「阿修羅城の瞳」で行われる、日本映画初の試み
2005年4月12日 12:00
市川染五郎と宮沢りえが共演する「阿修羅城の瞳」(4月16日公開)で、配給元の松竹は日本映画では初の資金調達法を試みる。
これは、劇場用映画の著作権を信託として設定し、信託受益権を機関投資家向けに販売することによって資金調達を行うという映画ファンドで、昨年12月末の法改正によって解禁されたもの。
今回の「阿修羅城の瞳」の製作費および配給経費はおよそ13億円。このうち、松竹が出資する約7億円の比率に相当する著作権を信託設定、ファンド会社のジャパン・デジタル・コンテンツ(JDC)がこれを受託し、機関投資家向けに販売する。投資家は、映画の興行成績などの収益に応じて分配金を受け取ることになる。
これまで松竹は、映画製作において、自己資金、製作委員会方式による資金調達、匿名組合方式による個人投資家からの資金調達という3つの方法によって資金調達を行ってきたが、今回の方法を活用することによって、機関投資家から幅広く資金調達することができることになるという。