アカデミー賞の司会者がアカデミー賞批判。物議をかもす
2005年2月22日 12:00
2月28日に行われる、アカデミー賞授賞式の司会に初挑戦するコメディアンのクリス・ロックの発言が物議を醸している。その発端となったのが、米エンターテインメント・ウィークリー誌のインタビュー記事。クリス・ロックは「だいたい、芸術のための賞ほどばかばかしものはないよ。2人の人間がまったく同じことに挑戦しない限り、優劣を決めることなんてでできないじゃないか」と、アカデミー賞自体を否定する発言をした。
さらに、デンゼル・ワシントンとハル・ベリーが歴史的なダブル受賞を果たした02年をのぞいて、授賞式は一度も見たことがないと告白。「あんなのは単なるファッションショーだ。ゲイでもない黒人の男が、興味を持つわけないじゃないか。おまけに、コメディが軽視されて、黒人もほとんどノミネートされない。そんな番組をどうして見なきゃいけないんだ?」
このクリス・ロックの発言に対し、アカデミー内部からも批判が続出している。司会を降板させるべきだとの声に、授賞式のプロデューサー、ギルバート・ケイツは火消しに忙殺されているという。過激なジョークと若者へのアピール力を期待してクリス・ロックの起用を決めたことが、裏目に出てしまった格好。ちなみにケイツは、「ちょっと退屈な授賞式を面白おかしく皮肉っただけ」として、予定通りロックを起用する意向を表明している。