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渡部篤郎、長編映画監督デビュー作公開で「大きく息を吸えた感じ」

2010年2月19日 17:12

次回作にも期待!「コトバのない冬」

次回作にも期待!
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[映画.com ニュース] 俳優・渡部篤郎が長編映画監督デビューを果たした「コトバのない冬」が公開される。落馬事故で数日間の記憶を失ったヒロイン冬沙子(高岡早紀)と、無人の遊園地で働く言葉の話せない男(渡部)の心の交流を描いた物語だ。

ストーリーを思いついたきっかけは、海外で実際に起きた出来事だった。「新聞記事で、婚約寸前に記憶喪失になってしまった男性が、記憶が戻らないまま同じ女性にプロポーズした話を読んだんです。そのときは、これを映画にしたいというより、普通に生きていることって何て素晴らしいんだろうと思って。そこからアイデアが沸いて、幸運にもいろんな偶然が重なり、監督することになりました」

ロケ地の北海道・由仁町は、渡部監督が四季を通して訪れている場所。静寂に包まれた冬景色が男女の切ない恋を盛り上げているが、意外にも“冬”という設定は後から付け加えられたものだとか。「プライベートでスタッフと由仁町の温泉に行ったときに見た雪景色がキレイだったので冬にしようと。撮影中の食事はお弁当ではなく手づくりご飯、夜は温泉に入って11時には寝る、という“過酷じゃない現場”を目指しました(笑)」

現場では、ワンシーンワンカット、ワンテイク、NGなしという撮影手法を取り入れつつ、キャストへの演出はほとんどしていないという。「役者の方がキャラクターを理解して演じれば成立すると思うので、それぞれのアイデアも生かしながら自由に演じてもらいました。(食堂の女将を演じた)渡辺えりさんは、この土地には何人住んでいるのか、電車は何分に1回来るのかまでリサーチされていて。改めて素晴らしい方だと思いました」

ちなみに同作の英題は「echo of silence(沈黙の余韻)」。その言葉通り、見る人に解釈をゆだねる“余韻”を残したラストについては「みんなちゃんと答えを出したいんだろうけれど、世の中には答えが出ないこともたくさんあって、僕たちはその中で生きているんだということを表現したかったんです」と作品に込めたメッセージを明かした。

「“監督”というのはあまり意識していないかな。今も俳優として取材を受けている気分です(笑)」と笑う渡部監督。コメントから見えてくるのは、映画づくりへの柔軟で自然体の姿だ。「この作品を撮れたことは、大きく息を吸えたな、また歩けるぞという感じですね。これがなかったら少し苦しんでいたかもしれません。監督デビューで違う風景を見られたことは、これから10年20年生きる上での“休憩地点”。今は新たに行く場所が見えたという気持ちです」

コトバのない冬」はジョリー・ロジャー配給で、2月20日から全国で順次公開。

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