に考えていたい。心を動かしていけたらいいなって思っているんです」と胸に秘めた熱い思いを語った。

総合エンタメアプリUULAのオリジナルドラマである本作は、不器用で素直に思いを伝えられない女子大生・美羽と、陽気な韓国人留学生・スンホが織りなす爽やかなラブストーリー。美羽は、日本語を話すことはできるが書くことができないスンホから、初恋の日本人女性へ送るためのメールの“代筆”を頼まれる。この共同作業をきっかけに2人は互いの悩みを分かち合い、さまざまな思いを通じ合わせていく。

“指恋”とは最近の若者言葉で、好きな人とメールをすること。「台本を読んでみて、登場人物たちがメールでやり取りすることが多いので、何となくそういう意味なのかな」と“指恋”の意味を推察した瀧本は、「昔も今も同じかもしれないけれど、好きな人に『好きだ』って伝えるのはとても勇気がいること。私自身もなかなか言えない。そんな恋に積極的になれない女の子の気持ちはすごく分かるなって思いました」と理解を示した。

快活で前向きな親友に比べ、引っ込み思案で恋愛経験も少ない美羽。大学の人気者・正樹に一目ぼれするが、密かに思い続けるだけで行動には移せない。そんな美羽に唯一できることが、“指恋”なのだ。「できれば面と向かって話したい。『好き』という思いを伝えるには言葉の方が温かみがあるし、気持ちは伝わると思う。でも、そんな勇気を出せる人って少ないんじゃないかな。なかなか恋に踏み出せない人も、ちょっと勇気を出すことで自分が変われたり、前に踏み出せたりする。そういう意味ではメールを使ってもいいんじゃないかなと思います」と前向きにとらえていた。

そんな美羽に恋愛指南をほどこすスンホ役を、人気韓国グループ「BIGBANG」のメンバーとして活躍するV.Iが演じる。瀧本はバラエティ番組を通じてV.Iと面識があったそうで、「すごく場を盛り上げてくださる方なので、今回も常に現場を盛り上げてくれました。すごく日本語がお上手で、発音にも気をつかっていてすごいなって思います」と尊敬のまなざし。美羽が密かに恋心を寄せる正樹に扮した若手実力派・本郷奏多も、「今までもクールな役柄が多かったので、ツンデレなイメージがあったんです（笑）。でも実際は、クールに見せながら恥ずかしがっていたり、意外とドキドキしていたり。イメージと違ってかわいらしかった」とフレッシュな顔合わせにも注目したい。

また、「NANA」「ラフ ROUGH」「ランウェイ☆ビート」など、数々の青春恋愛映画を手がけてきた大谷健太郎監督との初仕事も意外性に満ちていたという。「恋愛映画のエキスパートなので、厳しくビシバシくる感じを勝手に想像していたけれど、実際はすごくほんわかとしていて優しい雰囲気の監督でした。大谷監督も、きっと恋に理想があるんじゃないかな。『女の子にはこうあってほしい』『優しい人がいい』とか（笑）」と繊細な男心にも気を配った。

スマートフォン向けである本ドラマは、全12話構成で1話は約10分という尺の長さ。演じる上では、「特別な意識はしていなかったですね。いつも役のことしか考えていないのかも。私は他の現場でも、シーンの撮影が終わった後にモニターを全然見ないので、どんな風に撮られているかは完成するまで分からない。それでいいかなって思っているんです」とポリシーを語る。そして、「とにかく面白いものを届け続けたい。今回は、恋に踏み出せない女の子の背中をちょっとでも押せたらうれしいなと思います」とスマホディスプレイの向こう側にいる観客に温かいメッセージをおくった。

「指恋（ゆびこい）～君に贈るメッセージ～」は、本日12月4日からソフトバンクモバイルのスマートフォン向け総合エンタメアプリUULAで独占配信される。