吉永小百合主演「北のカナリアたち」に“あぶ刑事”コンビ

［映画.com ニュース］　女優の吉永小百合が11月29日、主演最新作「北のカナリアたち」の製作発表会見を都内のホテルで行った。この日は、共演陣もずらり勢ぞろい。柴田恭兵、里見浩太朗、仲村トオル、森山未來、小池栄子、満島ひかり、勝地涼、松田龍平が、メガホンをとる阪本順治監督、撮影担当の木村大作、原案の湊かなえ氏らとともに出席した。

東映の創立60周年記念大型プロジェクトが、豪華キャストの発表とともにベールを脱いだ。宮崎あおいはスケジュールの都合で欠席したが、ベテランと若手の強力布陣に、吉永は頼もしげな面持ち。また、物語の鍵を握る“天使の歌声”をもつ子どもたちは、2カ月におよぶオーディションを行い、全国約3100人のなかから6人が選び出された。

吉永は、この日発表された全キャストと初共演。「皆さん、とても素敵な方々。初共演ってとても緊張するもの。昔、田中絹代さんや高倉健さんと共演したときは、体が震えました。なるべくリラックスしてもらえるような現場にしたい」とニッコリほほ笑んだ。

柴田と仲村は、「あぶない刑事」シリーズで共演している旧知の間柄。吉永演じるはるの夫役の柴田は、「いつの日か吉永さんとご一緒できたらと心ひそかに思っていたが、夢がかなった」と感無量の面持ちだ。オファーを受けた際の心境は、「『ちょっと待ってください。サユリストの方々に申し訳ない』というのが心の声」と話し、吉永を赤面させていた。

一方の仲村は、「その昔、恭兵さんとは何100回となく横浜の中華街で食事をしたが、ただの一度もお金を払ったことがない。そんな恭兵さんに、恩を仇で返すような役になるかと」とニヤリ。里見は、「スクールウォーズHERO 泥だらけの栄光」以来8年ぶりの映画出演。前日28日に75歳の誕生日を迎えたそうで、「映画の仕事は久しぶり。天が私に与えてくれた大きなプレゼント」とご機嫌だった。

“教え子”役の面々は、大ベテランたちに囲まれ終始緊張した様子。「吉永さんは緊張を和らげてくれるので、それに甘えて一生懸命準備したい」（満島）、「吉永さんはなんとも説明のつかない安心感を覚える。緊張よりもワクワク」（小池）と、それぞれが真しな眼差しで語った。そんな5人に対し、吉永は「本当にお芝居が上手な方々。彼らのお芝居を十分に引き出せる、優しい存在になりたい」と語った。なお、撮影は12月2日に札幌でクランクインする。

北海道の利尻島、礼文島が主要な舞台となるサスペンス巨編の今作は、湊の「往復書簡」（第二話「二十年後の宿題」）が原案だ。吉永が演じるのは、離島の小学校で教師をしていた川島はる。最後の教え子となった6人の子どもたちは、天使の歌声をもっていた。そのうちのひとりが崖から落下した事故で夫を失ってしまう。20年後、教え子のひとりが事件を起こしたことを知り、最後の生徒たちに会う旅に出発する。

「北のカナリアたち」は、2012年秋以降に全国で公開。