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認知症描いた長編アニメ「しわ」、手がけたスペイン人監督は“ガンダム世代”

2013年6月21日 21:30

インタビューに応じたイグナシオ・フェレーラス監督「しわ」

インタビューに応じたイグナシオ・フェレーラス監督
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[映画.com ニュース] 三鷹の森ジブリ美術館が配給を手がけ、認知症を描いた作品としても話題を集めるスペインの長編アニメ「しわ」の公開を前に、本作で長編デビューを飾るイグナシオ・フェレーラス監督が来日を果たした。現在40歳で「おじが日本に40年以上暮らしている関係で、子どもの頃から『ガンダム』など日本のアニメに触れる機会が、周りの同世代に比べると多かった。年齢的にもガンダム世代といえるかもしれません」(フェレーラス監督)。アニメーターを志したきっかけも日本のアニメだといい、「一番のお気に入りは(日本語で)『おもひでぽろぽろ』。今日はこの後、高畑勲監督にお会いする予定なんです」と緊張した表情も見せていた。

原作はスペインの漫画家パコ・ロカが描いた「皺」(第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞)。認知症の兆候が見られたため、養護老人施設で暮らすことになった主人公・エミリオの視点から、高齢化社会のシビアな現実や、人が老いと向き合うという普遍的なテーマを浮き彫りにする意欲作だ。発売後すぐに大きな反響を呼んだだけに、スペインはもとより、ヨーロッパ全土で映画化の企画が持ち上がり、「実写の企画もあったと聞いています。ただ、幸運にも私にチャンスがめぐってきた。原作の持ち味を表現するために、やはり長編アニメというスタイルが最適だったと思います」。

重い題材ながら、軽やかなユーモアや登場人物の子ども時代を織り込むことで「彼ら老人が、輝く未来を夢見る人間だったことを思い出してほしかった」という。また、リアルなCGアニメ全盛の時代にあって、手描きアニメーションにこだわった理由を「リアルだから感情移入できる、とは限りません。手描きのほうが観客の想像力に委ねる面が大きく、その分、感情的に訴えるものも強くなる。それは日本のアニメから学んだことでもあります」と説明する。

本作が描く社会問題は「スペインに限らず、日本や他の先進国にも共通する課題」だというが、「私は医療や社会制度の専門家ではありません。映画が、いつかは誰もが直面する親の老い、そして自身の老いについて考えるきっかけになれば幸せですね」。本国では批評家から絶賛され、第29回ゴヤ賞でアニメーション賞、脚本賞の2部門を受賞したほか、教育番組の世界的コンクールとして知られる「日本賞」でも、2012年度グランプリを受賞している。「もちろん光栄ですが、それ以上にうれしかったのは、この映画を見た観客が『遠く離れて暮らす両親に電話した』と言ってくれたことなんです」。

しわ」は6月22日から全国で公開。同日、東京・新宿バルト9でフェレーラス監督が登壇する初日舞台挨拶が行われる予定だ。

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