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専門家もうなるリアルなスパイサスペンス「フェアウェル」公開

2010年7月23日 11:27

派手なアクションはないが、重厚感たっぷり「フェアウェル さらば、哀しみのスパイ」

派手なアクションはないが、重厚感たっぷり
(C)2009 NORD-OUEST FILMS
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[映画.com ニュース] 東西冷戦構造終結の引き金となったスパイ事件を描く、仏映画「フェアウェル さらば、哀しみのスパイ」(クリスチャン・カリオン監督)が公開される。

同作は、スパイという職務に苦悩する人間の姿を描いたリアルなサスペンス。日本人初の「民間人・国家戦略家」として、政治思想、法制度論、社会時事などの評論家として知られる副島隆彦氏は、同作が事件から30年以上を経た現代に映画化されたことに意義があると分析する。

「スパイ映画といえば、ジェームズ・ボンドが有名ですが、あれは娯楽大作です。しかし、そろそろ世界の人々が本当のスパイの物語ということに関心を持つようになった。国家機密を扱う特殊な任務を帯びた人たちが生きる世界は、とても恐ろしい。そろそろそのことに私たちを含めて、気づくようになったんじゃないか。そのことが、時代が進んだということなんです」

1981年春~82年秋、コードネーム“フェアウェル”として活動していたソビエト連邦KGBのウラジミール・ベトロフ大佐(エミール・クストリッツァ)が、諜報活動に関する極秘情報を敵国のフランスへ漏えいさせた「フェアウェル事件」を映画化。劇中ではパリ・エリゼ宮内の仏大統領執務室での撮影が許可されている。福島氏は、「フランス政府が、この映画を作ることを後押ししているという風に判断する」と見る。

「当時の米レーガン大統領と仏ミッテラン大統領は、なかなか意見が合わなくて反目しあうわけですが、ミッテランがレーガンに直接フェアウェルの文書を渡すシーンがある。これが歴史の真実だったと思うんです。フランスはアメリカとの同盟関係を重視し、入手した最高機密を渡した。この事実を30年後の今、フランスが世界に向かって公表したというところに、この映画の重要な意味がある」

フェアウェルは、共産主義の理想と現実のギャップに苦しみ、息子に希望あふれる祖国を残したいという思いから国を裏切る行為に傾く。情報の受け取り役となったフランス人のピエール(ギヨーム・カネ)も、同じ父親としてフェアウェルに共感するが、妻には危険な行為を非難される場面もある。

「スパイたちにとっても、家族の命や安全が脅かされるというのは恐ろしいこと。それは現実に今、世界で行われていることだと思うんです。家族にも秘密で30年も50年も、アメリカであればCIAの覆面捜査官や外国での情報活動をやっている人たちもいる。それは非常に怖い世界だと思います。そうした緊迫した家族の様子が、この映画には非常によく描かれていました」

フェアウェル さらば、哀しみのスパイ」は7月31日から公開。

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