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辻仁成「その後のふたり」で一石を投じた今後の映画製作について

2013年2月8日 14:00

辻仁成と坂井真紀「その後のふたり」

辻仁成と坂井真紀
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[映画.com ニュース] 作家、ミュージシャンとして活躍を続ける辻仁成氏の監督第6作「その後のふたり」が、2月9日に公開される。脚本、編集、主演を兼ねる辻監督が、「自分たちで資金を集め、自分たちで運営管理する映画を作ろう」という呼びかけから始まった意欲作。53歳となった辻監督はいま、何を思っているのか。映画製作を含む今後の活動について、映画.comに語った。

1999年に「千年旅人」を発表以降、「ほとけ」「FILAMENT フィラメント」「目下の恋人」「ACACIA」のメガホンをとり、今作は7本目の監督作となる。主人公は、15年間にわたり公私をともにし、ドキュメンタリーを製作し続けてきた映画監督の純哉と七海。創作上の意見の食い違いから交際を終わらせ、七海は東京に残り、純哉は新天地・パリに拠点を移す。その後、七海の提案により、ふたりは自分たちを素材にし「別れたカップルのその後を追いかける」ドキュメンタリーの製作に踏み切る。新たな出会いを探しながら、往復書簡のようなビデオレターが東京とパリを行き来する。

辻監督は今作で、ドラマ「世にも奇妙な物語」で豊川悦司が監督を務めた「冷やす女」に出演して以来、約13年ぶりに俳優に挑戦している。その理由は、「単純に予算がないからですよ。(辻が演じた)純哉はパリにいる設定だし、俳優を探したとしても連れて行ける予算がありませんでしたから。だったら、図々しくも自分でやっちゃおうかなと思ったんです」と明かす。スクリーンに映る自分の姿は「恥ずかしいですね。編集段階ではそう思わなかったのですが、完成したものを皆で見たときに『これ、恥ずかしいな』と。ただ、そうも言っていられないですからね。続けようとは思いませんけれど(笑)」と話す姿は、どこまでも穏やかだ。

クレジット表記以外にも、撮影を一部担当したほか記録、美術(仏パートのみ)を手がけるなど、八面六臂のフル回転と言って過言ではない。そのなかで最も大変だったのは、「あらゆることをやっているなかで、次のシーンで自分が出なくちゃいけないときですね。その状況は大変でした」と述懐。それでも、「30年近く音楽をやってきたもので、度胸だけはあるんですよね。今回、自分が演じることによって役者の気持ちがわかりました。次の機会では、そういう気持ちで接することができるかなと感じました」と話す。

パリでの撮影では、妻で女優の中山美穂もスタッフとして参加したそうで、「彼女が一番の専門家ですから。本の相談はしました。さすがに厳しいですよね。でも、最終的に完成したものを見たときに『いい映画になったよね』と言ってくれた」という。また、「低予算映画ですから、家族に手伝ってもらわないと成り立たない部分もありますから」と語る姿からは、辻監督の目指すべき映画製作の方向性がうかがえる。

次回作は古都を舞台にすると明かし、「夏の京都で撮れたらいいなあと思っています。シナリオは第1稿が既に出来ているので、これから磨いていくつもりです」と構想を語る。頭の中に明確なイメージが完成しつつある口調だ。ジャンルの異なる世界で、それぞれ注目を集め続けてきた辻監督であるだけに、自ら突き進む“わが道”を自覚している。「助監督から監督に……という経験が僕にはないですから、どの作品も独特だと思うんです。でも、そういうのがあっても良いですよね?」

その後のふたり」は宣伝予算が無尽蔵にある作品ではない。辻監督は、「大量のポスターを刷ったりすることはできないので、ソーシャルメディアを使ったり、いろいろと作戦を考えています」と秘策を練る表情は、笑顔が絶えない。「こういう映画が生きる場所ってありますよね。それを追求して、頑張って開拓して、今までこういう映画に目を向けてこなかった方々に『面白いよね』と言ってもらえるものを作り続けていきたいんです。独立系で多くの映画ファンの方々が見てくれるようなものを撮り続けたいと思っています」

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