小泉今日子、相米慎二監督との思い出明かす

2010年10月24日 10:10


若き日の映像に照れることしきりだった小泉今日子
若き日の映像に照れることしきりだった小泉今日子

[映画.com ニュース] 女優の小泉今日子が10月23日、開催中の第23回東京国際映画祭の企画「映画人の視点」に出席し、「映画人、小泉今日子の世界」と題して約2時間にわたるトークショーを行った。

同企画は、ひとりの人物に焦点を当て、関係の深いゲストを招いたトークショーと代表作をオールナイトで特集上映する試み。今回で3回目となり、小泉のほかに映画美術監督の種田陽平(10月29日)、アニメーション監督のりんたろう(同30日)が登壇する。

この日は、「快盗ルビイ」(1988)、「風花」(00)、「トウキョウソナタ」(08)の3本を上映。トークショーのゲスト1番手として、「快盗ルビイ」の和田誠監督が登場した。小泉は、「毎日、現場で楽しみを見つけたり吸収する感覚があって、『映画って素敵なウソをいくらついてもいいんだ』と思えた初めての現場だった」と述懐。和田監督も、「それまでの作品で少しずつ成長しているのはわかっていたし、CMで演じた喜劇的な役で片りんを見せていましたね。構想は特にないけれど、チャンスがあればもう1回撮りたいね」と懐かしそうに語った。

また、故相米慎二監督との思い出話を盛り上げたのは、「風花」の撮影を担当した町田博と、相米監督作「セーラー服と機関銃」で助監督を務めた「トウキョウソナタ」の黒沢清監督。長回しで知られる相米監督だけに、小泉は「『風花』の最初の撮影は、ピンサロで浅野(忠信)くんを接客するシーンだった。浅野くんとは会うのも仕事をするのも初めてだったのに、スケスケの服を着て1シーン1カットを延々やることになるとは……」と苦笑い。

町田も、このシーンは思い出深いようで「初日にしてはハードなシーンで、小泉さんの手が微妙に震えていたのを覚えている。相米監督が1シーン1カットを大切にするのは理解しているつもりでしたが、あんなにこだわるとは思ってもみなかった」。黒沢は、沢田研二主演作「太陽を盗んだ男」の脚本執筆について「長谷川和彦監督は、まだ立教の学生で製作進行の下っ端だった僕をなぜかかわいがってくれて、チーフ助監督だった相米さんと3人で脚本を書かせてもらった」と裏話を披露した。

また、場内に詰め掛けたファンとのティーチインも敢行。今後の活動について聞かれると、「やっと『毎日かあさん』を撮り終えました。年内に2~3本の新作の撮入を予定していたのですが、不景気なんですね。すべて延期や中止になっちゃいました。来年の春に1本、新作に入れると思います」と笑顔で明かしていた。

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