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第70回ベネチア国際映画祭は伊ドキュメンタリーに栄冠!「風立ちぬ」受賞ならず

2013年9月9日 13:00

ジャンフランコ・ロージ監督「風立ちぬ」

ジャンフランコ・ロージ監督
Photo by Ian Gavan/Getty Images
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[映画.com ニュース] 第70回ベネチア国際映画祭が、9月7日(現地時間)に閉幕し、栄えある金獅子賞にイタリアのジャンフランコ・ロージのドキュメンタリー「Sacro Gra」が輝いた。コンペティション部門で唯一の日本映画だった宮崎駿の「風立ちぬ」は受賞を逃した。

ベルナルド・ベルトルッチ審査委員長は金獅子授与の理由を、「ローマを取り囲む環状線をテーマに、その周辺で生きる人々の様子をユニークなスタイルで、まるでオーケストラの指揮者のようにうまくまとめている。自分はとくに宗教的な人間ではないが、本作は世界や空間やそこで生きる人々への視線がどこか宗教的ともいえるピュアなクオリティを感じさせた」と語った。コンペにはもう1本、アカデミー賞監督エロール・モリスがドナルド・ラムズフェルドを撮ったドキュメンタリー「The Unknown Known」があり、こちらも評価が高かったが、著名すぎるのが災いしてか、退けられる形となった。

今年新たに作られた審査員大賞には、貧しいなかでふたりの子どもと暮らす父親の姿を描いたツァイ・ミンリャンの「Stray Dogs」が輝いた。笑顔を押さえきれない様子のミンリャンは受賞のスピーチで、「世界がどんどん加速していくなかで、こういうスローな映画を審査員が評価してくれてとてもうれしい」とコメント。また「製作に関わったふたつの“国”に感謝したい」と、フランスとともに台湾の名前を挙げ、暗に中国の台湾に対する姿勢を非難しているとも取れる発言をした。

その後の受賞会見で、中国映画に対する見解を尋ねられたミンリャンは「中国には偉大な監督がいる。クリエイティビティにとって自由はなくてはならないもの。中国の監督たちがそういう状況で映画を作り続けられることを望む」と語った。また本作が引退作品になるという噂に関しては、「運命の定めるまま」と言明するのを避けた。

娘に売春を強いる父親の姿を描いて賛否両論を巻き起こしたギリシア映画「MIss Violence」は、アレクサンドロス・アブラナス監督に銀獅子監督賞、父親役のテミス・パヌには男優賞が授与され、審査員からお墨付きをもらう形になった。ドイツのフィリップ・グローニングがドメスティック・バイオレンスを描いた「Die Frau des Polizisten」も暗いテーマだが、審査員賞を受賞。最も評価の高かったスティーブン・フリアーズの「あなたを抱きしめる日まで(原題 Philomena)」は、主演のジュディ・デンチが非の打ちどころのない演技を披露したものの、監督、俳優ともに大御所であるからか、スティーブ・クーガンジェフ・ポープが脚本賞を受賞するに留まった。

その一方で、女優賞はイタリアのベテラン舞台俳優エレナ・コッタが、「Via Castellana Bandiera」で受賞。まったくセリフのない役ながら、その豊かな表現力が買われたようだ。若手俳優に送られるマルチェロ・マストロヤンニ賞は、「Joe」でニコラス・ケイジと共演したタイ・シェリダンに贈られた。

計20本並んだ今年のコンペティションは、経済危機や社会問題などを反映したシリアスな作品が目立ち、受賞結果もまた、ベネチアの伝統を反映し、インディペンデントで重いテーマの作品に光が当たる形となった。(佐藤久理子)

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