アテネも魅了したイーモウ監督、違う作品で日米同時首位の偉業
2004年8月31日 12:00
メダルラッシュで日本中を興奮と睡眠不足に巻き込んだアテネ五輪も閉幕したが、この閉会式で、次回北京五輪へとバトンタッチするパートの演出を担当したのが、映画監督のチャン・イーモウ。チャン・イーモウ監督と言えば、87年の監督デビュー作「紅いコーリャン」以降、「紅夢」「秋菊の物語」などで世界の映画祭を席巻してきた名匠だが、昨年はジェット・リーやトニー・レオン、マギー・チャンといったアジアの人気スターを揃えて撮ったワイヤーアクション「HERO」が日本でも大ヒットしたことで、一気にビッグネームに祭り上げられた監督である。
そのイーモウ監督の最新作「LOVERS」は、金城武にチャン・ツィイー、アンディ・ラウといったスターの競演も話題となり、8月28日に日本公開され、週末の興行ランキングで見事1位を記録した。そして驚くべきことに同じ週末、アメリカでは「HERO」が全米でおよそ2000スクリーンの規模で公開され、これまた見事に興行ランキング1位を記録したのである。“日米同時ナンバーワン”というのは映画の世界ではもはや珍しくないが、同じ監督の別の作品が日米でそれぞれ1位に輝くというのは極めて異例。「HERO」は、全米配給を行うミラマックスが公開権取得後1年以上寝かし続け、この度“クエンティン・タランティーノ・プレゼンツ”と銘打って公開。その甲斐あって、外国語映画としては北米市場で歴代2位(1位は今年2月の「パッション」)のオープニング記録を樹立している。この勢いが続けば、来年のオスカー・レースの台風の目になるかも知れない。
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