新婚・松江哲明監督、テレンス・マリック最新作に感服「相変わらずやっちまっている」

2013年8月1日 13:15


テレンス・マリック最新作を語る松江哲明監督(右)
テレンス・マリック最新作を語る松江哲明監督(右)

[映画.com ニュース] ドキュメンタリー作家の松江哲明監督が7月31日、東京・吉祥寺バウスシアターで開催中の巨匠テレンス・マリック最新作「トゥ・ザ・ワンダー」公開記念特集上映トークイベントに出席。新婚の松江監督は、サプライズの花束贈呈に満面の笑みを浮かべながら、大ファンだというマリック監督について熱く語り尽くした。

本特集では、マリック監督の代表作「天国の日々」「シン・レッド・ライン」「ニュー・ワールド」の3本を上映。いち早く最新作「トゥ・ザ・ワンダー」を鑑賞した松江監督は、「相変わらずやっちまっているなと(笑)。初めてマリックの作品を見る人は度肝を抜かれると思う。森直人さんが“マリックは天然記念物”みたいなことを書いていて大爆笑した」と鬼才マリックの変わらずの破天荒ぶりに舌を巻いていた。

また、「最近『グランド・マスター』を撮ったウォン・カーウァイを思い出した。今は自主映画なのに“文法ができあがっちゃっている”って映画が多い。本当にオリジナリティで映画を作る、常人が考えるのと全然違うその人にしかない文法で作る監督は、良い悪いじゃなく新作が出る度に映画館に行かないといけないなと思う。90年代のミニシアターにはそんな監督がたくさんいた」と熱弁をふるった。

さらに、マリックの撮影の手法を「劇映画ではなくドキュメンタリーの作り方に似ている」と分析し、「諏訪敦彦監督の『2/デュオ』を思い出した。プロットだけ作っておいて、あとは役者に劇中の人物になりきってもらい、確信犯的に“何もないこと”をちゃんと撮る。それをハリウッドの大スターを素材にやっちゃう、マリックの“生きる伝説”といわれるすごさを感じた」と感服しきりだった。

トゥ・ザ・ワンダー」は、フランスとアメリカを舞台に男女が織りなす愛の移ろいを美しい映像で描くドラマ。「アルゴ」(12)で監督としての地位を確立したベン・アフレックオルガ・キュリレンコが主演を務め、レイチェル・マクアダムスハビエル・バルデムら豪華キャストが脇を固める。撮影は「ニュー・ワールド」「ツリー・オブ・ライフ」に続き、マリックと3度目のタッグとなる名匠エマニュエル・ルベツキ。8月9日から公開。

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