仏女優トランティニャン、暴行され死亡
2003年8月5日 12:00
恋人に頭部を殴られ、7月27日から意識不明の状態に陥っていたフランスの女優マリー・トランティニャンが、8月1日、パリ郊外の病院で死亡した。41歳の彼女には、4人の子供がいる。
母親であるナディア・トランティニャンが監督するテレビドラマ「コレット」撮影のため、6月からリトアニアの首都ビリニュスに滞在していた彼女は、27日、交際相手でロック・バンド「ノワール・デジール」のボーカルを務めるベルトラン・カントから暴行を受け、頭部を強打して昏睡状態に。担当した医師団によれば、トランティニャンは回復する見込みはほとんどなく、移動も困難な状態であったが、母国で最期を迎えさせてあげたいという家族の希望で、31日の夕方、フランスに移送された。
トランティニャンを暴行したとされる恋人のベルトラン・カントは、事件当日、アルコール中毒と診断され、彼女と同じ病院に移送、薬物の過剰摂取の疑いも持たれている。事件直後はとても事情聴取できる状態ではなかったが、31日に正式逮捕、過失致死容疑で起訴される予定だ。
トランティニャンは「ポネット」「セリ・ノワール」などの出演のほか、「男と女」などの名優ジャン=ルイ・トランティニャンの娘としても知られている。ビリニュスで撮影が行われていた「コレット」は、母親が監督、兄が助監督、息子が俳優として出演、さらにトランティニャン自身も脚本を共同執筆したテレビドラマで、撮影はあと5日を残すのみだった。