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西島秀俊主演「CUT」 A・ナデリ監督「真の日本映画を作りたかった」

2011年12月13日 13:30

今年の東京フィルメックス審査委員長を務めたナデリ監督「CUT」

今年の東京フィルメックス審査委員長を務めたナデリ監督
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[映画.com ニュース] イラン出身のアミール・ナデリ監督が、西島秀俊を主演に迎え、すべての撮影を日本で行った最新作「CUT」が公開を迎える。古今東西の巨匠が残した作品への愛と、現在の映画業界への怒りを、主人公の身体的な痛みとともに力強くスクリーンにぶつける。理想とする映画製作のために母国と闘い亡命した、ナデリ監督自身の姿を投影したかのような作品だ。ナデリ監督が、あふれる思いを語った。

「映画は真に娯楽であり、芸術である!」と拡声器片手に叫び、古いマンションの屋上で名画の自主上映会を開く、西島演じる若き映画監督の秀二。兄の残した借金を返済するために、“殴られ屋”となり、ヤクザから殴られるたびに愛する映画への思いを強くする……。2005年の東京フィルメックスでの西島との運命的な出会いにより、本作の梗概が固まっていった。

「西島さんとの出会いから、いろんな扉が開いていったのです。音楽が変調するように作品も変調していきました。日本を舞台にするのであるのなら、主人公の若い監督が日本のかつての名作を救いたいと思っている、その声がひいては世界のシネマも救う話というところにまで広がったのです」。

数々の日本映画から大きな影響を受け、念願の本作製作にあたっては「真の日本映画を作りたい」と考えた。「その国の人のようにその国の映画を作る。彼らの文化、テーマを掘り下げて作るということが自分にとっての挑戦になっています。これまで日本の映画として外国人監督が撮った作品は、決して日本映画になりきれておらず、見ていて歯がゆい思いをしていました。自分が作るならば、AからZまで日本映画と言えるものをつくりたかったのです」。

撮影では4台のカメラを回した。「編集とカメラワークは黒澤明、カメラワークでキャラクターの心情の移り変わりを映していくのは溝口健二、沈黙のステディカムの使い方は小津安二郎へのオマージュです。このコンビネーションを今回意図的に使っています。どの名監督たちも音楽は一切必要としなかった。音楽をつけるのが失礼であるような映画を作っていたので、今回も使っていません」とこだわりを明かす。

主演の西島には厳しい要求も出したが、その感性に全幅の信頼を寄せていた。「西島さんの才能と忍耐強さが、作品のスタイルに大きく寄与しています。私のハートから生まれた映画でありキャラクターですが、表現したかったことの助けを西島さんが日本語でしてくださったんです」。

髪をバッサリと切り、ノーメイクに見える自然な表情で臨んだ紅一点の常盤貴子については、「『新しいことがしたい、自分自身の変化を待っている』と言われたのです。それにはまずはルックスから、ということで髪を切ってもらいました。衣装も私のシャツを貸したんです。ジムの中で起きていることを目で追う、ネズミの様なキャラクターを演じてほしいと言いました。西島さんとの化学反応はすばらしいものでした」と絶賛した。

CUT」は12月17日公開。

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