ベンダース監督が芸大で特別講義 青年期は「画家になりたかった」
2011年10月27日 21:16
25日の来日会見では福島訪問を表明したベンダース監督[拡大画像]
[映画.com ニュース] 2009年に逝去した天才舞踊家ピナ・バウシュさんの世界を、3Dで撮影したドキュメンタリー「Pina 3D ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」の日本公開に際し来日中のビム・ベンダース監督が、10月26日に東京芸術大学の美術学部の学生を対象に、特別講義を行った。100人定員の教室には約230人が殺到、通路で聴講する学生の姿も見られるほどの盛況ぶりだった。
「ずっと画家になりたいと思っていました。映画監督になる気はなかったのです」と挨拶したベンダース監督。後に自らの原点となる読書、絵画、音楽、映写機上映の楽しみに目覚めた幼少期、医学部を中退してパリで画学生として過ごし、映画館に通い詰め、映画作家になることを決心したという青年期を、ユーモアを交えながら振り返る。そして、ロードムービーへのこだわりとして「私は旅が好きで、子どものころから“sense of place(場所の感覚)”とフレーミングを大事にしています。私の映画はまず“場所”からスタートしていて、好きな場所にいると何かを感じて物語がわいてくるのです」と、風景画を得意とし、元々は美術を志した監督ならではの感性の源泉を明かした。
また、新作で初めて取り入れた3D撮影について「66歳になって、ここ2年で3D作品を作って、(映画監督になった)一番初めに戻った気がしています。これまでいろいろと学んできましたが、学んだものでどうやっても表現できないものがあると思いました。そんなときに現れた技術が3Dだったのです」と、肉体的、空間的な芸術表現が特徴のバウシュさんの作品と、3D技術との奇跡的な出会いをうれしそうに話す。映画界で確固たる地位を築いた現在でも、新しい技術への挑戦意欲を失わないベンダース監督の言葉に、未来の芸術家たちは感心しきりだった。
ベンダース監督は、予定時間をオーバーしても学生の質問に丁寧に答えたほか、短編映画を撮り始めた若き日の自身の映像も披露。会場からは大きな拍手が上がった。講義に参加した男子学生は「ピナ・バウシュの舞台が3Dで撮影されたということ、また、フィクションではなく、ドキュメンタリーから3D作品を作っていくという話が興味深かった」と感想を述べた。
「Pina 3D ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」は2012年2月25日全国で公開。
(映画.com速報)
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